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勇者パーティの魔王  作者: クロウサ
1章 魔王と勇者
6/30

6.規格外

 「あそこの檻に入れられてるのが連れ去られてた村の人たちか!」


 シンは捕まっている者たちを見て奴隷狩りたちへ怒りを募らせていた。


 「落ち着けシンこいつが怒りを抑えてるって言うのにお前が苛立ってどうする」


 アスヤが苛立つシンを宥める


 「自分の感情に嘘をつくのも得意だからね、イラつかないよう自分の感情を騙してるよ」


 そう言うライアスの言葉奥にシンは隠している怒りがあると感じた。


 「それじゃあささっとさっきの警備員にやったみたいに見つかることを嘘にして捕まってる人たちを助けましょうよ」


 「それは無理だな」


 「なんでよ、助けれないって言うのを嘘にしちゃえばいいんでしょ」


 そう言うリーナにライアスは答える


 「俺の能力は起こってないことを嘘にできるが決まってることを嘘にはできない、それに嘘に違和感を与えると嘘がバレる。」


 自分の能力の欠点を言うとライアスは続けて言った


 「あそこに村人たちがいるのは決まっていることだ、俺たちがみつからないようにするのは出来るが、助けるまで見つからなくするのは無理だ、すでに見えてるものが見えてないものと逃げようとすると違和感を感じて、俺たちが見えるようになるって訳だ」


 「じゃあどうやって助けるのよ?」


 「どうせバレるなら、最初からわざとバレればいい」


 ライアスの言葉にリーナはキョトンとした


 「騒ぎを起こすんだよ、見た感じあそこのオークションをやってる連中は富裕層かなんかだあぁ言う輩は自分の身が第一だ、術を放って拐てきた魔族村の助かったもの達の復讐だ〜とか叫べばあいつらは我先にと逃げ出すだろ、その好きに助け出して、ついでにそれを阻止しようとする奴隷狩り達をぶっ潰す!」


 オークションをしている客達の身なりはかなり良く間違いなく一般階級ではあり得ないと一目でわかるものばかりだった。


 「あー、結構パワープレーなのね」


 「どのみち追われるぐらいなら先にここで潰しといたほうが楽だろうしな、って訳で天術の方ぶっ放しよろしく頼むぜリーナ」


 「私が術を放つ役割なの、ライアスだって魔術使えるんでしょライアスがやればいいじゃない」


 「そこはパーティの初めての連携作業のためさ、リーナが天術をぶっ放して騒ぎを起こす、その間に俺とシンが檻をぶっ壊して、襲ってくる奴隷狩りをアスヤが撃破する、うん!素晴らしい連携作業だ」


 「なんか無理やり連携作業にしてる感があるけどそれで助けれるならそれでいいわ」


 ライアスの作戦に渋々リーナは納得をした


 「でも逃げる時はどうするのもと来た道じゃあ何も知らない一般市民たちがいる、いきなり大勢の魔族が出てきたら街で混乱が起こるよ」


 「それなら大丈夫だろう、ライアスの能力で通った道はあそこでオークションをしてる奴ら用の入り口なだけだろう、そもそもあの人数の魔族を入れるのに表から堂々と博物館には入らないだろう、ここに繋がってる人目のつかない道が一つはあるはずだ」


 シンの不安点にアスヤが答えるとライアスは自分の言おうとしたことを取られ少し悔しがった


 「ま、まぁアスヤの言う通りだ恐らく別の道があるはずだから助けたらその道から逃げ出す。それじゃあリーナ俺が指示を出したら大きめな術をぶっ放しくれ博物館からかなり地下に来てるからエグいのじゃない限りバレないだろ、ただ崩落だけさせないようきおつけてくれよ」


 そしてライアス達が檻の近くまである程度進むとライアスはリーナに指示して天術を放ってもらった。

 リーナが放った天術の火の玉は勢いよく壁にぶつかりドーンという大きな音とオークションをしているもの達に少しの振動を与えた。


 『捕まえた魔族達の仲間が復讐に来たぞー!みんな逃げろー!』


 ライアスが予定通りリーナの術の後に叫ぶとオークションの客達はウヮー、キャーなどと言いながらパニックになって一斉に逃げ出し始めた


 「皆様落ち着いてください、もんだいは我々が対処しますのでどうか一旦落ち着いて」


 オークションの司会がばを収めようとするが客達は我先に助かろうとするため司会の話を聞かずに逃げ出していく


 場が混乱している間にシンとライアスは手筈通り檻を壊していく


 「助けに来ました、さぁ檻から出てください」


 シンに助けられた魔族達は少し怯えた様子で一人の魔族がシンに聞いた


 「あなた、地上人じゃないのなんで私たちを助けるの…」


 「確かに僕は魔族じゃありませんただ助けたいから助けるんです、それに僕たちの仲間は魔王だこら」

 

 シンはそう言いライアスの方を見ると怯えていた魔族は少しずつ落ち着いていき檻から出ていった


 「これで最後の一つ、シンそっちの檻はどうだ!」


 「僕の方もこれで終わりだよ!」


 シンとライアスが檻を壊している間に予想通り奴隷狩りたちが攻撃用法具を使い襲いにかかってきたが、アスヤはそれを難なく撃退し、役目を終えたリーナもアスヤのフォローに周り奴隷狩りたちをのしていった


 そんななかオークションで司会をしていた男が現在の様子を会場の端に隠れ観察していた。


 (あの男はまさか…ただの魔族の復讐か変な正義感に走った地上人でしたら私がなんとかしようと思いましたがあの男がいては分が悪いこの会場は捨てるとしましょう)

 

 そうして司会をしていた男は会場から逃げ去っていった。


 「こいつで最後か?」


 襲ってきた奴隷狩り達を倒し切ってアスヤが言ったすると会場の奥の方から声が聞こえてた


 「おいおいおい、なんだよこの有様はよう、俺が寝てる間になーにしてくれてんだテメェら」


 すると奥から目つきの悪い金髪の男が頭を掻きながら出てきた


 「まだ一人残っていたか、なら潰すだけだ」


 アスヤがそう言った瞬間、金髪の男はその場から一瞬で消え、次の瞬間にはアスヤの目の前に出てアスヤを蹴り飛ばしていた


 「調子に乗んなよクソが!だがまぁ今の俺の攻撃を塞いだのは褒めてやる、寝起きだから少し遅かったんだな」


 殴られる瞬間アスヤはガードをしてダメージを極限に抑えていた


 「だけど他の奴らはどうかな」


 次の瞬間男はリーナの目の前に現れリーナを吹き飛ばした


 「リーナ!!」


 シンが叫ぶと吹き飛ばされたリーナが立ち上がった


 「私は大丈夫ライアスが魔力で私を覆って守ってくれたみたい」


 「なんだテメェ魔族か?魔族みたいなゴミが俺には向かうってのか?」


 「そう言うお前は、地上人だけど異常な速さだな脚力の規格外か?」


 「おう!そうだ俺は常人の数十倍以上の脚力を持つ人間、人間より優れたと肉体を持っているゴミ魔族だとしても圧倒的な脚力で蹂躙することができる、法具なんかに頼ってるそいつらカスなんかとは格が違う」


 規格外とは地上人の中でごく稀に身体能力の何かが突出しているものを言う、魔界はマナの濃さが地上界とは数倍違く場のマナの濃さに耐えるよう魔族は地上人より優れた肉体になる。

 だが規格外が突出する部分は、それを遥かに凌駕するものとなり、その部位に関しては高位魔族、魔王すらも超える


 「へー、それは少し面倒だな、シン、アスヤ、リーナこいつは俺が相手をするからお前らは村の人たちを連れて先に出てろ」


 シンは少し迷った末に了承をした


 「わかったこの人たちは僕が外まで逃す、だからライアスも絶対に来いよ」


 『それは、難しいかもな』


 「逃す訳ねーだろうがよ!」


 そう言って男はシンの方に襲いかかってきた


 『お前はそこまで辿り着く』


 ライアスがいうと男は壁のようなものがあるのを感じ足を止めた


 「なんだテメェなんかしたのか」


 『いいや何も』


 「なら、テメェをささっと殺して追いかけた方が早そうだな」

 

 「お前『強そうで俺負けそうだけど』相手になってやるよ」


 男がライアスに狙いを定めてる間にシン達は村の魔族達を連れて会場の奥にあった通路から先に抜け出していった

 



 


 



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