9.世界のあり方
「父さん!母さん!」
シン達が村につくとヒラが真っ先に親の元へと駆け寄っていった
「心配かけてごめんなヒラ」
「あなたと離れ離れにならなくてよかったは」
ヒラの両親は再会できたことを心底喜んでいた
「本当にありがとうございました、ライアス様村のもの皆感謝でいっぱいでございます。それにシン様、アスヤ様、リーナ様も地上人であるのに魔族である村のもの達を助けていただき本当にありがとうございます。」
ガンジがライアス達に礼を言うと他の村の人々達も感謝の言葉を述べた、そしてヒラがライアスのところにやってきた
「父さんと母さん、それに友達や村のみんなを助けてくれてありがとう魔王様、僕大きくなったら絶対に魔王様のもとで働くよ!」
「おう!待ってるぞヒラ!」
ライアスはヒラの頭に手をおいて髪をかきむしった、ヒラの顔は笑顔で溢れていた
「ライアス様本当は宴やらで皆様をねぎらいたかったのですがなにとぞ村がこの惨状ですので何もできずに申し訳ございませぬ」
「なに、決まったことは嘘にはできないが決まってないことは嘘にできる『この村はすぐには直らない』」
ライアスがそう言うと村の周りの木々達が集まり自動的に民家の建材となってみるみるうちに民家ご直っていった
「なっなんと!このようなことが本当に何から何からありがとうございます。皆のもの!今ある食材と足りない分は森に行きかき集め、宴の準備じゃ!」
「『別に宴なんかいいって』」
「嘘型ダダ漏れだぞライアス」
遠慮するそぶりを見せるライアスだがバレバレの嘘だとシンに指摘されるのだった
宴が始まって少し経つとシンとライアスが二人で話していた
「やっぱり家族ってのは一緒にいるってのはいいことだよな」
ヒラと両親が仲良くご飯を食べているのを見てライアスが言った
「そうだね、僕は両親が死んじゃったけどヒラには大きくなるまでずっと一緒にいて欲しいな、そういえばライアスにも家族っているの?」
「あぁいるぜ、兄さんと弟が一人ずつあと父親がな、と言うか俺にとってはゲーゴにサンズそれに城にいる奴らはみんな家族だ」
「いいな、それ」
「本来魔王ってのは特殊でな普通に生まれないんだ、原初の魔王っての3人いてそれぞれが創り出したのが今いる魔王達で、俺たちを生んだ言葉の魔王が家族ってあり方を大事にして俺たちに教えたんだ、だから家族ってのは俺にとっては父の教えなんだよ」
「じゃあ他の魔王達は家族ってのを気にしてないのか」
「それぞれ違う考えだろうな、俺みたいに大事にしてる奴もいれば、何も気にしてない奴もいる、魔王ってのは色々いるからな」
家族への考え方はその魔王次第だとライアスは答えた
「そういえばじいちゃんに魔界や天界の世界のことは聞いてたけど原初の魔王って言うのは他にはどんな魔王なんだ」
「なら簡単な世界のあり方から教えてやる」
世界は3つ、天族達の住む天空の世界、天界。地上人達が住む地上の世界、地上界。魔族達の住む魔の世界、魔界。それは神が創り出した3つの世界。
そして神は天界にはこの世のあり方を任せる存在を創り出した。
地震や竜巻などの災害など自然を司る元素の天使
重力や音、光などの物理現象を司る原理の天使
そして神は魔界には生き物の在り方を任せる存在を作り出した
生き物の喜怒哀楽、恐怖に愛の感情を司る感情の魔王
生き物のしたいと言う欲、食、睡眠、性の欲望を司る欲望の魔王
生き物のコミュニケーションを行うための会話をするための言葉を司る言葉の魔王
それぞれが原初の天使、魔王と呼ばれまた各々自分の力を分けたべつの天使、魔王を生み出した
「これが原初の世界のあり方の話だ」
「なるほど、じゃあ魔王って思ってた以上に結構いるのか、それにその話だと天使も多いんだな」
自分が思っているより遥かに魔王が多いことを知りシンが行おうとしていた魔王に会って魔界を知ると言うことが思った以上に長く大変な旅になると思った
「そうは言っても全員が全員城にいるわけじゃないから放浪してる魔王は飛ばして城にいる魔王だけでいいんじゃないか」
「あぁ、そうなんだ城にいない魔王もいるのか、城にいないんじゃどこにいるかわからないからしょうがないな」
内心、少し助かったと思ったらシンであった
「それにいまは、もういない魔王もいるしな…」
「えっ?いないってどう言うこと」
ライアスの言葉に疑問を持つシン
「俺の兄、真実の魔王なんだけどな死んじゃってるんだよ」
「でも魔王って死なないんじゃないのかじいちゃんが昔魔王格だとかなんかがあって死んでもそれを媒介に生き返るとか」
シンは昔祖父に聞いたことを思い出してそれをライアスに聞いた
「基本的にはな、魔王はそれぞれが持つ格俺なら虚実、嘘がこの世にあればそれがきっかけで格によって蘇るただ例外があるその格を手放したら死んでも蘇らない、俺の兄真実の魔王はその格を手放して死んだんだ」
「そうなのか…お前の兄さんはいないのか、正直会ってみたかったなお前の兄がどんな人なのか」
「すごいお人好しの魔王だったぜバカがつくほどのな、それに俺の世界を知りたいって言うのは元々は兄の口癖だったんだからな、だから俺はお前達についていって俺の目的を果たさせてもらうぜ、これからよろしくなシン」
「うん、よろしくライアス」
宴は夜が更けるまだ続いたそして次の日の朝になるとシン、アスヤ、リーナそしてライアス達の魔王のいる不思議な勇者パーティ一行は次なる魔王城に向けて旅立った