第101話 終結
ちょっと短いです
――きた
バキバキバキバキ!!
「ぐぅ……!! くっ……そぉ……!!」
さっきよりも大きく重い闇魔法が放たれる。
先ほどと違い炎の塊ではなく、どちらかというとレーザービームのような光線――光ってはいないが――に似た形をしている。
早い話、こちらの方がキツイ。
私の障壁が音を立てて崩れていくのを、大量に魔力を消費して再形成していく。
私の魔力は多い。
人間種の、腕に覚えのある魔法使いの魔力量が100なら、私は250くらいだ。
エルフなら200から300といったところだろうか。
まさしくエルフ並みの魔力量が私にはある。
しかし、あの悪魔はそれを優に超えるほどの魔力を保有していると見ていい。
ハッキリ言って、私があの悪魔との魔法勝負に勝てるとは思えない。
それでも、少しでも威力を殺せるのならば、やるしかない。
何も知らぬまま、遠く離れた安全地帯にいる人達に危害を加えさせたくはない。
そんな決意を抱いていても、じりじりと後ろに後退させられていってしまう。
勢いを殺しきれず、私の身体の踏ん張りでは足りないのだ。
これは正直、予想を遥かに上回っている威力だ。
私を軽く飲み込むほどの大きさのレーザーを抑えながら、横に移動ができない。
もしかしたら死んだかもしれない。
永遠にも感じる時間にようやく変化が訪れる。
少しずつレーザーが小さくなってきているのだ。みんなが頑張ってくれているのだろうか。
しかし、私の魔力も限界だ。込められる魔力が減っていき、障壁が少しずつ小さくなっていく。
私の全身よりも大きかった障壁はついに、私の両足をむき出しにした。
「ぎあああああ!!」
熱い熱い熱い熱い!!?
闇魔法が両足を焼く。熱く溶けるような痛みが走る。
灼熱の炎を浴びたような痛みに、両足の感覚が消えていく。
さらに魔力が無くなっていく。小さくなっていく障壁、立っていられなくなった身体。足の付け根から下に感覚がない。
何が起きているのかわからなくなりながらも、ギリギリまで魔法を使い続ける。
しかしついに下半身どころか全身がレーザーに飲まれそうになった、その瞬間……自分の身体が横に飛んでいった。
「リア!! 生きてる!?」
「エル……シーナ……」
どうやら、エルシーナが横からかっさらうように助け出してくれたようだ。
あのままでは確実に死んでいた。間一髪、エルシーナが私の命を拾ってくれた。
視界が徐々に暗くなっていく。身体が熱いのに寒気がする……。
それでもあの闇魔法がどうなったのかだけ確認したい。
なんとか首を動かし、レーザーを見ようとする。でも視界が暗すぎる。もう何も見えない。
「ギィイイイイイイイ!!」
断末魔のような悪魔の叫び声を最後に、私の意識は途切れた。
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