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根之堅洲戦記  作者: 征止長
歪んだ心
58/112

願い叶いし勇者


「それで、ロムニアの勇者の感想は?」


自分が渡した物体を不機嫌そうに手の中で(もてあそ)ぶアザカは、予想外の質問をしてきた。

急いで戻ってきて、カザークと魔族軍の戦いの事や、その後の出来事を説明したのに、そんな事をかと思ってしまう。

ジュリアは、自分が望む返答を得られず、不満に思ったが、その気持ちを抑えて質問に答える。


「何と言うか、怪物だな。一度手合わせをしたが、話にならない。私とアザカ位の差がある」


「それって、ロムニアの勇者の前では、貴女が虫みたいな存在ってなるんだけど?」


「その認識で正解だ。例の部隊は我が国では無理だな。いや、何処であろうと無理だ。あの怪物が先頭に居て、はじめて成立する部隊だな」


「怪物ね……かなりの危険人物か」


「いや、タケル殿は優れた武人ではあるが、問題のある性格には見えなかったな。

 カザークのナワという奴は二度と会いたくは無いが、タケル殿は普通に話せるぞ」


「まあ、緊急事態だとは言え、観察してる件を言ったくらいだしね」


「いや、あれは仕方が無い」


魔族に銃が渡る事こそ、最も注意すべきことだと判断した。

だからこそ、全てを話し、ロムニア軍に協力を要請した。

幸い、タケルも魔族が銃を持つ危険に同意し、赤備え全騎と攻撃型のブライノフ将軍が出撃した。


出撃前のタケルの指示は、銃を持つ魔族を一体残らず殺し、手にする銃を回収する事だった。

そのためには、部隊の半数が亡ぶまで戦い続けると言う過酷な指示だった。

彼が、銃を警戒しているのは間違いなかった。


「別に貴女を責めていないわ」


「だったら、どうして、そうも不機嫌なのだ?」


「不機嫌? ……そうね。でも、不快な気分と言うのが正解ね」


「何故だ? 別にタケル殿は、そう悪い方では無いぞ。それに元の世界の知識を使おうにも、大したことは知らないと言っていたしな」


「そうじゃないわ。ロムニアに関しては、少しは安心かな。ちなみに火薬についての反応は?」


「それが、火薬の材料を知らなくてな」


アザカの口調から、向こうの人間なら知っているものとばかり思っていたが、「確か日本には無い材料があって輸入してたよな。でも、何かすれば出来るんだっけ」そんな感じだった。

その事を言うと、アザカは苦笑していた。


「別に不思議な事じゃないわ。そもそも硝石なんて、馴染みのないものだし、普通の人なら知らなくても珍しくないわ。ただ、異世界チートに使うってだけ」


「そうなのか。悪い事をしたな。そのせいで部下に揶揄われていたぞ」


「揶揄われていた? 部下に?」


「ああ、戦闘中と普段とで、全然違うな。勇者と意識しなければ、この世界の若い騎士隊長と変らない」


あの隊の雰囲気は好きだった。

タケルを含めて気さくな者が多いし、いつの間にか仲良くなれた子もいる。


「そう。やはり協力はするべきね」


「ああ、そうした方が良いと思う。それで、いい加減に不快な理由とやらを教えてくれても良いのではないか? 私が何かしたのか?」


「違うわ。本当なら貴女の判断に感謝するべきだと思う。銃が魔族に渡らない事を優先した事は間違っていない」


「本当なら?」


「そう、ただ手遅れだっただけ。貴女がくれた情報から考えて、既に手遅れだわ」


そう言いながら、手にしていた物を机の前に落とす。

それは、カザークが撤退した後、タケルの指示で魔族が銃撃された跡を調べて出て来た物だった。


「この潰れた弾丸に、血痕が無かった戦場。魔族にダメージが無かった証拠よ。

 それなのに魔族は撤退した」


「ああ、そこがタケル殿も分からないと言っていた」


赤備え全員で戦場を這いずり回って、この潰れた弾丸を多数発見した。

ついでに、血痕を探させたが、全く無かった。


「ロムニアの騎士が持ち帰った情報によると、カザークでは今回の勝利で、銃の数を増やす方向になるみたいね」


伝令に出ていたアーヴァング元帥が送り出してくれたロートルイが、うんざりした表情で戻ってきてカザークの勇者を評していた。全ての騎士の反面教師になれる。

温厚なロートルイが不機嫌になるほど、調子に乗っていたようだ。

だが、しっかりと任務を遂行し、カザークの計画を持ち帰っていた。銃の量産と民兵の増加。騎士は不要と考えてるようだ。


「それに、行方が分からない勇者が大勢いる。いえ、分かっているのは、私とロムニア、そしてカザークの勇者のみ。どうやって聞き出したか……情報源は、その行方不明の勇者だと思うけど、既に魔族は銃を知っている。

 カザークは嵌められた。銃を主力にさせることで弱体化を狙っている」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





「お前まで撤退とは、何が起きてる?」


「まで? どういう意味だ?」


帰還したグラールスを見て、バーゼルが厳しい顔で呟く。

グラールスは撤退の理由を説明するより、その言葉の意味が気になった。

自分以外で撤退するとしたら、西部戦線を任されているヴァルデンになるが、そちらにはヘルヴィスが一緒のはずだ。


「ヴァルデンからの報告があった。グロース軍の戦い方が変わったと。

 大振りをしなくなっている。どうやら、我等の“加護”に気付いたようだと。かなりの損害を出している」


「ほう、それは流石と言うか、ヘルヴィス様もお喜びであろうよ」


ヘルヴィスの加護は、グラールスを含めた魔族の防御を高めてくれる。その力こそが、これまでの勝利を支えてきたと言っても過言ではない。

だが、ヘルヴィス自身は、命のやり取りや、身を切るような戦いを好むため、一方的な展開になる加護の力を何処か嫌っている節がある。


それが、損害を受けるような戦いが出来たとあれば、ヘルヴィス本来の武人としての力を存分に発揮できただろう。

喜々として戦場を駆け巡る主の姿を想像し、笑みが零れる。


「ああ、実際にヘルヴィス様の御活躍によって抑えられた損害は多いようだ。だが、このまま戦い続けるのは難しいな」


「アルスフォルトは、素直に撤退を許し、敵の戦力の増強を黙って見ているような奴では無いだろ? 今度は向こうから来る可能性も考えるべきだろうな」


「そうだ。それで、貴様の口ぶりから、撤退の理由は別のようだが?」


「ああ、こちらはヘルヴィス様が喜ぶような事では無い。むしろ、不貞腐れるかもな」


怪訝な表情を浮かべるバーゼルに、皮肉な笑みを浮かべる。

実際に、グラールスにとっても、面白い状況ではない。どちらかを選べるならグロースと死闘をする方が良い。

ただ、戦う相手が強いに越したことは無いと言うのはヘルヴィスと同様だが、いっそ相手が弱すぎて、徹底して蹂躙するのも嫌いではない。中途半端な強さが、最も煩わしい。

カザーク軍は、その中途半端に弱い相手だった。強くなるのを望めないなら、逆に蹂躙されるところまで落ちて貰いたい。

そして、何より優先するのは魔族の勝利であり、そのために今回は撤退を選んだ。


「カザークの軍が銃を使用した。だから撤退しただけだ」


「銃を? 何故、あんなものを使う? 我等には効かんだろうに。

 それに、撤退する理由も無い」


「カザークの勇者は健在だ。奴らが銃を使う理由など、勇者の指示だろうよ。他にあるか?」


「ふん、勇者か」


バーゼルが吐き捨てた台詞と表情には、侮蔑が隠しようも無かった。

かつては、畏怖を抱いていた存在。人間が勇者を召喚したと聞いた時は、狼狽えるバーゼルを見ることが出来た。

だが、今は違う。これまで召喚された勇者を知った後では、恐怖や畏怖の対象ではなく、嘲笑と侮蔑の対象になっている。


「当たり前だが、俺の部下は芝居なんかやったことが無い。死んだ振りなんて初めての経験さ。だから下手な演技だったが、銃を発射した後の硝煙のせいで、向こうは気付いていないだろう。

 普通に銃に撃たれて倒れたと思ってくれていると思うぞ」


「それでは撤退したのも」


「ヘルヴィス様より、アンタ好みの選択をしたつもりだ。違うか?」


今回の対峙で見た限り、銃は少なく、カザークの騎士は健在だった。

まだ銃の有効性を疑っていると見て取ったグラールスは、銃が魔族に有効だと思わせるために撤退をしたのだ。


「いや、すまん。よく撤退してくれた」


「よせ、アンタの苦労は分かってるつもりだ。だが、奴らが銃を主力に据えるかどうかは分からんぞ。そこまでは保証できん」


「いや、大丈夫だろう。勇者とは、そもそも魔王様と対を成す存在。我等にとってヘルヴィス様が信仰の対象であると同様に、勇者とは人にとっての信仰の対象だ。

 本来なら勇者の指示に疑問を挟む余地も無いのだろうが」


「アレではな。信仰も冷めるというものよ。では、俺は行くぞ。確認したい事もある。

 アクリジェス(王都)から出るから、数日は開ける」


本拠地にしている旧サイプラス王国の王都だったアクリジェスは、最初の標的で奇襲だった事もあり、施設などは破壊が少なく、そのまま使用されている物が多い。

グラールスは、バーゼルが使用している王城の施設から出ると、騎竜に走らせ工房へと向かった。


「入るぞ」


グラールスが工房に入ると作業をしていた人間の代表が、怯えながら前へ出てくる。

代表を務める初老の男は、震える声で来訪の目的を問う。


「今日は何の用でしょうか?」


「進捗はどうだ?」


「量産に着手した分に関しては、既に1000を超えています」


「雷管は?」


「それは……申し訳ありません。どうやれば叩くだけで火が付くか、見当もつきません」


グラールスが食った勇者の知識から生み出せる銃は、火縄中にライフリングをしたものが限界だった。

しかも先込め式で、単発しか撃てない。

だが、その知識の中には連射が可能で、マガジンと呼ばれる弾の入った箱を簡単に交換できる物があった。

勇者の知識の中から、可能な限りの情報を与えて、工房の者に考えさせてはいるが、未だに作ることは無理だった。


「あるはずだ。少なくとも勇者の知識の中には、火縄を使わずに弾が出る銃が存在するのだ。

 前にも言ったが、それを作ることが出来れば、貴様らの家族も食わんと約束しよう」


「は、はい」


「それと火縄銃も1万、何時迄に出来る?」


「い、一万となれば、年内は無理かと」


「急げ」


それだけ言い残すと工房を出る。あまり長居しても、作業の邪魔にしかならない。

ああは、言ったが、雷管を作らせる事も無理だと自覚していた。

恐怖で縛っても、新しい発想が出てくる人間は少ない。むしろ発想は前向きな褒美に釣られる者の方が生み出しやすいのだが、工房の人間に与える褒美が思いつかない。


「その点では、アイツ等は楽だな」


そう呟いてから王都の外へと出る。旗下の兵が10騎続いているが、会話は無かった。

全員、目的が分かっているので、黙って付いてくる。

途中で野営をし、目的の郷へ到着したのは、翌日の正午を回った時間だった。


郷の中心にある、もっとも大きな屋敷へと入る。

そこそこ大きな貴族が暮らしていたのだろう屋敷だが、城にある城主の屋敷よりは狭いので、やはり下級貴族の住まいであろう。


中に居る人間がグラールスを見て、怯えた表情を浮かべながら頭を下げる。

全員が若い女で、貴族の娘も多い。また、腹が膨らんでいる女もいた。

それを無視して、屋敷の主の部屋へと向かう。


「久しぶりだな。チグサ」


部屋へ入ると、そこには、グロース王国が召喚した勇者が、豪奢な椅子に座っており、その足の間には女が顔を埋めていた。

神官の衣装を着ているが、捕らえた時に一緒にいた女では無かった。


「邪魔をしてしまったか」


女が慌てて顔を上げて行為を中断する。チグサが衣装を整えている間に、向かいにある椅子に座る。

グラールスの巨体が座れる大きな椅子だ。


「久しぶりだな。どうかしたのか?」


チグサの声には怯えが混ざっているが、虚勢を張ってるのか、尊大に振舞おうとしている。

その態度に苦笑しそうになるが、それを表に出さずに話を進めた。


「面白そうなことになってな、カザークに侵攻したが、銃を用意していたぞ。火縄銃だが、500メートルの距離で当たった。ライフリングがしてあるな」


「アンタ等に銃は通用しないんじゃ無かったか?」


「しないな。実際にその目で見ただろ」


グラールスが食った勇者だけでなく、チグサや他の勇者に知恵を出させて作った銃は、カザークが使っているものと同じく、火縄銃だが、ライフル銃になる。

その銃の実験を見せつけたが、人間は鎧を着けていようと殺せるが、魔族には多少の傷みがある程度で、傷一つ付かない。


「まあ、カザークの勇者は捕まえそこなっているからな、ソイツが作らせたのだろうな」


「無駄なことを」


「そう、無駄だ。まあ、折角だから、その無駄な行為に精を出してもらおうと思って見逃した。

 今回は千丁に届かない程度の数だったが、次は増えているだろうな。

 カザークの勇者には、お前も含むところがあるだろ? ソイツの馬鹿な思い込みが無ければ、お前もゲームみたいに魔物狩りに精を出すなんてしなかったはずだ」


「当たり前だ。俺はパーティが用意されていたから、それに合わせたんだ。そうで無かったら……」


それでも、そう判断して行動したのは自分の責任だ。そうは思うが言ったりはしない。

この男を人間として成長させてやる理由も義理も無い。全て悪いのは他人の所為、自分は悪くない。そう思わせておいた方が都合が良い。

勇者は愚鈍なままで良いのだ。その責任転嫁をさせるためにカザークの勇者は見逃している。


「そこでだ。こっちも用意するとして、火縄が付いていなかったり、性能が上だと面白いのだがな」


「そう言われても、詳しくは分からない。昔、調べたことがあるが、難しかったな」


それは何となく分かっている。グラールスの知識でも、雷管の仕組みは理解しきれずに諦めていた。

だが、完成形を知っているのだ。何時かは出来ると思っている。


「別に雷管を作らなくても良い。何か役に立つものを作ってくれればな。

 それによっては、この屋敷より大きな屋敷を与えてやれる。それどころか、城を与えても良い」


「城だと?」


「そうだ。屋敷に入る人間だけではない。城下に住む人間は、全部お前の物だ。

 孕ませても良いし、領地経営をやっても良い。お前の物だから住人は好きにして良いぞ」


何を想像しているのか、野卑た笑みを浮かべている。

それに気付かない振りをして、与えて良い城の話、捕らえてある貴族の娘の話をする。


「そう言えば、カザークには10代半ばの王女がいるらしい。勇者と王女の子供が増えれば都合が良いな」


それこそが、勇者を生かしてある最大の目的だった。

勇者が召喚された事を知り、何故か数人の人間を引き連れて、山や森で何かをしているという情報を手に入れると、ヘルヴィス自身が行くと言うので、同行を願い出た。


この辺りがヘルヴィスと一緒にいると面白いところで、何となくで動いている内に、バッタリと勇者に出会うのだ。

そして、山中で出会った勇者を襲い、その肉を喰らったが、濃密な魔力を保有しており、非常に甘美な味わいだった。

脳に関しては、襲った勇者の貧弱さに辟易していたヘルヴィスは興味を示さず、その場の流れでグラールスが食うことになった。


そうして、得た情報で勇者の行動原理を理解し、その肉の美味さを求めて、残りの勇者の捜索を開始した。

二人目の勇者を食った後に、その脳を食ったザルティムが、勇者を繁殖させることを提案した。

元々、ヘルヴィスの片腕と目される竜騎兵のザルティムは、これまでも多くの人間の脳を食しており、頭が良く人間の事に詳しい。


ザルティムに言わせれば、魔力の多い人間は、王族や貴族が多いが、それも元々は1000年前の勇者の血が濃いせいだと言われている。

更に都合が良いのが、今まで喰った勇者は、騎士と違って潔癖さと程遠い人間だということだ。

騎士や貴族であれば、繁殖させようと工夫を凝らしても、中々、女性に手を出さない。

だが、他の勇者も同様の人間なら、ハーレムを作れば喜んで繁殖に励むだろうと予想した。


ザルティムの献策は正解で、その後の捕らえた勇者は、多少の脅しと甘言を与えただけで、喜んで女を抱き始めた。

出産は未だだが、懐妊した女は多い。唯一の女勇者も、別の勇者に犯されて妊娠している。


今のところ、勇者に与えている繁殖相手は貴族や神官の娘だが、王族を与えても良いだろう。

王族の娘だと、下手をすれば自害しかねないので、その辺は考慮する必要があるが、人質を使えば何とかなるだろう。


「ああ、ところでチグサ、昨日から全く食っていないのだ。俺達に回せる肉はあるか?」


そう言うと、チグサに奉仕していた女が震えながらチグサを見上げている。見捨てられまいと必死なのだろう。

最初に屋敷の女の中で、勇者の言う事を聞かないと言う女を、全員が見ている前で食った。

生かしたまま、足や尻の肉を削ぎ落しながら、少しずつ食う。上手く血管を避け、失血死しないように、痛みに苦しむように。

途中で助けを請い、許しを請い、そして、苦しまない死を請いながら、それを果たせずに死んだ。


その後も、こうして訪ねては、勇者に反抗的な女を、他の女の前で食うようにしている。

そうする事で、愚かな勇者に従順な女だけを残すようにする。間違っても勇者に反抗するように唆すような女は不要だ。


「そうだな。屋敷にいる女を集めろ」


そう言って、奉仕をしていた女に命じる。自分の指示で食われる人間が決まる事に、最初は抵抗があったが、それも無くなってきた。

それに、集めた後に今日はダメだと言えば素直に従った。女たちからすれば、一応は勇者に命を救われた形になると同時に、勇者にも女を抱くのは守るためと言う大義名分を与える。

最近ではむしろ、女達が従順になるのだろう。こちらの言葉を待っていたような空気が見て取れる。


更に、こちらが脳を食えば、その知識を全て知ることが出来ると言うのは伝えてある。

目の前で、同行していたパーティーの一人を食い、同行していた時にあった他人が知らない筈の事を言って、その事を証明してみせた。

それ以降は、抵抗しても殺された上に、知識を全て奪われるから一緒だと言う事実を免罪符に、彼等が言う知識チートに関しても素直に話すようになっている。


これまでの、人間を従わせる方法を元に、勇者相手には、脅し少な目で褒美を多く。

更に罪悪感を無くすための理由を与えた上に、責任転嫁の推奨。

最後に、尊大に振舞える箱庭を与えれば、面白いほどに動いてくれることが分かった。


今日、訪問したグロースの勇者は良い提案は期待できないが、繁殖用の雄としては十分な出来だと確認できた。

この後、他の捕らえている勇者のいる郷を回るが、出来の確認をしながら、面白い提案がされることを少しだけ期待していた。





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