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勇敢な者と呼ばれた私  作者: ナオ
第4章 中央大陸・魔物の海編
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第93話 謝罪と責任

 なんとか馬車の護衛をこなし、誰も欠けることのないままキャンプ地までたどり着いた。すごくつかれた。


「この度は本当に申し訳ありませんでした!」


 Eランク冒険者のリーダーらしき男性が、私たちや他の同行者たちに頭を下げる。後ろのお仲間たちも頭を下げている。一応、事の重大さは理解できているようだ。


「俺たちが先頭にいても同じだった可能性は高い。実力不足だったことを謝罪する」


 そう言ってDランク冒険者パーティの三人組まで頭を下げてきた。

 私は目の前の魔物で精一杯だったから、この人たちの実力を知らないので何とも言いようがないんだけど。

 その辺りはエルフにでも任せよう。頼りっぱなしは良くないけど、どうしたらいいのかわからん。

 謝罪を聞いてセレニアが口を開く。


「こちらも最初の提案を受け入れたのだ。謝罪は受けるが連帯責任でもある」


 確かにね。そこまで言うならと任せたのは私たちだし。

 最初の時点で私たちが先頭に行っていればもっと楽だったろうけど、その提案をしなかったのは私たちが悪い。

 弱いのが悪いと一言で片づけてしまうのも可哀想だ。例えそれが事実だとしてもね。


「皆さんのおかげで助かりました。本当にありがとうございました」


 御者からはお礼を言われた。全員が私たちに頭を下げるという事態になってしまったが、まあ無事に着いたのだし、もういいんじゃないかな。

 本音をいうと、そろそろ休みたいんだけど。


「もういいさ。私たちはこれで失礼する。行くぞ」

「やっと休める……」

「シャワー浴びて寝たい」

「お腹もすきましたね」


 思い思いに言葉を発しながら離れようとしたところで。


「もしかして船に乗ってた子……?」


 と、あの時の女性が私のことに気が付いた。

 他の五人も船で相部屋だったことに気が付いたようだったけど、そんなに関わりがあったわけでもない。

 アーロンさんたちならともかく、彼らとは会話だってしたことはなかったし。この女性と腹立つ会話をしただけだ。


「貴女そんなに強かったのね」


 そう言いながら近づいてきたかと思ったら、おもむろに頭を下げられた。


「あの時は失礼なことを言ったわ。ごめんなさい」


 こうも素直に謝られると、自分の大人げなさを実感させられる。

 この人は別に悪い人じゃない。言葉だけ見ればまともだし、あの時の会話だって悪気があったわけではないのはわかってる。

 ただ私的には気に障ったというだけだ。こういうときにどうしたらいいのかわからない。セレニアみたいに淡々と応対できればいいのに。

 もっと自分に余裕が持てれば正確に対応できるのだろうか。


「……もういいよ。精々死なないように頑張ってね」


 どうしようもないから、激励とも言えないような言葉を返してその場から離れる。疲れているから余計に悪い方へと考えがいってしまう。もう休みたい。


「何かあったの?」

「んー……なんでもない」


 エルシーナに尋ねられたけれど、わざわざ他人に話す内容でもないので、適当に濁しておいた。


 ランクももちろんだけど、やっぱり見た目って大事なんだね。きっと私もエルフ三人がいなかったら、思うように戦わせてはもらえなかっただろうな。

 今回の移動はどうにか被害もでることなく済んだ。でも……色々と思わせられる戦いだったな。

 冒険者って、ただ思うがままに行動できるような、無責任な仕事じゃないことだけは心に刻んでおこう。




 その後シャワーを浴び、キャンプ地でテントを張り一休みしているときに、ふと疑問に思ったことがあったので口に出してみた。


「あの人たち、よく一週間耐えられたなぁ」


 あの六人パーティで、ここの戦場を生き抜けたというのはすごい。魔物自体はそこまで強くはないから、連携が上手くいけば問題はないのかもしれない。

 でも護衛となると、護衛対象を気にしながら戦わないといけないので難易度は上がる。彼らにそこまでの実力は無かったってことかな。

 と、予想していたんだけど……ちょっと違うみたい。私の疑問を聞いたセレニアが説明してくれて判明した。


「おそらくだが、あの者たちがいたのは比較的安全な区画だったのではないかと思う」


 戦場はある程度区分けされているが、その位置を把握して冒険者を振り分けているのは冒険者ギルドだ。

 人手がいつだって足りていないので、Dランク以上の冒険者は前線に、それ以外は比較的安全な後方に位置するように分けているはず。

 後方に居たって前線で撃ち漏らした魔物や、対応しきれなかった魔物が押し寄せてくるから楽ではないけれど、前線に比べたらマシなレベル……という説明をしてくれた。


 最初のうちはそういう説明もちゃんとギルド側からされていたそうだが、手柄を得ようと出しゃばった下位冒険者が問題を起こしたせいで説明はされなくなったそうだ。

 今回はそれが裏目に出たというわけか。

 あとその話私も聞いてない。


「ちなみにわたしたちが担当している区画は前線の中でも比較的危険な場所だよ」

「なにそれ聞いてない」

「リアさんの実力はCランクに劣らないと説明したらこうなりました」

「ギルドとしても実力のある者を遊ばせておく余裕はないんだろう」


 最初に来た時にギルドの人に私の加入を説明してくるって言われたから待ってたけど、そんな話してたの?

 あまりの魔物の多さに「活性化ってやべぇな」とか思ってたけど、そりゃそうだよ、最前線だもの! 言ってよ!


評価ポイントだけで500超えそうなことに衝撃を受けています……!

評価もブクマもありがとうございます!

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