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国営会社『黒葬』~秘密結社は暗躍し、世界の闇を『処理』する~  作者: ゆにろく
Ⅱ 南極古代都市『アトランティス』編
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第73話 紺碧の間(2)

 ここまでの謎!

 ・入り口はなく、絵や文字もない、『オリハルコン』で出来た無数の建造物

 ・建造物の内部には謎の空洞が

 ・燈太は建造物の周りで能力を使うと謎のイメージを見た

 ・最深部になぜか空除室

 謎が解けたら君のIQは静馬並み!

「きょ! 恐竜ですか……あれ?」


「……恐竜に見えんな」


「でっかいトカゲ……、いやぁ恐竜ッスね……! すげぇッス!」


「おい、……生物課の業務だろう? 藤乃。貴様がなんとかしろ」


「いやいや! 生物課だからって生物になんでも対応できるわけじゃないですよ! ……でも興味深いですね……恐竜……。ティラノサウルスにしては小さいし、アロサウルス……」


「……なんでもありデスねぇ」


「おっきい!!!」

 

 各々、タブレット越しに見えた化け物に対し感想を述べた。鋭い牙、大きな牙。肉食の恐竜であるのは明確である。

 この時、余裕があるのはこちら側だけである。

 恐竜は、ハイドに向かい走り出していた。


「課長! 逃げてください!」


 静馬はタブレットに向かって、叫ぶ。

 しかし、恐竜はその巨体を生かしすぐに距離を詰める。ハイドは、また扉を押して例の風除室へ戻ろうとしたが、扉は重くすぐには開かなかった。

 一閃。恐竜の爪は容赦なくハイドを引き裂いた。


「なんということだ……」


「敵意むき出しじゃねぇか」


 ハイドの人工知能は、どこかにあるメインコンピューターが担当している。ハイドの身体はあくまで借り物と言った感じだ。死んだしまったわけではない。とはいえ、あんなにも無残に破壊されてしまうと哀愁が漂う。

 タブレットには未だ、恐竜が映し出されている。ハイドの足となるキャタピラは破壊されてしまったもののカメラは生きているようだった。動けなくなったハイドを見下ろし満足したのか、恐竜は元いた台座の後ろへと戻っていった。


「……あの台座を守っている……?」


 燈太はここまでの恐竜の動きを見てそう感じた。ハイドを破壊した後は律儀にあの場所へと戻っていったからだ。

 台座の上には何か乗っている。


「あの台に乗っかってんの『オリハルコン』じゃねぇか?」


 よくみると青い。四角く形を整えられた『オリハルコン』である。建造物に使われていないものはここまでなかったので、手に入れたい物と言える。

 しかし。


「それだけですか……? ほんとに」


 燈太はそう声を漏らしてしまった。

『アトランティス』の最深部。命がけでここまで来て、『オリハルコン』だけなのか。『アトランティス』の事は何もわからないままなのか。


「……まあ、外にゃ『オリハルコン』の建造物だらけ、扉の向こうもオリハルコンで作られた部屋。そんで、あんなちっこい『オリハルコン』をポンと置かれても、モチベはでねぇわな」


「とはいえ、未使用のオリハルコンは今のところあれだけデスからねぇ……」


「でも、あんな恐竜を相手にしてまで取る必要あるんスかねー? 四方八方『オリハルコン』で出来た部屋のなかじゃ、うちも紅蓮先輩も本気だせねーッスよ?」


「歴史的価値があるってのはわかってるけどよ、上のたてもんぶっ壊すべきだぜ。『お導き』的にも『黒葬』には絶対に『オリハルコン』がいる。それも早急に。人の命がかかってんだ。過去の人より、今を生きてる人だろ。こんな危険冒すべきじゃねぇ」


「――確かにな」


 静馬が口を開いた。

 一番反対しそうな人間が紅蓮の意見に耳を貸したことに皆が驚く。


「驚いたな……。決まりだ、上に戻ろう――」


「違う。そこじゃない」


「あ?」


 静馬は紅蓮の意見に賛成したわけではないようだった。


「貴様らの言う通り、あまりに期待外れだ。ここまで多くの罠を仕掛け、来るものを拒んできた。その終着点が小さなオリハルコンだと? バカバカしい」


「……弄ばれてたってこったろ? クソが」


「ふむ。悪ふざけか……、可能性はあるかもな」


 静馬はそう言い、皮肉っぽく笑った。


「――だが、俺は現象課だ。この『アトランティス』を解明する責務がある。匙を投げるより先に、現象に紳士に向き合い、その意図を探る義務がある。

 ゆえに、俺はこの『アトランティス』の仕掛けに意味があると考えたい」


 静馬は眼鏡をクイっと持ち上げ、熱を帯びた声で話し始める。


「仕掛け……?」


「上の建造物。全てオリハルコンで出来ていたわけだが、素材以外に一つ共通点があった。中央の空洞だ」


「ありマシタね。それがどうか……?」


「初めに説明しましたが『オリハルコン』にできるのは二つ。『超現象保持者ホルダー』の能力無効化。そして、『UE』の無効化」


 確か幽霊トンネルの事例では、平行世界に移動する『UE』があってそれは『オリハルコン』製の部屋には干渉しなかった。


「――つまりは『UE』を弾く」


「弾く……」


「弾かれた『UE』は通常なら霧散してしまうだろうな。しかし、もし『オリハルコン』で『UE』を閉じ込めることができたら……?」


 ――『オリハルコン』製の建物の中心部に空洞。


「もしかして、空洞に……!」


「あの建築物はなんらかの『UE』を包む、箱だった可能性がある」

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