恋人の話
「いやー俺の恋人なんだけどさ、最近かわいくって仕方ないんだよねー」
「なんだよ。ノロケかよ」
「たまにはいいじゃん。ノロケる相手があんまりいないんだからさ」
「あれ? 最近付き合い始めたんだっけ?」
「んー・・・1ヶ月目かな」
「じゃあ今が一番アツアツな時期じゃん」
「これからもアツアツだっての。馬鹿にすんなよ」
「でもお前も22じゃん? そろそろ結婚とか考えちゃう年頃なんじゃないの?」
「あーまぁねー。でも結婚とかはあんまり考えてないかな」
「そこまで本気じゃないってこと?」
「いやいや。超本気だって。マジで好きだもん。でも結婚とかは相手の気持ちとかもあるし」
「じゃあお前は結婚して欲しいって言われたら結婚するってことか」
「そりゃあ結婚できるなら結婚したいっての」
「でも恋人ってのも大変じゃない? 束縛とかもあるでしょ」
「その束縛が無くなったら寂しくなるのが人間ってもんだって。お前も恋人作れば?」
「いやーあたしはいいわ。もうちょっと自由に過ごしたいからさ」
「そっか。まぁ恋人出来たらまた連絡してくれよ」
「おっけー。・・・もしかしてあそこで手、振ってんの・・・」
「あ、紹介しよか。あれ、俺の彼氏。手出すなよ?」
「誰が出すかよ。男好きなら、あたしに興味はないだろうよ」
「さいですか。んじゃな」
「おう。幸せにな」
おしまい