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勇者パーティの魔王  作者: クロウサ
2章 新たな出会い
23/30

22.双子の魔族

「目的地に」「到着〜」


 そう言って双子の魔族のオレンジとレモンがゲーゴとサンズのいる玉座の間へと入って来た


「さてサンズ殿どうなさいますか、二人で一緒に相手をするかそれともどちらか一人で相手をしますか」


「エンジュがまだいないみたいなんでウォーミングアップも兼ねて一人でやらせてもらってもいいですか」


「かしこまりましたではよろしくお願いします」


 そしてサンズは前に出ると剣を構えると、オレンジとレモンもそれぞれ持っている武器を構える


「お兄さんが」「遊んでくれるの」「強そうだな」 「楽しそうだなー」


「楽しませれるように頑張りますね」


 サンズの言葉が二人を飛び出させる合図かのようにサンズに向かって斧とハンマーを横に振りかぶり襲ってくる二人に対してサンズは上へと飛び上がりその攻撃を避ける

 

「まだまだ」「どんどん」


 サンズが上へと避けるとレモンがハンマーで追撃を行う、サンズはそれを剣で防ぐがさらに上へと飛ばされる

 サンズは空中で姿勢を整え天井に到達するとすぐさまに天井を蹴りレモンへと反撃を行う


「オレンジ」「あいよ」


 しかしサンズの攻撃はオレンジがレモンを引き寄せたことにより当たらなかった

 そして今度はオレンジがレモンのハンマーに乗りレモンがオレンジをサンズの所まで勢いよく飛ばす


「くらいませんよ!」


 飛ばされた勢いで斧で斬りかかるオレンジをサンズは剣でいなし勢いを止めるとすぐさまオレンジを蹴り飛ばす


「うっぐっ!…」


 蹴り飛ばされたオレンジが壁に衝突する前にレモンがオレンジを受け止める


「大丈夫?」「大丈夫」


 蹴りが直撃したオレンジだったがまだまだ余裕はありそうだった


「やっぱり強いなあの人」「やっぱり強いねあの人」

「楽しいなー」「楽しいねー」


 そしてもう一度二人で襲いかかってくるオレンジとレモン、二人の攻撃を避けるサンズだったが確実に二人のギアが上がっていることを感じる


「さすがアンジュの所の魔族なだけありますね、戦いを楽しみ長引けば長引くほど強くなっていくこれは厄介ですね」


「でもでもお兄さん」「まだまだ本気」「出してないね」「出してないよね」


 二人の攻撃の威力と速度はどんどんエスカレートしていき攻撃を捌きながら反撃をしていたサンズだったが少しずつ反撃の回数が減っていく

 

 するとオレンジとレモンがサンズを挟むように移動し、オレンジが持っている斧をサンズに投げつけた

 サンズが斧を避けると後ろのレモンがそれをハンマーで撃ち返すオレンジが投げた時より勢いが倍以上になった斧をサンズは避けたが、斧の刃がサンズの頬をかすめサンズの頬に血が流れる


「さすがにもう少しだけ力を出さないと手こずりますね」


「なになに力を出すの」「強くなるの」


 サンズはボソボソと呟いた


「あーめんどくせーなー、イライラする」


 呟いた瞬間サンズはレモンのところへと一瞬で詰め寄りレモンを剣で襲いかかるレモンはハンマーで攻撃を防ぐが相当な勢いで壁へと吹き飛ばされる

 オレンジはレモンが攻撃されている間にサンズに飛びかかっていたが、レモンはの攻撃を終えたサンズがすぐさまに向きを変えサンズの剣とオレンジの斧が衝突をしたが迫り合いも起こらずにオレンジを吹き飛ばした


「いたた大丈夫レモン?」

「いてて大丈夫オレンジ?」


 二人は互いの無事を確認する余裕はあるが今のでかなりのダメージを受けたようだ


「すごいねお兄さん」「すごいよお兄さん」「さっきと全然」「勢い違うね」

「楽しいなー」「楽しいよー」

 

 ダメージを受けている二人だがしかし二人の目にはむしろ無邪気さが増しているそしてまた先ほどより勢いが増した状態でサンズに襲いかかる

 しかしサンズには攻撃も当たらずにサンズは余裕の表情で二人の攻撃を躱す


「おかしいな」「おかしいね」「僕たちの攻撃」

「まったく当たらない」「でもでも」「でもでも」

「楽しないなー!!」「楽しいねー!!」


 オレンジとレモン二人の攻撃のギアはどんどんと上がっていく戦いを始めた時とは比べ物にならないほど上がっている

 しかしサンズには攻撃が当たらない二人は確実に強くなっている短時間で感情の高まりで相当強くなっているだがサンズに届かない


 どれだけの力を解放したのか二人にはわからないがサンズが力を出した途端に二人の攻撃は届かない

 強敵と戦いオレンジとレモンはまだまだ強くなっていくその二人の全力の同時攻撃が繰り出される、それに対してサンズも剣で迎え撃つ二人の同時攻撃とサンズの剣が衝突すると相当な衝撃波が起こる


 衝突の末にあった結末はオレンジとレモン二人が玉座の間の扉の方に吹き飛ばされサンズは何事もなかったように立っていた


「強すぎだねお兄さん」「凄すぎだねお兄さん」


 なんとか二人は立ち上がる、すると二人のそばの扉が開く音がした


「すごい衝撃の音がしたけど楽しそうだな〜」


 扉が開いた先にいたのは楽観の魔王エンジュだった


「ようやくお出ましですかエンジュ」


 エンジュを見るとサンズが言った


「あれ〜あれれー、さっきの人が言ってたのってそういうことか、うんこれなら退屈しないよう楽しめるよー」


「エンジュ様」「兄さんすごく強い」「僕たち二人でかかっても」「相手にならない」


 二人がそう言うとエンジュは楽しそうに答える


「それもそうだよ!だって彼はオレンジとレモンとは格が違うもん」


「格が?」「違う?」


 二人は疑問に思う


「そのままの意味だよオレンジとレモン、後そこにいるゲーゴおじさんのような上位魔族じゃない」


「それじゃあ?」「どんな魔族?」


 エンジュは二人の質問に答える


「彼は僕と同じ魔王だよ」

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