↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界旅行記 メイクワールド  作者: 芥4653
第1章:そして運命は動き出す
13/47

仕事の説明そして乱入者

いよいよお仕事の内容です。しかし――――

「まず、最終確認だけどあなたは異世界のお仕事に行くのを断るのよね?この返答次第で説明の量と内容が変わるわよ?」

 まるで答えは分かっている、みたいな顔をしながらそんな質問をしてきた。


「その事だけど、やっぱり行く事にする」


「へえ。どうして?だって、あなたは妹を此処に一人残していくのが心配だったんでしょう?」

 その疑問はもっともだ。


「その事に付いてはもう恣意と相談…いや、家族も含めて話し合った。自分のしたい事をやれって怒られたよ」


「そう」

 そう言って、セリーヌさん…いやセリーが笑った。


「じゃあ、行くって事ね」


「ああ」


「じゃあ、恣意ちゃんは―――」


「はい。了承しました」

 そう恣意が答える。


「あなたも敬語は―――」


「さすがに私まで止めるのはちょっと…」


「そう?…なら仕方ないわね」

 そう言ってセリーは直ぐに引き下がる。


 あれ?俺と対応が違うんですけど…

 差別反対。


 そんな内心の文句が通じる訳もなく話は進む。


「じゃあ、詳しい話に入りましょうか」


「お願いしま―――よろしく」

 危ねえ、また使う所だった。


「そうそう。ちゃんと普通に喋ってね。それでは、まずは聞いたとは思うけど内のバカ―――神がミスしてとある世界が崩壊の危機にあるわ。あなたにはその後始末を頼みたいの」

 セリーがそう言って話し出した。


 というかバカって。

 確かに神様からしたらバカな事をやったのかもしれないけど。


「他の神様にそんな事言って良いのか?」


「良いのよ。それにあいつに敬意なんて払いたく無いし」

 あれ?この感じだと…。


「ひょっとして知り合い?それも割と関係が深いとか」


「大変不本意だけどね」

 そう言って、セリーは不機嫌そうに鼻を鳴らす。

 この感じは深く聞かない方がいいか。


「それで、その神様がやらかした後始末って具体的にはどういった?」


「ああ、別に救ってくれ―――なんて大層な事は望んじゃいないわよ」

 それを聞いて俺は少し安心した。


「じゃあ、何をすれば?」


「何もしなくて良いわよ?」


「…は?」


「ただ、その世界の最後を見届けて欲しいのよ。私達に代わってね」


「いや、そんなの自分達でも―――」


「神様ってね?無闇矢鱈(むやみやたら)と世界に干渉出来ない決まりがあるのよ」

 セリーはそう言った。

 そこら辺もアニメや漫画と一緒か。

 割とあのフィクションって馬鹿に出来ないんじゃないか?

 合致する事柄多いし。


「でも、見る事くらいは出来るだろ?」


「まあ、それはそうなんだけどね。でもそれだけじゃあ意味が無いのよ」


「どういう意味だ?」


「やっぱり、その世界に降り立って見ないとね。つまり、違う視点で見る者も必要って事よ。ただ上から眺めるだけじゃ分からない事ってたくさんあるしね」


「なるほどな」

 神様ってのも色々と考えているんだな。

 ただ踏ん反り返っているだけだと思っていた。


「じゃあ、ただ見届けて来るだけで良いんだな?」


「ええ。そういう事」


「因みに、いつ滅びるんだ?」

 ココ重要!これであなたが死ぬ頃かしら―――なんて言われたらさすがに断るぞ。


「ええと…ちょっと待ってね。……あったあった。大体1年前後かしら」


「そんな直ぐ!?」

 短いな!


「そんな直ぐに滅びるもんなのか?」


「ううーん。今回は崩壊速度が何故か異常に速いのよ。普通なら10年位、例え早くても5・6年掛かるものだけど」


「それは確かに異常だな。そんな所に行けと?」

 何か嫌な予感がするんだけども。


「大丈夫よ。ただ崩壊が早いだけかも知れないじゃない。何も無いわよ。…多分」


「おい…」

 今、多分って言ったぞ。何かあったらどうするんだ。


「とにかく!大丈夫なのよ。うん」


「何を根拠に?」


「カン?」


「おい!」


「何よ。私のカンは意外と馬鹿に出来ないのよ?」

 まあ、一応神様のカンだから何か特別な力でも働いているんだろう。


「本当に?」


「本当本当」


「はあ。分かったよ」


「そう。なら決まりね!なら早速―――と言いたいけれど」


「ん?」

 どうしたんだ?


「その前に、あなたに何か力を与えないとね」


「おお!」

 力、キタ――――――――――!!!!

 遂にこの時が来たか!やっぱチートって、こういう時の鉄板、お約束だよね。

 

 なんだろう。


 やっぱ特別な道具?

 それともパワーが上がっちゃうみたいな能力系?

 それとも最近流行りの魔力が常人の領域から逸脱する―――みたいな?

 わくわくしながら次の言葉を待つ。


 何かな?何かな?


「でも、何が良いのかしら?」


「貰えるんなら何でもいいッス、はい」

 おっと、変な言葉がでたな。


 セリーが若干引いてる。

 隣を見ると恣意も若干引いていた。

 

 なんだよ…。


 だって力だよ?男の憧れだよ?仕方無いじゃん。


 これだから女は。

 ロマンが分からないのかまったく……。


「こほん。じゃあ、一応希望を聞きましょうか」

 おっ!何でもいいの?じゃ―――


「じゃ―――」

 俺が希望を言おうとした時、そいつは現れた。


「力に迷って居るんなら―――俺が良い(・・)場所《・・》に連れて行って(・・・・・)やろう」

「な―――」

 セリーが驚いている。

 いや、俺だって驚いているぞ?だけど神様が驚いているって所が重要だ。

 つまり―――これはセリーにとってもイレギュラー。

 そう捉える事が出来る。


「なんだ?誰だよあんた」

 そいつに聞く。


「俺か?そうだな…色々と名前はあるが、‘須佐之男《スサノオ》‘ってのが一番分かりやすいか?」

「すさのお?……須佐之男…だと?」

 スサノオってあの?古事記(こじき)や出雲国風土記(いずもこくふうどき)等で名前や漢字表記は違うけど、ビックネームだぞ!


「聞いた事くらいあるだろ?」


「まあ」

 色々と説はあるがその中でも有名なのは、やっぱり八岐大蛇《やまたのおろち》を倒した事だろう。

 何より、性格は粗暴で乱暴。


 つまり…危ない。


 出来れば遭いたくなかった神様だ。


「スサノオ様。こんな場所に何の御用でしょうか?」


「おう。あの崩壊する世界に行く奴が決まったが、そいつが行くのを断ったってあいつが言うからよ、止めに来たんだが…何か来て見れば行く事が決まっていてよ。無駄足だったかと思って帰ろうとしたんだがな―――どんな奴かくらいは確かめようと思って観察していたんだ」

 知りたくなかった。

 というか聞いて震えた。

 

 もし、あのまま断っていたら、俺はこの人に止めるという名の――――――考えたくもないな。

 良かった!行くって言って本っ当に良かった!


「あいつとは?」


「おう。お前達が―――いや、小僧。お前が最初に会った神様だ」

 あの人か。何でそんな大事な事をこんな危険な人に言ってんだよ。

 まったく心配して損したな。


「それで良い場所とは?………まさか!」


「おう!セリーヌ分かってんじゃねえか。俺のお気に入りだ」

 何か雲行きが怪しくなってきたぞ。

 スサノオ様のお気に入りって、絶対普通じゃねえよ!


「まあ、まだこいつに渡す能力決まってねえんだろう?」


「それはそうですが―――」


「なら決まりだな!」

 セリーヌさんが何か言おうとしたのを遮ってスサノオ様が勝手に決める。

 ちょっと待てや。


 俺が決めて良いんじゃないの?


「小僧もそれで良いだろう?」

 まるで断られる事を想像もしていないその物言いに、


「あ、はい」

 反射的に頷いてしまった。


「諌君本気なの!?」

 セリーが心配してそう言うも、もう既に遅かった。


「本人も言ったんだ。男に二言はない。そうだろう?」

 スサノオ様が笑顔でそう確認してくる。

 正し目は笑っていない。

 

 どうしよう。もう断れないぞ。

 それにこの空気の中、断る勇気なんて俺には無い。


「そう…ですね。男に…二言は…ないです」

 きっと、今の俺は酷い顔をしているだろう。

 声も少し震えている。


「よし!良く言った。では、行くとしようか」

 そう言ったスサノオ様は指をパチンと鳴らす。その動作流行ってんの?

 それに行くってどこへ?


 あれ?


 今って力が貰える場面だよね?なのに行くって、……え?


 気が付いたら俺は広大な自然が広がる大空の上(・・・・)にスサノオ様と立っていた。










 遂に力が貰えるかと思いきや、新たな神様参戦。

 これで取り敢えず1章は終了です。

 次回、番外挟んでから新章スタートです!

 長々とした日常パートに遂に終止符が!日常ってカットしがちですが、自分はそういう所をきちんとやりたい派です。

 これからも下らない所をやりたいと思っています。

 それでも良いよと温かく見守って下されば幸いです。



 誤字脱字の指摘、ご意見ご感想お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。