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その六



 二年目の高校生活は、去年とは違う心境で臨むことができた。

 どこかつまらないと思っていた世界史以外の授業では、なるべく居眠りしないように取り組むようになったし、友人の愚痴などもきちんと耳を傾けることができるようになった。そういったものは些細なことでしかないけれど、俺にとっては大きな変化であり、少しずつではあるが、今まで描いたことのない未来を描くことができるようになった。

 そういった変化は円にもわかったようで、それはこの土地で一番心が近い人だったからでもあり、その変化を彼女は嬉しそうな眼差しで見つめながら言ってくる。

「俊、少し明るくなったね」

 喫茶店でいつものように、彼女は頬杖をついた状態。それはもう見慣れた光景で、これを見るとここで得た別の安心を感じられる。

「そうかな」

「うん。なんか、嬉しい」

 と、あの笑顔を向ける円。それを見ると、なぜか恥ずかしい気持ちになってきて、思わず顔をそらしてしまった。なぜ、彼女はこんな風に微笑むことができるのか、それが不思議に思え、それは一種の憧れなんだということに気が付く。


 そうやって、季節は移ろいでゆく。


 たくさんの新入生と共にやって来たほのかな甘さと門出の香りを運ぶ春が過ぎ、どこまでも青い空の中にどこまでも真っ白な雲が堂々と浮かんでいて、それをかき消すかのような秋空が広がり始めた。

 俺は去年と同じように勉強とバイト、そして家事洗濯をしながら日々を過ごしていた。高校でできた多くの友人たちや円と一緒に会話をして、同じ授業を受けて、それぞれがそれぞれの先を歩むために、一つずつ、自分たちの中に色を積み重ねていく。

 そうしていくと、俺にもどこへ向かおうとしているのか――なぜか、それは陽炎のように揺らめいていて、雨が上がった後の山々を囲む濃霧のようで、はっきりとした形にはなっていない。それでも、俺は大学に行きたいのだということだけが、明確な答えとして創り上げられていた。

 大学に行って何をしたいのかもわからないが、やっぱり中学生の頃のように、ここへ来た時のように漠然としているけれど……俺には、どうしても行かなければならないような気がした。手の届かないものを掴むために、これから自分が何をしていくことができるのかを見つけるために。

 だから、日々の勉強はより一層身が入るようになった。二年前、自分はよくわからない何かに追われているという恐怖を感じていて、それは執拗に俺を追いかけ、凶悪な勉強への意志へと変貌していた。だけど、今、あの頃と同じくらい勉強に励んでいるのは、自分のためであるという自覚がはっきりとある。今も昔も自分のためであることには違わないが、それが置かれている次元が違うような気がする。

 それがわかるからだろうか。俺は、苦しくなかった。



 そんな中で、十月の半ばに電話がかかって来た。これから学校へ行こうとした朝の七時過ぎで、部屋の中には透き通った空気が充満していた。

 ケータイには、「朝倉優太」と表示されていた。彼が俺に電話をかけてくるというのは珍しいもので、ここに引っ越してきてから数えるほどしかなかったと思う。

「俊、起きてたか」

 朝であっても昼であっても、もちろん夜であっても、彼の独特のマイペースな口ぶりは変わらない。

「ああ。これから家出るところだったんだ。どうしたんだ? こんな朝早く」

 テレビの上に置かれている時計に目をやり、あまり長電話をすることができないと思った。

「お前に、伝えなきゃならないことがあるんだ」

 いつもの彼の言葉とは、どこか違う気がする。そんな想いが浮かんできて、それが春にかかってきた母からの電話のものと同じような気がして、言いようのない不安がよぎった。

「なんだよ、突然」

 その不安を隠すかのように、俺は少しだけ笑いながら言った。

「……実は」



 その時の言葉を聞いた否かに関わらず、結果は同じだったと――今では、そう思う。

 その日、俺は学校には行かなかった。家にこもっていたわけではなく、どこかに逃げ出したわけでもなく、俺は地元へ向かう電車に乗り込んでいた。高校の制服を身に着けたまま、着替えなんてカバンに詰めず、アパートから持ち出したのは一つだけ。引っ越すときに持って来た、一つの傷口だけだった。

 それを握り締めたまま、俺は地元へ急いだ。急ぎたかった。でも、電車の速度は定められたものでしかなく、そこで感じる時の重さは何十倍のものに感じて、いつしか時に殺されてしまうんじゃないか――そんな恐怖が浮かぶ。

 電車の中で、俺は一つのことだけを考えていた。右手で握りしめている「それ」から染み出してくるものは、当時の記憶を鮮明に浮かばせるもので、高校生になってからそれを見る度に心が痛んでいたのに。



「実は、友香のことなんだ」

「……友香?」

 どうして友香が出てくるのか、予想だにしないことだった。戸惑いつつも、俺は「あいつがどうかしたのか?」と問い返す。

「友香、引っ越すんだ。今日」



 ――彼女、お前には言わないでくれって言っていて――

 そうお願いをする彼女の姿が浮かぶ。



 ――お前に無駄な気苦労をかけたくないから――

 苦笑しながら、自分の心が傷ついているのを隠す彼女の姿が浮かぶ。



 ――だから、教えないでほしいって――

 少しだけの不安と、最大の苦しみを伴わせている彼女がわかる。



 友香が、泣いている。そんな気がした。

 目まぐるしく脳内で優太の言葉が反響する中、俺はその答えを導き出すのにどれほどの時間がかかっただろう。ほんの数時間だけだったけれど、それは果てしなく苦しい、長い悩みの時間だった。時を刻む時計の針の音が、普段よりもその輪郭を尖らせて耳に届き、窓から差し込む朝の光がいつもより冷たく感じ、体を震わす秋の寒さが痛々しくて。

 そうやって気付いたのは、この感覚は……祖父が亡くなった時のそれと、よく似ていた。それがわかると、なぜか足が動きだしていて、俺はろくな準備もしないまま駅へと向かっていた。


 何がそうさせているのか、よくわからない。それでも、俺は帰らなければならない。それが頭の奥で鳴り響いていて、自分の足を前へと進ませる。いや、もしかしたら、遥か昔からそうだったのかもしれない。耳を澄まさなければ届くことのない、小さな……小さな音。どこか痛みを伴っていて、秋の木枯らしのように儚くて、冬の殺風景な白い光景のように切なくて、自分の胸をなでるかのように心地の良い優しい音。

 ああ、いつもの雨のような――粉雪のような音。

 だから、俺は地元に帰らなければ。


 早く、早く。




 あの田舎のバス停には、優太が待っていた。いつものポーカーフェイスがそこにあり、彼もまた学校をサボったのだということがわかる。

「友香は?」

 彼の顔を見てすぐ、俺はそう言った。俺をさっきまで乗せていた町内バスは、未だに視界の端に姿を残していて、俺たちの間にはそこから出た排気ガスが漂っていて、澄んでいるはずの田舎の大気が少しだけ淀んでしまっていた。

「その前に」

 彼はそう言って、俺に何かを差し出した。


 ――手紙だ。


「友香から、お前にって」

 白い便せんのそれには、汚れなど一切なく、最近のものだということがすぐにわかった。「俊くんへ」とだけ、表に書かれている。

 どうしてか、俺はそれを受け取ることができなかった。それを手にしてしまえば、今までの俺が瓦礫のように――雪崩のように音を立てて消え去ってしまいそうな気がした。



 怖い。



 直感的にそう感じる。

「俊?」

 そんな俺に疑問を抱いたような顔を向ける優太。

「……見るかどうかは、お前に任すよ」

 彼はそう言って、俺の制服の胸ポケットに手紙を入れる。そして、それ以上何も言わないまま、ゆっくりと自宅へと引き返して行った。一度も振り返らないままの背中には、いつかの寂しさが漂っているような感覚に襲われる。

 ただ、一つだけわかることがある。

 彼に「読まないと前に進めない」とだけ言われたような気がして、それが手紙の端にこびりついているのだということが、はっきりとわかった。


 俺は秋の空の下、田んぼだけに囲まれたバス停で、俺は手紙の封を切った。読もうと思ったわけでもないけれど、勇気が溢れだしたわけでもないけれど、どうしてか、俺はそうしてしまった。

 手紙には、懐かしい文字が浮かんでいた。特徴的な字ではないけれど、女の子らしい小さな文字で言葉が綴られているそれは、たしかに友香が書いたものだということが示されている。



 ――心が激しく動き出す。



 読み終わった俺は、走りだしていた。どこへ向かおうとしているのか――何をしようとしているのか、目に見えるほど明確な形でそれは存在していて、足を進ませる。

 手紙を読んだ後、俺は渡せなければならないと思った。あのプレゼントを……二年前、自分に纏わり付いたたくさんの感情と、自分の弱さで渡せなかったガーネットのネックレスを。

 彼女の家へと、俺は行った。そこに行った記憶なんてないけれど、彼女が歩いていく道を、いつも帰っていく道を知っている俺には、確認しなくてもわかる。


 山の斜面にある彼女の家は、十数年も昔に誰も住まなくなった民家だった。彼女の父親が都会での仕事を辞め、田舎で農業を始めるために引っ越して来たんだったと思う。


 そこに、彼女の姿はなかった。人の姿はなく、人の気配も感じられない。でも、庭に残された車の跡や、小奇麗な窓のふち、家を囲むようにして植えられていた花々にも、小さな池にも、彼女がそこにいた空気が感じられて、ついさっきまでここにいたのだという現実が浮かび上がる。

 数百メートルの道を走ってきていたため、俺は何度も肩を上下に動かしながら周囲を見渡していた。汗は出ないが、それでも体が熱くなっていくのがわかる。



 ――間に合わなかった。



 胸を切り裂くような……頭を駆け抜けるような、一つの言葉が創造される。すると、体の奥から冷たいものが流れ出てくる感覚が出てきて、それは寂しさを伴っているのだということがわかる。

 友香は、もういない。その世界だけが、広がる。彼女のいない世界が、俺の視界に広がっている。

 澄み切った秋空に包まれた俺は、その美しいものに目を向けることができず、顔を俯かせていた。


 そう――


 俺は、気付いた。

 どうしようもなく大切で、どうしようもなく鮮やかなものに。

 それはずっと胸の奥で囁き続けていたのに、瀬戸際のところで聴こえるほどのものだったのに、なぜ俺は聴き取ることができなかったのだろう。




 友香、友香、友香……!



 

 俺はその名前を、強く喰いしばった口から想いと一緒に外へと放つ。そこに込められている想いは、俺が気付かなかった全てのものが凝縮されていた。


 俺はいもしない神に願う。中学生の時に、俺は神がいないことを悟って、願いを届けようとしたことなんてなかった。



 それでも。

 それでも、俺は願わずにはいられなかった。



 神様……神様……お願いします。

 どうか、俺をあの日に戻してください。彼女と向き合うことのできなかったあの日、あの時に。石造りの玄関で、今にも泣きそうな表情で謝る彼女が立っているあの時に。

 どうか、どうかお願いします。俺を、あの時に戻してください。あの時の彼女を、抱き締めさせてください。そして、今の想いを伝えさせてください。

 神様……俺を、あの時に――


 勢いを付けて、俺は上空を見上げた。透き通った青い空には、夏の雲を世界の果てまで引き延ばしてしまったかのような薄い雲が浮かんでいて、所々から白と青が混じり合っていて、別の空を彩っている。

 鳥が一羽、この家を囲む一本の電線に降り立ち、それが小さく揺れたのと同時にさえずる。微かに世界をなでる風には、冬のような冷気を含んでいて、かすれるような音を奏でている。




 ――願いなんて届かない。

 神様はいない。

 あの場所に、俺は還れない。




 その瞬間、何かが溢れ出てきた。それは半年前、祖父が亡くなった時に溢れ出てきたものと同じで、絶えることなくほほを伝う。その感触さえ悲しくて、苦しくて、さらに溢れ出てくる。




 俺は、友香のことが好きなんだ。

 誰よりも、心を奪う美しい自然よりも。




 彼女に抱いていたあの冬のイメージ……あそこから湧き出た「寂しい」という感覚は、自分に対するものだった。彼女が延々と降り続ける白い雪に埋もれていくことが、寂しかったのだ。それをどうにか止めたくて、彼女を自分の傍に置きたくて、その小さな手を引っ張りだした。雪だるまを作っている時の焦燥感は、そこからのもの。


 あの日の帰り道、彼女の微笑みと僅かな寂しさを持つ顔を見て、俺はどうしようもないほど切なくなった。あれは、自分自身が遠くへ行くことによって彼女と離れてしまうという「既視感」に近いものであり、同時に彼女に対する愛おしさだった。彼女の持つ全てのものが、俺の世界で輝く全てのものに等しくなっているかのようで、その大きさに戸惑っているにすぎなかった。


 彼女の瞳を見ていると、自分が穢れているかのような想い。それは、彼女に比べて、自分に正直になれていない自分への自己嫌悪であり、それを感じているから彼女に会う度に苦しく、辛いと思っていたのだ。その真実から逃げ出そうと、必死になっていたのだ。


 そして、彼女といつも一緒にあの帰り道を歩いていたのは……あのささやかな、世界にとって限りなく無に近いほどちっぽけで、自分たちが歩む人生の長さと照らし合わせてもちっぽけなあの数分は、俺にとっても――彼女にとっても、一日の中で最も愛おしい時間だったのだ。

 小学生の頃のように一緒に過ごす時間を無くしてしまった俺たちは、自然とその時間を作り上げようとしていたのだ。だから、俺はバス停の横にある木造の小屋の中で待つ友香を、バスから降りて追いかけてくる友香を拒絶しなかったのだ。

 彼女が傍に居続けることが、中学時代の俺が真っ黒に染め上がるのを止めていた。彼女を求めていることが、わからないほどに。


 

 世界が変わっていく。

 俺を築き上げていたものが、全く別のものへと変貌していく。

 いつまでもバラバラだった欠片は、ようやく一つの道標へ繋がることができて、俺だけの答えになることができた。



 だから、わかった。

 俺は友香のことが好きで、どうしようもないほど好きで、ずっと好きだったことを。

 だから、どうしても思ってしまうのだ。なぜ、俺は失ってから大事なものに気付くのだろうかって。祖父が亡くなった時も、今も。

 そうやって後悔して、涙を流して。

 馬鹿だ。俺は世界で一番馬鹿な人間だ。



 友香……友香……!!



 言葉が漏れてくる。彼女がいなければ、俺の見る世界は成り立たないのだ。

 答えは導き出されたかのように見えて、それが本当の意味で自分の礎になるには、もう一つ足りない。

 最後のピースだけが、どこを探しても見当たらない。彼女さえいれば、彼女があの時と同じように傍で歩いているだけで、雲一つない夜空に浮かぶ満月のように、俺は満ち足りた存在になれるのに……


 この時、俺は想像した。あの時、見れなかった友香の顔を。

 それはきっと、見せたことのない照れた表情に違いない。

 嬉しさだけが、そこに浮かんでいるはず。




 彼女が自分と同じ気持ちだということは、彼女の今までの行動とこの手紙の文面を見れば、それがまるで流れ込んでくるかのように、その形を手で触れることができるほどありありとわかるほどのものだった。

 手にしてみれば、それは雨上がりの虹よりも、田舎の山々を彩る秋の楓や銀杏よりも、この寂しさをたっぷりと含んでいるかのような寒空よりも……世界を彩る、最高の至宝だということを悟った。



 そして、玄関に飾られていたスイセンの絵がいつのものだったのか、鮮明に思い出すことができた。























 俊くんへ



 お元気ですか? 俊くんとは毎日のように会っていたのに、俊くんが西高に行ってから二年と半年が経ちました。あっという間です。

 父が急死し、母の実家がある東京へと引っ越すことになり、もう俊くんとは二度と会えないような気がして……すごく悲しいです。だから、この手紙を書きました。でも、俊くんに手渡す勇気がないし、これが俊くんの足かせになってしまうような気がして、届けることができません。そのため、これは優太くんにお願いすることにしました。俊くんがこの村に帰って来た時に、渡してくれるようにって。


 俊くんに手紙なんて初めてなので、なんだかしどろもどろになってしまいそうで怖いのですが、今まで俊くんに言えなかったことをつづろうと思います。


 私は、俊くんのことが大好きです。

誰よりも、この村に広がる田んぼの風景よりも、鮮烈なまでにきれいな青空よりも、赤い屋根のある小学校よりも。

 好きになったのは、たぶん、図書室で私に話しかけてくれた時だったような気がします。もしくは、雪だるまの作り方を教えてくれた時だったような気もします。

 あの時から、私の全てが変わってしまったかのようで、それは大きな戸惑いであったけれど、私の中には何よりも大切なものができていて、ずっと俊くんと一緒にいたいという気持ちへと繋がっていきました。

 俊くんの傍で、俊くんと一緒に歩き続けたい。そんなものを抱いて、ずっと俊くんを見ていたけれど……俊くんは気付かなかったでしょうね(ちょっと悔しいかも)。


 でも、それは自分勝手なものなんだってことを、気付かされました。私がいると、俊くんは苦しんでしまうのだということを知って、本当に辛かったけれど、いつまでも俊くんに迷惑をかけてはならないし、俊くんのことをきちんと考えなければならないと知りました。大好きな俊くんのためにって。


 けど、ごめんね。

 俊くんを傷つけたり、苦しませたりして。



 あとね、優太くん。今まで励ましてくれてありがとう。優太くんにもちゃんと言えそうにないから、ここでお礼の言葉をつづります。

 私が中学でからかわれている時や、いろんな時に相談に乗ってくれてありがとう。優太くんのおかげで、挫けないことが多々ありました。優太くんがいたから、私も俊くんも、笑っていられたんだって思います。

 本当にありがとう。


 

 最後に……俊くん、覚えていますか? あのスイセンの絵。もしかしたら、もう覚えていないかもしれませんね。でも、私はそれが昨日のことのように思い出せます。

 私が小学四年生の時、図工の時間で大好きなスイセンの絵が描けないでいると、俊くんは自分が描いた絵を渡してくれましたよね。また描けばいいからって言って、私にスイセンの絵を譲ってくれました。

 今でも、あれは私の宝物です。誕生花だから好きだったスイセンは、俊くんが描いたから好きな花になっていました。


 俊くん、私はこれからもあなたのことを好きでいるような気がします。先のことなんてわからないけれど、それだけが唯一はっきりとした答えなんです。

 ここからずっと遠くに行ってしまって、俊くんとはもう会えないんじゃないかって思うと、泣いてしまいそうです。でも、泣かないで頑張っていこうと思います。


 だから、元気でね。最後に会えないのがすごく悔しくて、苦しくて、悲しくて、会いたくてしょうがないけれど。


 俊くん、あなたが好きです。どうしようもないほど、どうにもできないほど。


 

 じゃあね、俊くん……どうかお元気で。

 さようなら。




                              真田 友香







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