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勇者パーティの魔王  作者: クロウサ
1章 魔王と勇者
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2.勇者パーティ

 「僕たちのパーティ入るのはいいとして、魔王のお前が城にいなくて大丈夫なのか」


 魔族のことはわからないけど、城の主が抜けるというのは僕たちでいう、王国の王様がいつ帰ってくるのかわからない旅に出るのと同じだ


 「大丈夫、大丈夫俺が抜けてる間はこの二人が何とかしてくれるから」


 そう言ってライアスは配下の二人を紹介した。


 「まずこっちのおっさんぽい見た目なのがゲーゴこの城にいる魔族の中で一番長い付き合いで最も信頼できて、戦闘はもちろん家事から雑務まで何でもできるスーパー魔族だ」


 「ご紹介預かりましたゲーゴでございます。どうかライアス様をよろしくお願い致します。」


 白髪の髪と髭が綺麗に整っておりこのゲーゴという魔族の威厳をより感じさせているとシンは思った。


 「んでこっちがサンズ、腕っぷしは間違いなくこの城で最強、俺がいなくても勇者や他の魔王が攻めてきてもこいつがいれば何とかなるっていう信頼がある」


 「お褒めの言葉感謝致します。ライアス様に地上界がどういうところなのかをお見せしてください」


 紳士のような立ち振る舞いの彼が魔族のうちの1つの城で最強ということ聞いてシンはこういう奴を怒らせたら一番厄介なんだよなと納得した。


 「まっ、そういうことで何から何までできるスーパー魔族のゲーゴと戦闘力最強のサンズがいれば俺がいなくてもこの城は大丈夫ってことだ」


 そう言ったライアスはいつのまにか貴族のような服装からシン達と同じような旅人の服装になっていた。


 「大変お似合いですぞ、ライアス様」


 「さすがでございます、どんな服装でも完璧に着こなしてしまう、この格好ならライアス様が魔王と気付かれることはないでしょう。」


 この二人はライアスにとても甘いんだな、きっと何でも肯定するんだろうとシンは思った。


 しかしこの見た目ならまず疑われることがないだろう、魔族は多種多様な姿なものが多いというが、ライアスはそもそもの見た目が地上人とほとんど変わらない、服装さえ自分たちの世界に合わせればまず魔族に疑われることはないだろ。それはゲーゴにも言える、サンズは額の右に小さな角があるがそれを隠せば、わからないくらいだ。

 

 「んじゃ城のことは任せたぜゲーゴ、サンズ」


 「「かしこまりました」」


 そうして、勇者パーティに入った魔王の旅が始まった。


 ―――――――――――――――――――――


 勇者シンのパーティは3人、西の王国の領土の端にある小さな村の出身の幼馴染3人


 勇者シン16歳男、男にしては少し長い髪黒髪にまっすぐな瞳をしている、体つきは160センチ後半にしてはいい筋肉をしているが少し可愛いとまではいかないが綺麗な見た目をしているが故に筋肉があるようには見えない。

 母親は幼少の頃に魔物に殺され父親はシンが5歳の頃に夜盗に襲われ殺されたらしい、それからはシンは父親側の祖父に育てられ、祖父に世界の話を聞き魔界のことに興味を持ち旅に出た、使う武器は父の形見の剣で剣術は祖父に教わった。


 拳士アスヤ18歳男、少し坂だった感じの茶色の髪に目つきは少し悪い感じ、しっかりとした肉付きで無駄な筋肉のない実用的な体という印象だ。

 アスヤも幼少期に両親を亡くし、シンの祖父にシンと一緒に育てられその時から兄弟として生きてきた、使う武術は独学で覚え、鍛えた体を扱う、兄としてシンを守るために同行したという。


 術師リーナ16歳女、ブロンドの長い髪にシンを見つめるための大きな目、女性の術師でありながら前線に出てもいいぐらいの体付き、女性の中では筋肉はある方だが彼女が取る行動と服装が相まって年相応の体付きに見える。

 リーナも両親はシンの母と同じ頃に現れた魔物に殺されて村の教会で育てられたようだ、同じ境遇の二人とはよく一緒にいたようだ。通常地上人は魔術を使えないが魔力を持つ者と契約することで魔術が使えるようになる、彼女は天使と契約してようだ。そして彼女が同行した理由は愛するシンとの旅だからだそうだ。


 「長々とした僕たちの説明どうも、話したことざっと言ってるだけじゃないか」


 「てかお前ら全員両親亡くなってるんだな、しかも魔物にやられてんのか」


 「…まぁそうだけど、だからって別に魔物が憎いとかそういうのはないよ、そもそも父さんを殺したのは夜盗出し魔界との扉を開いたのも、夜盗達が開いたみたいだし」


 本来3つある世界は通常の手段では行くことができない、しかし世界に流れるマナを結ぶ流脈、それを開くことのできる開門石をつかうことで地上界と魔界または天界と地上界を繋がることができる。

 シン母をおそったのは魔物だとしてもその原因を作ったのはシン達と同じ世界の住人、地上人なのだ。


 「でも僕は誰も恨んでないよ、確かに父さんと母さん亡くしたのはすごく辛いけど、ここまで育ててくれたじーちゃんは僕たちにすごく愛情を込めて育ててくれた、リーナの育ての親の神父様もすごくいい人なんだよ」

 

 「へー、そうか」


 シンは性根がすごく綺麗な人間なんだとライアスは思った。


 「シン〜別に飲んだくれオヤジのことなんて神父様呼びしなくていいだからね、ただの酒好きのオッサン何だから、後それにライアス私が使うのは天術で魔法じゃないわよ、魔術はあなた達魔族と契約した変わり者達が使うのよ」


 「あー、呼び方が天界と魔界どっちなのかで違うんだな考えてもなかったぜ」


 言われてみて確かにとライアスは思った自分達魔の者が使うから魔術、天のものが使えば天術になるのも納得だ技の性質も魔術と天術では変わってくる、術というのはマナを使う物それが魔か天で呼び名が変わるということだ。


 「それにしても教会の奴らは今まで城に来た奴らはみんな堅物みたいだったのにリーナは普通なんだな」


 「私のところは教会なんて名ばかりの建物だからね」


 「でも魔術、じゃねーや天術が使えるんだろならその教会と契約してる天族いるんだろ、物好きな天使もいるわけだ」


 そうして自分たちの身の上話などを続けて進んでいくとシン達が開門石を使って魔界に着いた時の一番最初に通る村が見えてきた。


 「村が見えたってことは開門石を使ったところまで後少しだ、ってなんか村から煙が上がってないか」


 シン達が村まで寄ってみると村の民家は黒い煙がいくつか上がっており、村は半壊していた。


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