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国営会社『黒葬』~秘密結社は暗躍し、世界の闇を『処理』する~  作者: ゆにろく
Ⅱ 南極古代都市『アトランティス』編
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第80話 託すもの

思ったよりハイペースでの投稿ができています。頑張ります。

 ――今、あなた達、そしてあなた達の世界に危機が迫っています。


(ッ?!)


 世界の危機。

 まず初めに、頭をよぎったのは『黒葬』社長の予言、『導き』である。


『黒の組織は白の名を持つ集団と大きな衝突を起こすであろう。ここで白旗を降れば、組織はおろか秩序は崩壊す。命運分かつは、新たな『星』である。しかと心得よ。一度歪んだ星座らを直す手段など時を戻す他ないのだから』


 秩序は崩壊するとあった。無関係とは思えない。


(……というか、そもそもなんでそんなことがわかるんだ……? この人は遠い昔の人で――)


 ――なぜ、わかるのか。そうあなたは考えるでしょう。


 あまりにも図星過ぎてギョッとした。


 ――その答えは単純です。なぜなら、その危機に合わせ、私達の遺跡は現れるように設定してあるからです。


(世界の危機に合わせて『アトランティス』が現れるように設定した? 一体どうやって……)


 ――私達の周りには不思議な『力』があります。その『力』には多くの種類が存在している。例えば、テレパシーでやり取りしているのもその『力』のうちの一つです。


(……あぁ、『UE』のことか!)


 ――その不思議な『力』は同種に対し『共鳴』を起こすことがあります。その『共鳴』を利用しこの遺跡は出現するように作りました。多少の誤差はあるかもしれませんが、少なくとも3か月以内。その間にあなた達の世界で、ある『力』(・・・)の『共鳴』が起きていることになります。


(?!)


 つまり、何か危険な『UE』が既に(・・)この世界で発生していて、『アトランティス』はその危機を伝えるために出現したという。


 ――その『力』とは、

 ――4次元を操る『力』。つまりは、時間操作を行う『力』です。


(時間操作をする『UE』!?)


 ――この『力』はあまりにも危険すぎる。今ここにいるあなたがそれに関与しているのならば、安易にその力は使うべきではありません。現に、私達はこの『力』が原因となり、この世界を去ることになりました。


 時間操作。過去へ行ったり、未来へ行ったりということか。そんなことが可能になれば確かに、世界に危機が及ぶことになっても不思議ではない。……そもそも時間操作の『UE』が発生しているということは、既に使われているという可能性すらある。


 ――私達にできることは、その『力』の危険性を伝えると共に、時間操作による世界の崩壊という危機を回避するための知恵を授けることだけです。しかし、それを授ける相手を選ぶことは非常に難しい。ゆえに、勇敢かつ仲間がいることを試させていただきました。勇気なければ、危機に立ち向かうことはできない。一人であれば今から授ける物を手にしたとき、独占する恐れがある。それが意図です。あなた方が、授けるにふさわしい方々であることを祈ります。


 青年は表情を曇らせながら、話を続ける。


 ――はっきり言ってこれは杜撰な試験です。なので、今から授けるものは強力なものではありません。……もしかすると、既にあなた達は完成(・・)させているかもしれない。だが、これに意味があると信じて託します。


 ――私達はあなた達に同じ道を歩んで欲しくないのです。


 青年は遥か昔に記録された情報に過ぎない。燈太をみているわけではない。しかし、その目からは強い熱意を感じることができた。


 ――1つは台座にある『力』を無効化する物質です。これを授けます。


(『オリハルコン』……。やっぱり、無加工なのは持って行って良いということだったんだ)


 ――そして、もう1つ。もしも、あなた達がまだこれを完成(・・)させていないのだとすれば、これを得ることは大きな進歩となる。


 ――お伝えします……


 ◆


 ――以上です。もし記憶しきれなければ、何度でも聞き返してください。


(……これは……)


 燈太は、青年の授けた二つ目の時間操作『UE』に対する「知恵」を聞き、確信した。

 この部屋に危険を冒し入った意味はあった、と。


 ――これが私達にできることの全てです。……4次元操作という『力』は強力で、その『力』を手にした人間に逆らうことが出来なくなってしまった。故に、強硬策として、私達はその人間を道連れにこの世界を経ち、第5次元がある世界へと向かいます。私達が犯した4次元操作の影響はほとんど残らないでしょう。こちらであなた達に会わないことを願います。


 ……五次元などの意味はわからないが、『アトランティス』を作った人達は、時間操作能力で秩序が崩壊してしまったのだろう。そして、どこかへ旅立つ。


(……ありがとうございました)


 決して届かぬが、それでも礼を言う。


 ――……1つ言い忘れました。


(?)


 ――4次元操作の『力』が絶対なる悪ということではありません。正しく使えば、とても優秀な力なのです。「危機が迫っている」と煽るように言いましたが、本当にそれが危機かは私達にはわかりません。ただ、私達はその『力』が引き金になった。


 ――ここは分岐点です。


 青年は続ける。


 ――私達はあなた達の勇気を試した。勇気を持ち未知に触れることは決して悪いことではない。しかし、それを使いこなすことができるかはまた別の話です。


 ――私達同様、破滅を招くか、世界に幸福をもたらすかはあなた達の選択次第です。


 ――さようなら。




 燈太は長い記憶の旅から目を覚ます。

 ある一つの強力な『情報』を携えて。

第5次元とかは今後関わる要素ではないので気にしなくて大丈夫です。

イメージとしては、4次元操作に対抗すべく、それを超越した5次元がある世界へ行こうという話です。

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