16.野良魔族
「食欲の魔王の城から出てきた割にはあなた達かなり元気ね、だけど私たちに出会ったが運の尽き命までは奪おうとは言わないから持っている金品と食料を置いて行きなさい!」
シン達の前に颯爽と現れた3人組の野良魔族のリーダーであろう男が金品と食料を置いて行けと言った、喋り口調からしておそらくオネェかオカマだろう
「お前達がさっきベーゼが言っていた野良魔族か」
「あら、食欲の魔王とお話をしてきたのそれに食欲の魔王を名前で呼ぶなんて、変わっているわね、それにあなたどこかで見たことがある気がするわね」
「僕たちはあなた達に金品は食料を渡す気はありません、そもそもどうしてそんな盗賊みたいなことをしてるんだ」
シンはキッパリと断るとなぜそのようなことをしているのかと問いた
「そんなの、ご飯とお金が欲しいからじゃないの」
「お前達魔族だろ、飯なんか森の魔物やら木の実を狩って食べればいいじゃねーか、それに金品なんで要求したって意味ないだろ魔界じゃ価値ねーんだから」
「いやよ森の木の実なんてもっと美味しいものが食べたいの、それに魔物は好みじゃないわ、後金品は地上界に行ってお金に変えるは、そうすればまたご飯を買えるもの」
野良魔族はライアスの言ったことに答える
「それに地上界の料理は魔界の料理より圧倒的に美味しいのよね、ほら私は地上人とほぼ変わらない見た目だし、この子は地上人よりちょっと大きいだけ、こっちの子はコートを羽織って頭をタオルでぐるぐる巻きにすればバレないわ」
野良魔族のリーダーであるだろう男はライアスのように何もしてなければ地上人とほぼ一緒の見た目で、一人は、身長が2メートル程あるスキンヘッドの大柄な男、そしてもう一人が獣の耳、尻尾、フサフサの毛をもつ狼型の獣人種の魔族だった
シンはここに来て初めての獣人種の魔族を見て興味を抱いていた
「もしあれだったら、そこの獣人種の魔族ひとを色々と調べさせて貰えたら、食料なら分けますよ」
「いやよ、この子は見せ物じゃないの、それにわたしたちは食料だけじゃなくて金品も欲しいの、食料も分けるじゃなくて全部よ」
「なら僕たちは何も渡せるものはないな」
シンの提案は断られてしまい野良魔族たちは戦闘態勢に入った、するとライアスが
「それじゃあみんなで『協力して闘おうか』チーム戦だ」
「はっ?」
ライアスが言ったことにシンが反応すると、黒い魔力がシンと獣人種の魔族、リーナとリーダーの魔族をそれぞれに包みその場から消えてしまった
「何やってんだライアス、シンとリーナはどこに行った」
「シンとリーナ、それに、魔族の人、2人どこか行った?」
アスヤがライアスに何をしたのかと聞き、シャルルはこの場にいた4人が消えていることに混乱していた
「なーに少し別のところに飛ばしただけだ魔王の魔界での移動方法を使ってな、別にそんな遠くまでは行ってねーよ、それに言ったろチーム戦だただ1対1での闘いでな」
「俺たちが魔族相手に1対1で通用するか確認ってわけか」
「まぁな、これから先はこういう奴らがどれだけ出るかわからないからな、そもそものお前達の力量も知っておきたいからな」
ライアスとアスヤが会話をしていると大柄の魔族が割って入ってきた
「お前の口ぶりからするとラブラの姐さんとラガンはお前らの仲間と一緒に飛ばされたんだな、魔王の移動方法ってのわよくわからんが、ならささっとお前ら2人を倒して場所を聞かねーとな、流石にそのチビは見逃してやる」
「まーまー、俺のことはほっといて、このアスヤを倒したらちゃんと教えてやるから安心しろって、ちゃーんと倒せたらだけどな」
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広く開けた荒野のような場所にリーナと野良魔族のリーダーは飛ばされていた
「ここどこ、シン達がいないライアスの仕業ね」
リーナが周りを見渡していると野良魔族のリーダがリーナに質問をする
「別の場所に特定の人数だけ移動させるって…、ねーそこの地上人もしかしてさっきのあなたの仲間、魔王だったりしない」
野良魔族のリーダーの質問に驚くリーナ
「な、なんでわかったのライアスが魔王だって」
「ライアス…なるほどね、どうりで見たことある気がした訳ね、虚実の魔王だったのね」
「ライアスを見たことあるってあなた何者なのよ?」
野良魔族であるのにライアスを見たことあると聞きリーナは疑問に思った
「わたしは、ラブラよ、親愛の魔王のフロディーちゃんの側近の上位魔族よ、いや側近だったかしら、でもやめた訳じゃないから側近であってるわね」
魔王の側近、相手が思った以上の肩書を持っていることにリーナが驚く、実際に魔王の戦闘をしっかりとはまだ見ていないので、魔王の強さははっきりとはわからないが、ライアスが規格外の相手に圧勝しているので、その実力者と同等の地位を持つ者の側近と思いリーナは、冷や汗を流す
「フーッ、でもそもそもわたしたちはライアスが話のわからない魔王だった場合戦うつもりだったじゃない、それに比べたら相手は魔王じゃなくてその側近問題ないわ」
「あら独り言、その感じからして覚悟は決まったみたいね、虚実の魔王は1対1をさせたいみたいだから、なら始めましょうか」
ラブラがそう言うと二人は互いに戦闘の態勢へと入った