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季節は時の終わりに  作者: 諸星中央
第一部
6/71

(6)

 そうして下界を見下ろして数日、風が安定した。大地が冬の厳しさから解放されて穏やかになっている。


「ちゃんとやり遂げたな」


 ナツヤがうなずいた。


「まあ、いつものことだからね。いくらお調子者だからって、与えられた役目はちゃんと果たすでしょうよ」


 しゃがんで膝についた腕にあごを載せて、アキハが笑う。


「まあ、その辺の風を口説いてくるかも知れないけれど、そのうち戻るでしょ。ご飯でも食べて待ってようか」


 アキハに言われて私たちは続いた。街に入る前、一度振り返って大地を見下ろした。本当にあたたかで色味まで違う。……うらやましい。



 けれど、ハルサはそれから数日、帰ってこなかった。仲間のふたりはハルサのことだから、と特に心配する様子はなかった。

 しばらくして戻ったハルサは右腕を欠損して、欠けた腕を左手に持っていた。


「ただいま」


 いつも通りの軽薄な感じでハルサが笑った。

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