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国営会社『黒葬』~秘密結社は暗躍し、世界の闇を『処理』する~  作者: ゆにろく
Ⅱ 南極古代都市『アトランティス』編
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第40話 現象課長の正体

 『アトランティス調査隊』は南極へと降り立った。


 隊員は燈太。

 対人課からは紅蓮、空。


「南極ッス! 真っ白ッス!」


 生物課からはネロ、藤乃、課長の幽嶋。


「ユキ! ユキ!」


 ネロは大きな体長3mほどの巨大な狼に乗っていた。リンクバーグウルフのシールといったはずだ。飛行機に乗っていたが、なかなかに窮屈そうであった。


「ネロちゃーん! あ、あんまり駆け回ると怪我しますよー」


「元気デスねー」


 心配する藤乃に対して、幽嶋は感心するような風にネロを見てつぶやいた。


 現象課からは、静馬、そして――


「まさか現象課長がロボットだとは思いませんでしたよ……」


 キャタピラの上に、大きなモニターが乗っている。

 それが現象課長ハイドの正体であった。

 そのモニターには現象課長ハイドの感情を表しているのであろう顔文字が映し出されている。


「課長は、AIで動いている」


 静馬が隣に来て、ハイドを見ながら言った。


「ペッパー君的な……」


「……殺されたいのか貴様。ハイドは現象課や各国の優秀な研究者が血のにじむような努力をして生み出した傑作だぞ」


 眼鏡の奥に見えた目からものすごい圧を感じた。


「すっ、すみません!」 


「これだから、バカは」


「……あ、そういえば『ハイド』ってどこかで聞いた気がするんですけど」


「……『黒葬』が『UE』を感知するために使う演算装置の名前が『ハイド』だろう?」


 ため息をつきながら静馬は答えた。


「あ、そうでした! ……もしかして」


「課長は遠隔操作だ。課長を動かすコンピューターは演算装置としての役割も果たしている」


「なるほど……」


「故に課長がいれば、『UE』の観測、データの収集、その他の演算もろもろは現地かつリアルタイムで行うことができる」


「……なんでもできるんですね」


「――よって、この石頭眼鏡はいらねぇと思うんだわ」


 紅蓮が会話へ割り込んできた。


「課長を修理できるのは俺だけだぞ。貴様の頭の治療はできんがな」


「なんだ――」


 いつも通り紅蓮と静馬が小競り合いを始めるのかと思いきや、雪玉が紅蓮の顔面を直撃した。


「早く行くッスよー!」


 空が投げたようだ。

 紅蓮は空の元へ行き、雪玉を投げる。


「……はあ」


 静馬は眼鏡をクイっとあげながら、大きくため息をついた。


「……静馬さん、俺達は最初どこへ向かうんですか? アトランティスに直接です?」


「いや、まずは南極基地に行き、第一発見者に話を聞く。準備を整えてから突入だ」


「……そうですか」


「残念そうだな。なんだそんなにアトランティスを見たいのか」


「はい」


「観光にきたわけじゃないんだぞ、たわけ」


「……すいません」


 鼻を鳴らしながら、静馬は前方へ歩き始める。


「まぁ、震えおののき、使い物にならないよりマシではある。推薦してやったんだ、やることはやれ」


「はい!」


 ◆


 黒葬本社。


「悪いわね、来てもらって」


「いえいえ! 全然問題ないですよ、葛城さん!」


 葛城と話しているのは生物課調査班所属、遊佐ゆさ 飛鳥あすかという声の大きい、若い男だった。

 彼は基本、生物課研究室にいるが今回本社、特に対人課の人員が少ないということで助っ人でやってきたのだ。


「生物課も大変でしょ(・・・・・)、今」


「……えぇ。……まぁ、大丈夫ですよ!」


 飛鳥は明るく生きることをモットーにしているが、今の質問にはトーンダウンせざるを得なかった。

 同僚の嵐堂左空の件である。

 彼がツチノコ捕獲の仕事に出た切り行方不明になったのだ。左空とは気の置けない仲だった。

 左空のいなくなった場所を、生物課員や、研修中だった燈太と共に探したが、何ひとつとして痕跡は見つからなかった。


 左空は依然、姿を消したままだ。


「無理はしないでね。対人課のオフィスの場所はわかる?」


「えぇ! 問題ないです」


「よろしくね」


「にしても珍しいですね、助っ人を呼ぶなんて。確かに紅蓮さんや空ちゃんがいないのは聞きましたけど、何かあるんです?」


「……念のためよ。油断・・はできないでしょ?」


「?」


「まあ、何もないことを祈るわ」


「えーと。そうですね! それが一番です!」

生物課調査班は課長、ネロ、飛鳥、(左空)で全員です。


Q : 調査班が今誰も仕事できない状態だけど大丈夫なの?

A : 調査班には基本緊急の任務は来ません。それに加え課長はすぐ帰国できるので大丈夫です。

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