幼馴染と部活動
再び過去作投稿!
新作を書く時間が無い……。
今日はボクと勇輝の所属する部活動についての話をしようと思う。
とはいえ、ここでこんな話を持ち出したところで、なんの反応も帰ってこないのは分かりきっているので、単なる独りごとというものになってしまうのだろうけど。
それでもこれは話しておかなければならないことであり、ある意味ボクがつけるべきケジメというものに繋がっているのかもしれないのだから。
ボクと勇気がその部活動に所属を決めたのは、入学したての一年生の時だった。
なんとなく。そう、ただなんとなく開いた学校案内のパンフレットのページに書いてあったから。
ちょっと面白そうだなんて思って、興味を惹かれたのが始まりだった。
碌に見学もせずに入部届けを出しに職員室へ向かったのを未だに覚えている。
そして月日が経ち、今に至るというわけだ。
ちなみに、入ったのは文芸部だ。
パンフレットの部活案内には‘ドキッ☆ 女の子だらけの文芸部 〜お菓子もあるよ!〜‘なんて書いてあったから目に留まった。
あまりにネタが古いのと、本当に女の子だらけなのかどうか気になったのだ。(ちなみに、所属していたのは確かに女の子ではあったが、先輩方二人だけだった)
今では活動の一環と称して自作の小説をチョコチョコ書いていたりする。
この記録だって一応はネタ集めのためにつけていたものがパンクしそうになったからこうして書いているわけだし。
はっきり言って、勇輝と一緒にいるとネタが集まりすぎて困る。
勇輝を間近で観察していれば、大抵のSFやファンタジーには巡り合えてしまうのだから。
前に異世界に召喚されたときは本当に驚いた。
だって、魔法だぜ? 魔法。
あっちの住人ってば、皆が皆程度の違いこそあれ、手から火とか出すんだぜ?
地面に手をついただけで岩がめくれて、潰されそうになるんだぜ?
何度、死の覚悟をしたことか。
魔法と言えば、中学生のときに出会った’魔法少女‘なる友人たちのことを思い出す。
世界を救うためといって怪物胎児をしていた彼女たちは、それはそれはがんばっていた。
異世界の魔法とは別の、もっと華やかで凶悪な魔法を駆使して。
存外、テレビアニメと言うものは馬鹿にならないと感じたボクは間違ってないと思う。
共闘したときは巻き込まれそうになって冷や汗をかいたものだ。
まあ、このことらはいつかまた別の機会に書くとして、最近の事件を取り上げるとするならば、京都で神様に会ったことが記憶に新しいだろうか。
確か、山の神とか言ってたっけ。元は化け狸だったらしいのだが、化けるのが上手かった。
どこからどう見たって普通に胡散臭いお兄ちゃんって感じだった。
でもまあ、雰囲気はともかく人間の姿の見てくれはすげえ良かった。
煙管咥えて、モノクルかけて、紫煙燻らせて月見したときはもう死ぬかと思ったね。
はまり過ぎてて半端なかったもん。
キュン死ぬかと思ったもん。
今度、詳しい話を聞かせてもらって、小説を書こうと思っている。
題名は『岩笠放浪譚』で決まったから、早速プロットを立ち上げようと思う。
その内、どこかに投稿できたらうれしい。
こんな感じで、勇輝といればネタに困るなんてことはない。
なぜなら、厄介ごとが向こうからやってくるのだから。
そして、そのことごとくを勇輝は解決してきた。
勿論のこと、ボクも手伝うのだけれど、結局は勇輝が全て丸く治めてしまうのだ。
だからこそ、自分にはできないことを平然とやってのける勇輝だからこそ、ボクは奴が好きになったのだろう。
けれど、好きという感情と同時に、奴に近づきたくないと言う感情もある。
それは所謂‘畏怖’というものなのだろう。
ボクがどんなにがんばっても、勇輝に敵うことは無い。
勝負事において、勇輝は必ず勝利を掴み取る。
それは努力なんかでは覆らない、絶対の’法則‘のようなものだ。
勇輝と言う存在は、いうなれば’世界に認められている‘。
絶対に届くことのない圧倒的なまでの差。
ボクと勇輝の間には、その差が、埋まらない溝があるのだ。
だから、ボクは勇輝と一緒にいたいと思う反面、決して隣に立ちたくはないと思ったのである。
この壁を取り除くには、少なからず諦めと葛藤が必要だと考えていた。
まあ、最近はその壁も壊れつつあるが。
他ならない、この文芸部のおかげで。
先輩たちが後押しをしてくれたから、ボクは今、奴とともにいられるのだと思う。
とまあ、ここまで長く長く延々と喋っていたはずなのだが、如何せん話の内容がずれている気がする。
きっと気のせいじゃない。
……ま、いっか。
僕が言いたいことというのは結局、この部活をボクと勇輝は気に入っていると言うことだけだ。
とはいえ、今のボクが言ったところでそれは須く徒言にしかならず、いつか覚悟が決まったときにこそ先輩たちに感謝をするべきなのだろうし、それまではボクが秘めておかなければならない言葉なのだろう。
いつか、勇輝の隣を歩むことを決めたときに。
先輩二人に報告して、お礼を言うことこそ、今のボクの目標と言っても過言ではないはずである。