11 一応貴族
玄関を出るとミャオとユキが待っていた。
「アーサー遅いぞ。」
「ごめん、待たせたね。」
川沿いで直接の待ち合わせで良いと思ったが2人とも最初だし気をつかって迎えにきてくれたようだ。
まぁ、何だかんだ貴族相手だしな。
そのうち気を遣われなくなるくらい仲良くなれるだろうと思いつつふたりに聞く。
「ルイスは一緒に来てくれなかったの?」
母さんは仕事があるからふたりできた。
まぁ、そうだよな。辺境の村とはいえ税金制度はあるし働かないと暮らせていけないのが一般的だ。都心のように沢山のお金が税金としてかるわけではないが、一定の金額と食物などの物で税金をうちへ支払われているのを見たことがある。
詳しいことは分からないがアーサーは長男だ。下に兄弟もいないし自分は英才教育でもされるのかとも思ったがその気配は今のところまったくない。勿論自分からも聞かない。やる気があると思われて英才教育なんかが始まった日にはのんびり出来なくなるからな。
会話をしながら、早足で川沿いまで歩き少し息がきれる。
2人とも魔法の練習が楽しみなのだろう。今回はユキも足早だったし、ふたりして浮かれているようだ。
「さっついたぞ。どうするんだ。」
うーん、とうしたものかと考えなから返事をする。
「ふたりはどのくらい魔法を使えるの。見てみたいな。」
「けど母さんが火魔法はあまり使ったらいけないって。」
「何のために石の上にいると思ってるの?石には火かつかないから大丈夫だよ。でも、草木にまで火がいかないよう注意してね。さすがに火事になるから。「」
「そこまで魔法はいくわけないぜ」
呆れたように返事をされる。
よかった。火事になったのを消すほどの魔法が自分に使えるかわからないしな。
まぁ、そのために執事のジョンがいるのだろうけど、どっちにしろ母さんにどやされる。