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8/12

8 謝りに


パンケーキをふたりが食べ終えたあとは、ものすごいスピードで外出用の身支度がすすめられる。


「アーサー様。領主様のお屋敷に急いで向かいますよ。歩けますね!?」


おぉ、形相が凄い。


「はい、歩けます。」


「では、いきますよ。3人とも手をつないでください。」


手をつないで家までひたすら歩く。


途中でユキが苦しそうにし、母親にだっこされながら何とか屋敷にたどりついた。


すると執事のサムが凄い勢いで駆け寄ってくる。


「ぼっちゃま、なにをしていたんですか。お母様がお怒りですよ。」


...やはりそうか。まぁ、六才児の一人外出は怒るわな。


「はい、申し訳ございませんでした。母上にあやまってきます。」


「ミャオのお母さん、申し訳ございませんがついてきていただけますか。」


そういえば横暴な態度をとるだけとってミャオの一家に謝っていなかったなと思い改めて伝える。


「悪いな、ミャオとユキも。悪いようにはしないから。」


「そのためにきたのですから。」と、ミャオのお母さんが呆れた顔でそう答える。


「それから、私はルイスと申します。お気軽に呼んでいただいて大丈夫ですよ。」


にっこりとミャオのお母さん...ルイスに微笑まれる。


「なーなー、今からアーサーの母さんに会いにいくのか?この家すっげー綺麗だな。」


元気にミャオが話しかけてくる。緊張した雰囲気に先程まで黙っていたが、興奮が勝ったようだ。


「そうだよ、俺の母さんも紹介するよ。その前に怒られるんだけどな」


呆れるがこの能天気さに場がゆるむ。


じゃ、行くとするか。


母の部屋をノックする。


「はいりなさい。」


扉越しに声が聞こえたので3人をつれてはいる。


「申し訳ございません。母上。疲れたので友達の家で寝てしまいました。」


簡潔にそう説明する。


「そう、そこの方にご迷惑をおかけしたのね。頭をおあげください。アーサーがご迷惑をおかけしました。」


ルイスの方をみると3人とも頭を伏せていた。


ルイスが頭をあげる。


「いいえ、こちらこそ申し訳ございません。発言をお許しください。ルイスと申します。アーサー様を夜中に帰せばよかったのですが、何分私と子供たち、それからふたりの祖母しか家にいないもので、そのように出来ませんでした。お許しくたまさいませ。」


そう言ってもう一度深々と頭をもう一度下げる。


「まぁ、頭をおあげください。」


そこからは大人同士の謝りあいが続いた。


俺はというと...そういえばミャオの祖母には会わなかったなと思いつつボーっとしてるとゲンコツをくらった。


「アーサー、あなたがおこした揉め事なのよ。」


「ごめんなさい。母上。川に行ってミマオ取りに行ったら疲れたんた。」


「どうして執事をつれていかなかったの。いつもは抱っこして連れて帰ってもらってるでしょ。アーサーはただでさえ引きこもりで体力がないんだから。頭はいいけどね。」


グサッとくることを伝えられる。うん、体力ないんだけどさ。フォローも俺前世チートがあるからあんまり嬉しくないや。


「思いついたまま行動したらこうなってた」


もう、アーサーは馬鹿なんだから!!


あれ、あなたさっき頭いいっていいませんでした!?


そう思いつつも、もちろん言わない。


「申し訳ございませんでした。」


改めて心を込めて謝る。


ナツ母さまもため息をつきながら許してくれた。


「ミャオとユキでしたっけ?これからもアーサーと仲良くしてくださいね。といってもアーサーは七歳からは貴族の学校に行かせることになりますので期間は短いですが...」


と困り顔でそう話す。


...学校?俺学校に行くの?


「ナツ母様、俺学校に行くのですか?」


笑顔で質問する。内心は無だ。


「えぇ、アーサーも知ってるわよね?貴族は七歳から学校に行くものよ。」


「そりゃあ、知ってますけどうちは貧乏じゃないですか?」


「?それが何か関係ある?都に行く位のお金はうちでもだせるわよ。」


まじかぁ、うちは貧乏だから学校いかないのかと思っていた。


「それに学校って試験があるんじゃないですか?」


「あぁ、あれは貴族にとって形式的なものよ。」


あー、終わった。俺今の今まで自分が学校に行くって知らなかった。両親は教育熱心なほうじゃないし、むしろ今まで俺は引きこもって魔導書とか一人で勝手に読んでいたからな。


「そうですか。」


どうやら学校に行くのは決定事項のようだった。

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