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第一話



只今、午前二時。


「はぁ……」


私は今、猛烈に後悔している。

何を後悔しているかというと、たった今私がしている事である。


「はぁ……」

「どうしたの、綾香?」


隣には私の友人、御剣麻琴(みつるぎまこと)がいる。


「どうしたもなにも、なんで私まで、肝試しにつき合わされなくちゃいけないのよ」


そう、今私は肝試しをしているのだ。いや、無理矢理させられている。


「仕方ないじゃなーい、一人じゃダメだって言われたんだもん」


この肝試しは、麻琴のいる女子テニス部、恒例の行事らしい。

しかも、ご丁寧にルールまで決められていて、必ず二人で行動するとのこと。


「でも、なんで私なのよ……」


私はテニス部でもなんでもない。帰宅部である。ちなみに、今年のテニス部は奇数。

そして残った麻琴は私を騙して、肝試しに参加させるという、非常に迷惑な事をやってのけた。


「まぁまぁ、今度パフェおごるから、ね?」

「う……」


こ、コイツ……、私が甘いものに弱いと知っているな……!!


「あ、ほら、あそこが目的地だよ」


そうしている内に、目的地に着いたようだ。

そこは、ちょっと寂れた公園だった。


「ここ?」

「うん。で、ベンチにある棒を持って帰るの」


そして、私達は公園に足を踏み入れた。


「っ!!?」


その瞬間、私は何とも言えない寒気に、身を震わせた。


「どうしたの?」

「いや……」


おかしい。

夜とはいえ、まだ真夏である。

それなのに、なんだろう……気味が悪い……。


「よーし、とったどー」


ちょっと考え込んでいる間に、麻琴は棒を手にこちらに帰って来ていた。


「さー、帰ろー」

「うん……」


私達は、その公園を後にしたのだった。





















































公園から出てからしばらくして、私はある異変に気が付いた。

それは、後ろから足音が聞こえることだった。

一定の距離を保ち、ずっとついて来ている。


「ねぇ、麻琴」

「ん?どったの?」

「なにか聞こえない?」

「……いや、聞こえないけど」


どうやら、麻琴には聞こえてないようだ。


 ペタ、ペタペタ……


まただ。また足音が……。


「……?」

「どったの、さっきから」


私達が歩いているのは、アスファルトで舗装された道。

そう、道路なのだ。

なのに、後ろから聞こえる足音は、まるで裸足かのような……。


私は振り返って確認したかったが、頭の中では警鐘がなり続けている。


『振り返ってはダメ』と。


「わ、私、こっちだから。おやすみ」

「あ、うん。おつかれー」


私は麻琴と別れ、足早に家を目指した。


 ペタ、ペタペタペタ


足音は、私の後ろを一定の距離を保ち、ついて来ている。


――――こわい


「はぁ、はぁ、はぁ……!!」


いつの間にか、私はダッシュしていた。


「な、んで……!!」


自分の住むアパートが見えて安堵するものの、急いで自分の部屋に駆けこんだ。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


ようやく、安心できる場所に入ることができた。


 ペタ、ペタ、ペタ


「っ!!」


しかし、足音は私の部屋の前で、行ったり来たりを繰り返しだした。


「もう、いや……!!」


なんなのよ、もうっ!!



いきなり、変なのに取りつかれてしまいましたねww


感想、バッチコォォォィィ!!

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