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勇者パーティの魔王  作者: クロウサ
1章 魔王と勇者
10/30

幕間1.真実の魔王

 「わしらは家族だ、家族は助け合いだいかなる時でもその絆を忘れるなよ」


 父は俺たちを生んだときに、そう言ったその心は俺たち兄弟を強く結んでいた


 ――――――――――――――――――――


 魔界のとある城の王室


「魔王様、お兄様が参られました」


「えっ?兄貴がなんで?」


 魔王様と呼ばれた男がそう言うと部屋の扉が勢いよく開いた


「よお!元気にしてたかー!」


「兄貴なんだよいきなり?」


「いや〜暇だったから城抜けてきた。ま、俺がいなくてもなんとかなるから大丈夫、大丈夫」


「暇なだけかよ、まぁべつになんでもいいけどよ」


 兄と弟はその後たわいもない話を繰り返していた


「そういえばアイツって最近きたか?」


「あぁ〜ちょっと前に来たぜ、そろそろ城でもとか小言をいってたぜ」


「なんだよ!俺のところには最近勝てないのにお前のところには来るのかよ!兄ちゃんしょく…」


「はいはい、言ってろ言ってろ」


 戯れる兄を軽くあしらう弟


「まっ城が欲しいならちょうどいいか、俺さこれから地上界に行こうと思ってる」


「はっあっ!?」


 兄が急に突拍子もないことを言い出したので弟はびっくりして腰掛けていた玉座から滑り落ちそいになった


「急に、いや急って程じゃないけどこれからって今からってことか」


 この兄は弟に常々世界が気になると言って世界の話をよく弟にしていた


「そう、今からこの城出たら行こうと思う」


「ここには暇だから来て城を開けただけじゃなかったのかよ」


「暇なのも本当、地上界に行くのも本当」


「まぁ、兄貴が嘘をつくなんてことよっぽどのことがない限りありえないしな」


「だからよアイツがまた来たら俺の城を任せるって言っといてくれ」


「任せるって、城に戻る気はないのかよ」


「たまに魔界には来るだろけど城はアイツに任せるよ」


 それを聞いて弟は兄が地上界で暮らして行こうとしていることを察した。


「兄貴が何をどうしようと言うのは自由だから何も文句はねぇけどよ、家族の絆だけは忘れるなよ」


「当たり前だろ、家族の絆は絶対どたとえどんなことがあっても俺たちは家族だ最後にアイツに会えてないのは残念だけど、まぁ魔界に戻ってきた時に会えるだろう」


「あいよ、またきた時に伝えとくよでもそれまでは城主不在だけどそこはいいのか」


「それは、問題なしだな、俺の城の奴らはみんな優秀すぎるからむしろ俺の方が城での貢献度が低かったくらいな…」


「あら、そうなのね」


 自分で言っておいて悲しくなっている兄に対して弟は淡々と返事をした


「もう少し可哀想がってよ〜まぁそう言うことで俺がいなくなっても大丈夫って訳だ」


 弟にそう言うと兄は続けて言った


「俺は世界を知りたいもっと色々見てみたいそのために魔界を出て地上界に行く、自分の知らないことがいっぱいある世界そんなの最高じゃないか!」


「いいんじゃねえか兄貴の探究心、俺には『興味ないけど』」


「嘘言いやがって〜」


 その後も少し兄と弟はたわいもない会話を少し続けた


「それじゃあ行くな、アイツがきたら城のことよろしく伝えといてくれよ」


「あいよ、世界を知るならとことん知ってこいよ兄貴」


 そうして弟の城を出ていった兄は自分の探究心にかられ魔界を出て地上界に向かった


 魔界での一つの城の王はその城を開け末の弟にたくし地上界で魔族としての力を隠し地上人として偽って生きていく、彼は真実の魔王、彼の人生の中で数少ない嘘の一つだった

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