23.楽観と憤怒
「いや〜懐かしいな〜何年振り?100年200年?もっと前だっけ〜?」
「さぁ、覚えてないな」
「それにしても嬉しいねーライアスがいないのは残念だけどサンズがいるなら十分だよー」
サンズとエンジュが話しているとオレンジとレモンがエンジュに質問をする
「ねーねー」「エンジュ様」「この人魔王って?」
「本当なの?」
「うん本当だよ、この人はサンズ、憤怒の魔王サンズ僕と同じ感情の魔王だよ」
「そうなんだー」「だから強いんだー」
「というわけで、僕と交代してもらうね」
「もう少しやりたかったけど」「しょうがないねー」「わかりましたー」「エンジュ様ー」
壁まで吹き飛ばされれた後座り込んでた二人は立ち上がって敬礼をしてサンズの相手をエンジュと交代した
「それでは、お二人は離れたところで私と手合わせでもしますか?」
エンジュと交代をした二人にゲーゴは代わりに戦うかと提案をした
「うーん」「今回はいいや」「魔王同士の戦いも」
「面白そうだから」「おじさんとは」「また今度」
「かしこまりました、少し私も動きたい気分でしたが、仕方ありませんねまたの機会を楽しみにしておきます」
「うん僕たちも」「楽しみにするね」
「では、私たちは少しはけますか魔王同士の戦いですのでかなり激しいものになります」
そうしてゲーゴたちはその場からはけると、サンズとエンジュは互いに戦いの姿勢をとる
「お前と戦うんだ最初から枷を外されてもらうぞ」
サンズの口調が変わる
「枷って言うのが何かわからないけどそっちの方が楽しそうだから外して外して」
「お前のそう言うところがイライラするな」
「僕は楽しいならなんでもいいよ」
そして二人の魔王が互いに攻め合いサンズの剣とエンジュの拳が衝突すると先ほどのオレンジとレモンとの衝撃とは比べ物にならない程の衝撃波が起こる
衝撃波は城全体を揺らすがその中心にいる二人は微動だにしていない
「剣に対して拳で無事っておかしくねーか、あーっイライラする」
「武器を使うより素手の方が楽しいからねー」
「あー、そー」
サンズが魔弾をエンジュの周り、四方八方に展開させ一斉に放ちそれがエンジュに直撃する
「あっはは、サンズ威力が弱いんじゃないもっと本気出した方が楽しいよ」
「今ので倒れとけよメンドークセーなっ」
魔弾をくらったエンジュだったがまるで効いていなかった、そしてサンズに瞬間的に詰め寄った
「それじゃあ僕の番!」
エンジュの全力のパンチがサンズの腹に入る
「クソがッ…」
サンズは殴られる直前にガードと一緒に後ろに飛んで衝撃を抑えたがくらった威力は相当なものだった
「いってーな、テメェ相変わらず馬鹿力だなクソ」
「ほらほらほら、どんどん行くよー!」
次の攻撃を仕掛けにエンジュは!サンズの飛んだ先に追撃を仕掛けてくる
「連続でくらうかよバカ」
サンズはエンジュの攻撃を避けるがエンジュは続けて攻撃を繰り返してくる
「あっはは、全然当たんなーい、さすがサンズ楽しいなー!」
エンジュはサンズに攻撃が当たらないことを楽しみ、サンズはエンジュの攻撃に怒り互いに力が増幅していき戦いのボルテージが上がっていく
「それじゃあこれはどうかな、ドーン!」
サンズに攻撃が当たらないエンジュは、サンズから距離を取り今度は何もない空を殴り始めた
エンジュが殴った場所からは衝撃波が生じてサンズを襲う、それを避けると壁には大きな凹みができる
「メンドクセー攻撃してくるなーテメェ」
「ドーン!ドーン!ドーン!まだまだ行くよ、ドーン!」
衝撃波を連続で放ってくるエンジュに対しサンズは避け続けると壁にはたくさんの凹みが残る
「テメェがそう来るなら俺もマネさせて貰う!」
するとサンズも剣で空を斬りかかり斬撃波をエンジュへと放つ
その斬撃をエンジュが避けるとそのまま斬撃波は壁へと当たり壁に大きな斬り跡を残した
「すごいなーサンズ、今のをまともにくらったらどうなるんだろー、ひとたまりもなさそうだな〜」
「それじゃあくらって貰っていいか、実際に確かめてみよーぜ」
今度はサンズがエンジュに対して連続で斬撃波を繰り返すとエンジュもまた避け続ける
斬撃波によって壁には斬り跡が大量に付いている
「これは、後片付けが大変そうですね」
「すごいなー」「すごいねー」「魔王同士の戦いって」「めちゃくちゃ激しいだね」「さっきの僕たちとたかたかった時と」「大違いだね」
離れたところで観戦しているゲーゴは後でやる片付けを気にし、オレンジとレモンは二人の激しい戦いを見て興奮をしていた
「当たんねーなぁ、くっそイライラするなー」
するとサンズの持つ剣に魔力が集中して集まってくる
「何それすごく面白そうだね!」
エンジュもマネをして自分の拳に魔力を集める
「終わりやがれ!」
「ドーーン!!」
二人の魔力を加えた衝撃波と斬撃波が衝突し合うと二人が最初に衝突した時の衝撃よりもさらに増した衝撃が発し、あたり全体を地震のように揺らした
それからしばらくすると衝撃がおさまるとサンズが喋り出した
「ここらで終わりにしましょう、これ以上続けると城の清掃が大変だ」
「え〜嫌だよー全然物足りないよー!」
サンズの終わりの提案にエンジュは嫌だと駄々をこねる
「それにサンズなにその喋り方気持ち悪いー」
「ンッ…いやこれ以上やると自分でも抑えきれなくなるこの辺で止めるのがちょうどいいでしょう、喋り方は気にしないでください」
喋り方を指摘されて少しイラッとしたがサンズは抑えたまま話を続けた
「続きはまた今度ライアス様がいらっしゃる時にしましょう、そうすれば城の片付けも簡単に済みますし、ライアス様とも戦えて一石二鳥ですよ」
「なーんか納得いかないけどわかったよー、て言うかなんでそもそもサンズがライアスのところにいるのー?それに様呼び出しどうしてー?」
「それはおいおい話しますよ」
「約束だよーその話楽しみにしてるからね〜それじゃあ今回は帰るとするよ行くよーオレンジ、レモン」
「了解でーす」「エンジュ様〜」
楽観の魔王エンジュとその従者オレンジとレモンは城を出ていった
そして魔王と魔王の激しい戦いは次にやる約束をして一旦終わりを迎えた