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勇敢な者と呼ばれた私  作者: ナオ
第3章 修行編
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第64話 ちょっと寄り道

「一旦セディフに行ってくる」

「セディフ? 港とは反対方向だったと思うけど」


 家族で朝食を取りながらこれからの予定を話す。母が当然の疑問を投げかけてきた。

 あれから数日、すぐに出発……ということはなく、いろいろやっておきたい準備がある。なので、まだガリナでのんびりと過ごしていた。

 セディフは王都を挟んで東にある。なので、西にある港を目指すと、まず行かない場所なのだ。

 でも、あそこには。


「ライラっていう、学校時代の友達が住んでるの。ちょっと会いに行こうかなって」


 そう、セディフにはライラがいるのだ。独り立ちしたら会いに行くと言った覚えがあるので、一度顔を見に行ってみようかなと。


「そうか。旅に出たら会う機会も無くなってしまうしね。いいんじゃないかな」

「うん。数日滞在するだろうけど、ちゃんとガリナに戻ってくるよ」


 セディフから港に行くにはガリナを通る必要がある。わざわざ避けて旅に出る必要はない。普通に遊びに行くだけだ。


「元気かな」


 たまに手紙は届いていたので、元気だとは思うけど。久々に会いたいな。






 そんなわけで、セディフまで走った。

 馬車じゃない。走った。身体強化を使って走ってみた。途中王都で休んだけど、王都まで一日かからないからね。

 修行に行く際に一度走ってみたら案外早く着いたので、それからはもうずっとこれだ。もう慣れたし、疲れるけど時短になるのは良い。


「綺麗な街」


 セディフはガリナとそう変わらない規模の街だ。人も多いし街も大きい、でも結構綺麗な印象を受ける。治安がいいんだろう、清潔感を感じる。

 別にガリナが汚いとか治安が悪いとかそういうことではないけど。




「んー、どこだったかな……」


 ライラに聞いた工場の場所を探す。全然わからん。広い街だから迷子になりそう。

 路地に入ったら更に迷いそうなので、大通りを歩いているけど、こんな通りに工場があるわけないよね。


「これ今日中に見つかるかな……先に宿でも取ろうかな」


 そういや宿の場所を聞かなかったな。門番に聞けばよかった。

 遊びに来ているだけとはいえ、行き当たりばったり過ぎる。


「お」


 そのまましばらく観光しながら歩いていると、冒険者ギルドを見つけた。せっかくだから覗いて行こう。あそこで聞けば宿くらい教えてくれるかな。


 中に入ると閑散としていた。時間が時間だし、仕方ないかな。

 依頼書を見ようかと思ったけど、宿とライラを探すのが先だな。


「すいませーん」

「はい、なんでしょうか」


 暇そうな受付嬢に話しかけて、宿の場所を聞いてみる。

 親切にも安全そうな宿を三つほど教えてくれた。値段も違うみたいなので、あとは実際に見に行くか。


「あと、この工場の場所ってわかりますか?」


 ついでに工場の場所も聞いてみる。

 さすがにわからないみたいだけど、代わりに魔道具ギルドの場所を教えてもらった。おそらくそっちに聞けばわかるんじゃないかとのこと。

 魔道具を作る工場だからね。確かに把握しているかもしれないし、行ってみよう。

 受付嬢にお礼を言って外に出て、早速向かった。





 冒険者ギルド、魔道具ギルドと、だいぶん遠回りした気がするけど、ようやくライラのいる工場にたどり着いた。


「すいませーん」


 開けっ放しになっている工場の入口から声をかける。さすがに勝手に中に入るのは気が引ける。

 すると中から誰かが出てきた。


「はーい、何か……リア!?」

「ライラだー」


 なんと出てきたのがライラだった。

 およそ一年ぶりの再会だ。ライラは確か私の一つ年上だったから、今は十五歳かな。

 一年くらいじゃそんなに変わらないかと思ったけど、薄汚れた作業服も相まって大人っぽくなった気がする。


「ライラが大人になっちゃった……」

「言い方があるでしょ! もう、何しに来たの」

「え? ライラに会いに来たけど」


 それ以外でここに来る理由ある? って言ったら何故か深く溜息を吐かれた。人の顔を見て溜息を吐かないでほしい。


「そういうとこだよ……」

「なにが?」


「相変わらずだね」とか言われた。どういうことなの。


「とりあえず、今は仕事中だからまた今度時間取るよ」

「そうだね。しばらく滞在予定だからいつでもいいよ」


 どこで会うとかいつなら時間取れるとか相談していたら、工場の中から男の人が出てきた。


「ライラ! いつまでかかって……知り合いか?」

「伯父さん」


 おじさん……そういえば親族かなんかの工場って手紙に書いてあったな。この人がそうか。


「初めまして、リアと申します。ライラさんとは学校時代の友人です」

「おお、君がそうか。ガストンだ」


 ガストンさんね。私のことを知ってるのかな? 

 ライラが話したのかな。私もライラの話を両親にしたし、それくらい普通か。


「ライラから仲のいい友達だと聞いている。姪が世話になったな」

「いえ、こちらこそライラさんには大変お世話に……? お世話になりました」

「どうしてちょっと詰まったの」


 お世話したでしょ! ってライラに怒られる。そういえば朝寝坊したときに起こしてもらったりした気がする。ケガしたときとかも……うん、大変お世話になりました。

 恋愛イベントの時は完全にモブになってギャラリーの一員だったけど。


「今日はライラに会いに来たのか?」

「そうです」

「……一人でか?」

「そうですけど」


 何故か目を丸くするガストンさん。そんなに冒険者に見えないのかな。修行の成果は身体に出ていないらしい。

 リアは一応冒険者だから……ってライラがガストンさんに説明してる。一応とは。

 半信半疑なガストンさんだったけど、とりあえずその話題は横に置いておくことにしたようだ。


 今日はライラも忙しいから時間は取れないけど、明日はお休みだから一日空いてるって、ガストンさんに言われる。

 ライラが口をぽかんと開けているのを見るに、別に明日は休日の予定ではなかったんじゃないだろうか。悪いことしたかしら。

 まあ、私が口を出しても仕方がない。また明日ここに来るってことで一旦お別れ。

 これ以上お仕事の邪魔するのも申し訳ないからね。


 冒険者ギルドで聞いた宿を探して、一番綺麗そうな場所に泊まる。お金は修行のおかげでたんまりあるから心配なし。

 明日はライラに街の案内でもしてもらおうかな。


着々と評価やブクマが増えてきていてとっても嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします。

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