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勇者パーティの魔王  作者: クロウサ
1章 魔王と勇者
8/31

8.一件落着

 オークション会場の奥からの出口を進んだ先にはファスティシアの市長の邸宅だった。

 出口から一人の男が出てきた奴隷のオークションで司会をしていた男だ


 「なんだ貴様、オークションが終わるには速すぎやしないか」

 

 家の主人らしき太った男がちょうど鉢合わせ司会の男にそう言った


 「いや〜市長さんあそこの会場はもうダメっすね市長さんあんたも逃げた方がいいっすよ、なんちゅう不運か今回拐った魔族達を助けに来た連中の中に魔王がいたっす」


 「ま、魔王だと何故そんな輩がおるそもそも魔王は城から出ないものではないのか」


 「そんなことないっすよ、結構魔王の奴ら城開けて出回ってる奴らも多いらしいっすよ、まぁ実際今会場にいる訳ですし」


 「レイグ!レイグがいるだろう!あの常人離れをした規格外なら魔王といえど太刀打ちできまい、今頃あいつに倒されてるに違いない」


 「それは無理っすね、魔界のマナと地上界のマナは濃さがかなり変わって、魔族は弱体化すると言われてるっすでも、魔王という部類はそんなの関係ないんすよあいつら、確かに規格外と普通の魔族だったら子供と大人ぐらいの実力があるっすでも、魔王が相手となると赤子と大人いやそれ以上の大きな差があるっすよ」


 規格外の超人的な肉体性能を知っている市長はその希望にかけたが司会の男がそれを否定した


 「それにさすが西の国だったらまだ魔族否定主義だから魔族の奴隷売買はなんとかなったかもしれないっすけど、東の国は魔族だろうと違法な奴隷売買を禁止してるっすからね」


 そして司会の男が出てきた後しばらくすると拐われていた魔族達を連れてシン達がやってきた


 「な、なんだ貴様達!?ここが誰の所有地か知っているのか」


 「はっあ?知るかよそんなのてかお前こそ誰だよ」


 「あの人はこの街の市長だね、街の博物館と繋がってるんだ市長が一枚噛んでいるのも当然だね」


 (魔王はいないか、レイグが足止めっていうか無謀にも挑んでくれたか、まっ知らんやつからしたらあれが魔王だとは思わないがそれで時間稼ぎになってくれたんだ感謝してやらないとな)


 シン達に気づいた司会の男はいち早くその場所から離れていた


 「それじゃあ市長さん俺は逃げるんで、あんたも頑張ってくださいっす、んじゃ」


 司会の男はそう言って市長邸を出て逃げていった


 「あの男めわしを見捨てて逃げおったか!!警備のもの!警備のものよ!」


 市長がそう叫び、大きな音の出るベルを鳴らすとガラの悪い警備員たちが10数人ほどやってきた


 「何よあの見た目、警備員っていうよりただのゴロツキじゃないの」


 「レイグとまでは言わなくてもか奴らわかなりの腕利き、この人数相手なら倒すにしても時間がかかるはずその間にわしは逃げさせてもらう」


 「逃げるって、どこに逃げるんですか」


 逃げようとする市長の前に先回りしていたシンがいた


 「い、いつのまに!?」


 「オークション会場にいた人ほどじゃないですけど僕もなかなかすばしっこいですからね、それにあれくらいの人たちならアスヤ一人で十分ですよ」


 「そいつは俺たちを舐めすぎじゃねーかテメェよぉ!」 


 シンの発言にイラッとした一人の警備員がシンに向かい襲おうとしたとき


 「お前らの相手は俺だ」


 アスヤがその男を殴り飛ばした


 「お前らみたいなただ図体のデカい奴らが束になったて俺には勝てねーよ」


 「クソが!ぶっ潰しちまえ!!」


 一人がそういうと警備員達は一斉にアスヤに襲いかかっていった

 しかし警備員達の攻撃は全て躱されてしまい警備員達は一人また一人とアスヤに倒されていった


 「なっ、な…」


 「強いですよね、アスヤでもさっきあなたが言っていたオークション会場にいたレイグ?って人相手してるの僕たちじゃないですからね」


 呆然と立ち尽くす市長に対してシンが付け加えて言った

 

 「そ、そうだ金をやろういくらだ、いくら欲しいんだ、それにあいつらは魔族だ人じゃないんだあ、お前達は人なんだろ、レイグの相手をしたのが魔王だって聞いた。魔王に脅されてこき使われているんだろう、わしが雇ってやるそれ相応の対価を払うぞ」


「お金なんていらないですよ、それに魔族だって人間です。産まれた世界が違うだけで人じゃなくなることなんてないんですよ、彼らにも家族がいる友がいる、そう言う考えを持つあんたの方がよっぽど人じゃない」


市長の言葉を一掃するシンそのシンの目は少し淋しそうだった、するとオークション会場からの出口からレイグを倒したライアスが出てきた


 「あれなんかいっぱい人が倒れてる」


 ライアスが出てくるのと同時にアスヤが最後の一人を倒し終えた


 「もうあなたを守る人はいないんで、王国の衛兵が来るまで縛り付けさせてもらいますね、僕たちも魔族を逃すわけなんであんまり見られたくないんで」


 そしてシン達は市長を紐で縛り上げ、市長邸の裏口から助けて魔族達を連れ出して街を出た


 街から出て魔界からきた場所に戻るとそこで立ち止まった


 「よしここだね」

 

 シンがそういうとライアスが質問をした


 「ここまで来たけどこの人数どうやって魔界に連れて行くんだ、まさか一回一回数人ずつで開門石を使うのか」


 「いや、あれは少人数ようのだからね大人数の時はこの大開門石を使うんだ」


 シンが持っていたカバンから通常の手のひらサイズの開門石と違い2、3倍大きい開門石を取り出した


 「通常の開門石は使ったところから半径1メートル程度の範囲にいる人を送り、使った瞬間だけしか扉を作れないけど大開門石なら半径2メートルほどの扉を5分間開くことができるんだその開いてる間にみんなに通ってもらう」


 「なるほどなそんな開門石もあるのか」


 「でも注意点は5分間開いたまんまだから、魔界から魔物が扉に入らないよう消えるまで待たないといけないんだ、だから基本的にはこの大開門石を使うのは禁じられてる」


 「いいのかルールを破っても」


 「そんなルールよりみんなを村に返さないとね、それに消えるまで見張って魔物がこっちに来なければ別にバレないしね」


 そう言ってシンは笑い大開門石を使い魔界と地上界との扉を開いた

 扉をくぐり一行は魔界に来た時と同じ森につきシンは夫婦石の片方妻の石を地面に埋めて周りの木に印の紐をくくりつけた


 「よし、あとは村に戻るだけだね、ヒラもガンジさんも待ってるよ」


 シンは魔城のコンパスとはまた別の魔界ようの通常のコンパスを取り出し、ヒラ達の待っている村へと向かい始めた


 そして歩き始めて少したちヒラ達の待つ村が見えた。

 シン達は無事に拐われた村の人たちをヒラ達の待つ村へと送り届けた

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