第110話 ランクアップと報酬と
たっぷりと休んだ翌日、今後どうするかの話し合いをする。
「想定外のことが起きはしたが、当初の予定通り南大陸に向かうということでいいか?」
特に反対することもないので全員了承。
南大陸に大きな街がいくつかあるそうなので、そのうちのどれかに滞在することになった。
つまりここを出て港に向かい、船に乗ることになるのだけれど……。
「乗れる?」
「これだけの冒険者が移動しているとなると、船も満員かもしれませんね」
他大陸からも多数の冒険者がこの中央大陸に集まっていた。この街の中も冒険者ばかりだ。
それが一斉に移動をすれば……船に乗れるかね?
さすがにキャパオーバーの大部屋は色々ときつそうで嫌なんだけど。
港に行って船に乗れなくて港町の宿もいっぱいで……なんてこともありえる。
「もうしばらくここに滞在してから移動でも構わん。船の状況くらいは知りたいところではあるが」
「どっちにしろ、まずはギルドから報酬をもらわないと移動できないよ」
うーん、どっちも正しい。こういうときインターネットでもあれば楽なのに。
携帯で予約状況の確認! とかできたらいいのに。前世は恵まれてたんだなぁ。
とりあえず四人で冒険者ギルドを訪れる。
いるわいるわ、冒険者が報酬をもらうために長蛇の列を作って受付待ちしている。これ並ぶの?
「私たちも並んだら報酬貰えるの?」
「通常報酬も特別報酬ももう貰える手筈となっているようだから、並べば貰えるはずだ」
特別報酬は大物魔物を倒した討伐報酬のことだ。あの場に残った二十一人全員がもらえるということで、私の分もちゃんとあるって。嬉しいね。
貰えるのならば並ぶしかない。おとなしく待とう。
一人一人キチンと確認をしているのか、待ち時間がとっても長かったけど、四人で会話してればそうでもない。
普通にうるさいからね、ここ。ただもうお昼なのでお腹はすいた。
「Dランクのリアさんと、Cランクのエルシーナさん、セレニアさん、クラリッサさんですね」
受付で本人確認をされてからしばらく待つと、報酬の入った袋と新しいプレートと手紙を渡される。
報酬は個人で別の袋に入っている。数カ月しか戦っていない私と、二年近く戦っていた彼女たちの報酬金額が同じだったら可哀想だ。
この袋の中には特別報酬も入っているので、想像よりも結構な金額になってる。
「リアさんはCランクへとランクアップ致しましたので、こちらが新しいプレートになります」
「なんかあっさり上がっちゃった気がするなぁ」
手のひらにプレートを乗せながらDランクに上がった時のことを思い出す。あれ、いつだったっけ?
もうお父さんと同じCランクになっちゃった。いいのかな?
「両足消し炭にされといてあっさりってことないでしょ」
「リアさんがキャンプ地を瓦礫の山に変えるほどの攻撃を防いでくれたことは聞き及んでいますよ」
エルシーナと受付のお姉さんに、暗に順当な評価だと言われる。
あの悪魔との戦い以外にも、「魔物の海」の最前線で戦っていたことも評価されているらしい。
でもあれは、エルフ三人がいたおかげでもあるような……うーん。
まあ、ギルド側でそう評価するならそれでいいけど。このランクにふさわしい振舞いを心がけていけばいいんだし。
「この手紙は私宛?」
「そうです」
三カ月ほど前に両親に手紙を書いたからその返事みたいだ。
この街を出る前に届いてよかった。次は南大陸に着いてから出そう。
「エルシーナさんとセレニアさん、クラリッサさんはBランク昇格試験を受験可能です」
むむ、三人はBランクに上がれるらしい。
どうやらDからCに上がる際は昇格試験はないけど、CからBに上がる時はあるみたいだ。
Bから高ランク冒険者扱いだし、当然かな。
「それってここじゃなくてもいいんだよね?」
「はい。他の街、他の大陸の冒険者ギルドでも可能です」
「なら移動してからにするか」
「そうですね」
それを聞いて受付のお姉さんが少しホッとした表情をした。
たぶん、このギルドは今とっても忙しいんだろう。周り見ればわかるけど。
できれば他所の冒険者ギルドでやってほしいっていうのが本音なのかな。今回の活性化を乗り越えてランクアップした冒険者も多いだろうし、大変だね。
この冒険者ギルドのお仕事は、「魔物の海」の活性化が終わっても終わらないみたいだ。
ブクマが200件を超えてとても嬉しいです。
本当にありがとうございます。




