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オパールへの祈り

お客様はわたしよりも少し年上で

わたしよりも病弱で

わたしよりも長くお仕事ができないことを悩んでいらっしゃった。


隣の隣の街から3時間かけてわたしが会いにいき

喫茶店でお客様のお話を聞いたことを思い出した。


妹の知り合いということで紹介された彼女

病院では精神を病んでいると言われ

働きたくても働けないことを悩んでおられた。


離婚を考えておられ

その日の生活費を持っているものを販売し生活していた。


喫茶店で目の前に座っている彼女は

年齢よりも若い方々がきる薄いピンクのワンピースを着て

背中を丸くし

顔色も悪く見えた。

お声も小さく、笑顔もなく

元気でいてほしかった。


妹の話では

今では

小物作家になり

作家自身が営業も行い商品を紹介し

品切れ続出する売れっ子作家になった。

再婚もし、手紙をいただく3ヶ月前には子供も出産し育児の真っ只中


そんな彼女にわたしはどんな手紙を書こうか

考えていた。

彼女の大きな変化の過程でわたしがご一緒することはなかった。

しかし、彼女の昔と今の姿を見ることができるのがわたしであって

同情や労いでもなく

繋がりたいと思った。


ティーカップに口をつけた。とても冷たくなっていた。


「それでいいのですよ」


耳元で誰かに言われているきがしたけれど

誰もいなかった。


でも、なんだか書けるような気がした。


便箋に向かった。


オパール様


先日はお手紙をいただきありがとうございます。


久しぶりのお手紙に

隣の隣の街にて

お会いした時間を思い出し


なつかしく


当時から今まで

多くの変化の中

歩まれてきた姿を想像しました。


今、再び

オパール様へメッセージを送ることができ

嬉しく思っています。

ありがとうございます。


調香のお断りのお手紙とは別に

手紙を同封した。

ありがとうございます

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