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6ミャーとユキの家


「ほら、ここが俺が住んでる家だ。」


と、ミャーが木でできた家をさす。


うん、素朴で可愛らしい家だ。


「お邪魔していいの?」


「まって、母さんよんでくる。」


「母さん、人が来た!!人が来たよ。」


大声で叫んでいるのが庭から聞こえてくる。


ちょっと気恥ずかしいな。人に紹介されるなんて何年ぶりだろう。


ミャーの家をボーっと眺めているとミャーの母親らしき人がでてきた。


「いらっしゃっっ…もしかして領主様の息子様?」


「はい、アーサーといいます。今晩お家に泊めていただけないでしょうか?」


毅然とした態度でそう答える。


もちろん断りにくくするためだ。


「まぁ、ようこそ。歓迎します。でも、お母様は知ってらっしゃるの?僕?」


うん、一応建前上は敬う習慣があるようだが子供には大人として接するようだ。


「母様には明日報告します。」


なお、毅然とした態度を貫く。


うん、要するに事後報告ってわけだ。まぁ、たぶん心配して怒られる。

しかし…しかし俺にはもう体力が…ミャーの母親と話しながらも体がぐらつく。


そのまま、意識を手放した。



翌朝、目が覚めるとゴワゴワした感触を手に感じた。

確認するとわらの上に薄いシーツののような布を被せているだけの寝床にいたようだ。


ミャーの家のベッドか。そう納得して辺りを見回す。窓から日差しがさしていて風も吹いていて気持ちいい。ミャーもユキちゃんもミャーの母親も一つの大きな藁のベッドに寝ていた。


子供用ベッドは俺が占領したようだ。


ベッドから降りると、その音でミャーの母親がうっすらと目を開ける。


「…領主さまの息子さま。おはようございます。」


眠たそうに目を開けながら無理やり起きてくれたようだ。


「おはようございます。昨晩はどうなったのですか?」


「領主さまに早く挨拶しにいくべきだと思ったのですが、まだ行っておりません。見ての通りミャーとユキがいますが大人は私一人ですので。今、ミャーとユキのおばあさん小屋へ行ったようですし、お父さんは一年前から働きに出かけております。ミャーとユキが起き次第ご領主様にご挨拶に参りましょう。」


そう子供の俺に丁寧に説明してくれる。いい母親だな。俺が領主の息子だからかもしれないがきちんと丁寧に話して対応してくれるようだ。


「そうですか。ありがとうございます。」


お礼を言うと優しく微笑まれる。だが雰囲気は力強い。筋肉質な腕や二人を守って育てた体がそう見せるのだろう。

「アーサー様。ご朝食はいかがですか?」


「いただきたいです。」


お腹がなりそうなのを感じながらそう答えた。










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