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余話 教室にて
余話 教室にて
教室の後ろの扉が開いた。
碧と藍が出て行ってから約十五分、雑談に花を咲かせていた高木と美奈子がそちらを見る。
入ってきたのは中川であった。
「忘れ物ー?」高木が訊く。
「いや」と答えて中川は二人の方へ来ると、
「お弁当の計画なんだけどさ」と言った。
「うん」高木が応じる。
「わたし先行入場して席取るから、時間次第で参加できないわー」
「そっか、りょーかい。先行入場って何時?」
「11時半だけど、11時に列整理があって、10時半で抽選締め切りなんだ」
「なかなか忙しいね。オッケー、そっち優先でー」
「なるべく弁当も参加するから」
「ヨロシクー」
中川は二人に手を振って後ろの扉から出て行った。
「よく降るなー」美奈子が窓の方へ視線を向けて言う。
「待っててもやまねーかな」
「帰る?」
「帰っか」




