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異世界旅行記 メイクワールド  作者: 芥4653
第1章:そして運命は動き出す
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序章

はじめまして。処女作ですがよろしくお願いします。

 親が死んだ……突然だった……。

 当時高校生だった俺と中学生だった妹は茫然とした。

 

 だって、そうだろ?


 今日の夜、あの電話が来るまではいつもの日常だったんだ。


 家に帰って「ただいま~」と言えば、「おかえり~」と返してくれる母さん。


 夜、仕事から帰り、忙しい時には夜遅くまで働いて、「つかれた~今日は……」等と会社の愚痴をこぼしながら、それでも笑顔でビールを飲む親父。

 毎日がつまらなくて、暇で、退屈な日常が……  

 

 これからもずっと毎日続くんだろうなぁ。

 そんな風に漠然と考えていた。


 そんな何処にでもありふれた一般家庭のいつもの日常風景は……

 

 ある日突然終わった………


 夜、電話がかかって来た。

 家には俺一人だった。妹はまだ部活から帰って来ていない。

 なんでもレギュラー入りまでもう少しなんだそうだ。

 俺は部活はしていない。

 遊ぶ為のお小遣い稼ぎのバイトを少しと大学受験に向けて猛勉強中だ。

 

 まあ、まだ高校2年生になったばかり、まだまだ遊びたいのが本心だ。

 遊ぶためにバイトをしてて頭に猛が付くほど勉強してるかと言われると微妙だが……。

 

 母さんと親父は旅行に行っている。なんでも結婚記念日の旅行らしい。

 帰って来るのは今日だ。


 ここしばらく俺たち兄妹(主に妹の部活で俺はバイト)と親父は忙しく、家族4人が揃うのはあまりなかった為に旅行なんてしばらく行っていない。

 だから旅行に行って来ると聞いて俺は行きたかったが、(妹(恣意しい)は、「友達と遊びたいし、めんどくさい」等と言っていた)「結婚記念日なのよ~」なんて語尾に♥が付きそうな感じで言われたら、さすがの俺も空気を読んで二人っきりで旅行に行かせてやろうと思った。


 その時に親父が珍しく照れていたのが印象的だったのを覚えている。


 そんな二人がもうすぐ帰って来るなぁ、お土産は何かねえ、等とぼんやり考えながら貯まってるアニメを消化している時、電話がかかってきた。

 今良い所なのにと愚痴りながら一時停止にしつつ電話に出る。

 

「はい」


「もしもし、こちら神奈川県警の者ですが幸多岐(さちたき)様のお宅でしょうか―――?」


「はい。そうですが、あの、警察が家に何の御用でしょうか?」

 何だか電話越しに慌ただしい声や怒号が聞こえて来る。

 

 何かあったのか?

 

 警察がこんな時間に何の用だと怪訝けげんに思ったが、次の言葉に頭が真っ白になった。


「落ち着いて聞いてください!あなたの家の幸多岐ご夫妻の乗った飛行機が突如爆発して墜落しました。原因は不明。生存者共にただ今調査中です」


「………は?」


 訳が分からなかった。

 何を言っているのか理解出来ない。

 これは何の冗談だ?

 誰か教えてくれよ……いや、そうだ!この警察だと名乗る奴に聞けば……


「何を言って……?」


 これは何かの冗談、いや、いたずらだ。

 

 そうに違いない。

 

 まったく性質の悪い。

 きっと今にでも親父達が帰ってきて、恣意も帰って来て、家族で旅行の感想やお土産の話で盛り上がって、いっぱい笑ってまた明日を迎える。

 

 きっとそうだ!さっさとこんな電話切ってしまおう。

 そんな風に思って電話を切ろうとしたが、相手の方が一足速かった。


「いきなりこんな話を信じろと言われても無理でしょう。テレビは見ましたか?まだなら、点けてください。今ニュースで流れています」


 言われて気付いた。そうだテレビだ!

 テレビを見ればこれが嘘だってすぐに分かる。

 俺はすぐに録画を停止しテレビを点けた。


「何だよこれ……?」


 結果を言えば、それは真実だった。

 テレビの端っこに緊急ニュース速報と表示され、『今日の午後○○時××分、羽田空港行きの飛行機○○便が謎の爆発で墜落!!』と表示されていた。

 アナウンサーがニュースの内容を話しているが、頭に入って来ない。


 親父と母さんが乗っている飛行機が墜落した?本当に?


 じゃあ、つまり……


「本当に家の家族が乗っている飛行機が墜落したんですか?」


 声が震える。


 頼むから冗談だと言ってくれ!


 しかし現実は甘くない。

 そんな淡い希望を簡単に打ち砕く。


「誠に残念ですが事実です」


「そんな……」


 この日、俺、幸多岐諌(さちたきいさ)と幸多岐恣意(さちたきしい)は両親を共に失った。




誤字脱字の指摘があったら報告してくれると幸いです。

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