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勇敢な者と呼ばれた私  作者: ナオ
第1章 幼女時代編
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第4話 まだまだ魔法について知る

 サイラスさんに見せてもらった魔法。私にも使えるかな。


「わたしにも魔法使える?」

「そうだなぁ……魔力があれば使えるかもな。調べてみるか?」

「はい!」

「リアにはまだ早いんじゃ……」

「なんでぇジェームズ。子供の成長や好奇心は見守るもんだぞ」

「ぐぅ……」


 実は結構前から魔法について知りたいと言っていたのだが、母は賛成してくれたが、父は反対していたのだ。

 曰く、まだ早いとか、危険だとか、必要ないだとか、まあ、親バカで過保護って感じですかね。

 なので、将来はお父さんみたいな立派な冒険者になりたい! 魔法を学んで将来に活かしたい! とかいろいろ言ったら渋々許可が下りた。本当に渋々だった。


「ただまあ……ジェームズは魔法が使えないからなあ」


 そう、お父さんは魔法が使えないのである。使えない理由の主な原因は、魔力量の少なさらしい。

 魔力回路に魔力を通すだけならあまり問題はないのだが、その先の魔法発動機の部分で魔力が損失してしまって、魔法が放出されないことがある。

 実は発動石の部分は非常に燃費が悪い。魔力を100流したとすると、発動石の部分で50損失して魔法に変換、そして残りの50が火の玉なんかの魔法として放出されるのだ。なので、魔力が少ないと魔法が使えないと言われている。

 別に半分持っていかれるというわけではなく、120流しても損失するのは50と変わらない。強力な魔法を使いたいなら流す魔力を増やすといいのだが、増やしすぎると杖が壊れるので、その辺りの加減も気を付けなければいけない。

 ちなみに前世のモーターも燃費が悪い。実に6割の電気がモーター部分で損失しているらしい。モーターが改良されれば大幅な省エネに繋がるとか言われてる。


「ハンナは使えるから、リアも使えるかもな」

「そうだな。よし、ちょっと手を出してくれ」

「はい」


 言われた通り手を差し出すと、その手をサイラスさんが握る。

 お父さん、そんな渋い顔をするところじゃないと思うよ。


「魔力ってのは他人に引き出してもらって使えるようになるのが大半だ。これが魔力だーって、相手にわからせるんだ」

「そうなんですか」

「ああ、今から魔力を引っ張り出すから、力まずに感じ取ることに集中するんだ」


 手がじんわりと温かいなあなんて思っていたら、手のひらから腕を伝い、胸の辺りまで何かが入り込んできた。これがサイラスさんの魔力? なんかこう……ぞわぞわする!

 すると今度は私の胸の辺りから何かが引っ張り出されているのがわかる。腕を伝い、手のひらまでサイラスさんの魔力と共に戻ってきた。これが……。


「これが嬢ちゃんの魔力だ。掴んで離すなよ?」


 そういって離れていくサイラスさんの手とサイラスさんの魔力。引っ張られなくなった私の魔力が引っ込んでいかないようギュッと手を握りしめる。しかし、するすると逃げられてしまい、私の魔力は胸の奥へと戻っていってしまった。


「あー……」

「ガッハッハ! これが魔法使いの最初の関門でな。魔力を手のひらまで自由に流せるようにならないと魔法が使えないぞ」

「むー。頑張ります」

「その意気だ。なーに、すぐにできるようになるさ。嬢ちゃんの魔力量は俺より多いからな」

「なっ……」


 サイラスさんの言葉を聞いたお父さんが驚く。ああ、これが女神様からもらった能力か。


「サイラスよりも魔力量が多いのか?」

「ああ、こりゃエルフ並みだな。立派な魔法使いになれるぞ」

「そんな……」


 エルフ並みかぁ。それはすごい……のかな? やっぱりエルフは魔法が得意なんだろうなあ。

 お父さんは嬉しくないのかしら。


「僕の娘は天才だったのか……」

「親バカだな」


 サイラスさんが呆れている。いつも通りだね。うん。



 その後も魔法についていろいろ教えてもらった。

 この世界の魔法には火、水、土、風、光、闇の魔法があるといったが、それ以外にも同列のものが存在する。回復魔法や身体強化といったものがそれに当たる。あえて属性をつけるとしたら無属性魔法といえるだろう。


 回復魔法は燃費が悪い。回復の杖はバカ高いし魔力の消費量もとんでもない。だから使える人は数少ないのだ。でも回復量が凄まじい杖も存在していて、そういった品は四肢の欠損でさえも治るという。

 強力な杖は神殿で管理されて癒してほしい人は神殿に頼めば治療してくれる。有料で。

 回復魔法が使える人は神殿にスカウトされて回復士として雇ってもらえるらしい。もちろん個人で活動している回復士もいる。


 そして身体強化。これは回復魔法とは別の意味で使い手が少ない。

 まず、杖などの媒体は存在せず、直接身体に魔力回路を刻まなければいけない。全身に入れ墨を入れるようなイメージだろうか。

 その上、さっきサイラスさんにやってもらった『魔力を胸から手のひらまで流す』という工程、これを全身に行き渡らせられるようにならなければいけない。そこまでできて初めて身体強化が可能になる。

 他にもいろいろあるらしいが、それはまた今度。


 しかし相性というか、適性というものがどの魔法にもあり、火は使えるけど水は使えないみたいな人は結構いて、杖さえあれば何でも魔法が使えるというわけでもないらしい。

 身体強化の魔力回路を刻んでも発動できない人がいたりね。

 具体的に何故使えないのかは現在研究中だとか。




 そんな感じで魔法についてのおおよその話を聞かせてもらった私の感想は、オリジナル魔法を創るには魔力回路について学ばなければいけない、というものだった。


 オリジナル魔法、なんて素晴らしい響き。


 実際、雷系の魔法とか、私の持っている爆弾に似た魔法とかは無さそうなのだ。

 爆弾を使うかは別として、無さそうなら創ってみたいと思うのは自然である。是非学んでみたい。もしもの時の擬態にもなるだろう。


「魔力回路について勉強するにはどうしたらいいですか?」


 なので、早速教えてもらおう。




「ガッハッハ! そっちの方が気になるか!」

「リアにはまだ難しいんじゃないかな」

「そんなことない。勉強したいです」


 できれば魔力回路だけじゃなく、魔法発動石についても学びたい。

 これが効率化できたらきっともっと強い魔法が使えるようになるだろうし、腕に魔力回路を刻んで指輪型の魔法発動石があれば杖を使わずとも魔法が使えるだろう。

 家電代わりの魔道具にも魔力回路が使われている。つまり魔道具も作れるようになるのだ。服や防具に魔力回路を刻んで普通よりも強い効果を持たせることも可能。夢が広がる。


「そうだな。図書館に行けば本があるだろうし、王都に行けば学校もあるはずだ」

「サイラス」


 ムッとした表情でサイラスさんを睨むお父さん。可愛い子には旅をさせよっていうじゃないか。まあ難しい話なのはわかってるけど。でも王都はいつか行ってみたい。


「なに、今すぐってわけじゃない。そういう選択肢もあるってだけだ。嬢ちゃんはまずは自分の魔力を自由に動かせるようにならないとな」


 そういいながら私の頭を撫でるサイラスさん。確かにその通りだ。これができなきゃ魔法使いにはなれない。魔法使いになれなければ魔力回路を学ぶ意味はないのだ。


「がんばります」

「おう。わかんないことがあればまた来るといい」

「はあ……まあいい、今日はありがとなサイラス」

「いいってことよ」


 サイラスさんにお礼を言い、今日のところは街に戻った。

 早速今日から魔力操作の練習をしよう。女神様が魔力をたくさんくれたみたいだし、きっとすぐに使いこなすはずだ。



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