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カカとナミ 3

カカとナミの冒険者は、ダンション25階をめざして降りていく。

ダンションは階ごとの広さが4K㎡で、先達の冒険者達によって、次の階まで地面に印が書いてある。


1階から5階あたりまでは新人の冒険者。

6階から15階までは新人の冒険者PT。

16階から30階までが中堅の冒険者PT。

31階以降が中堅の魔法使いPTか上級者PT。


ほぼ20階に行くまでは、印の書いてある次の階に向かう通路は、メイン通路と呼ばれて、冒険者の通行も多いので、精霊は、ほぼ狩られて居ない。

20階からはメイン通路でも精霊に遭遇しやすくなる。

モンスターは、各階の小部屋と言われる奥まった場所で沸いてくる。

奥まっている為に澱んだ魔素により、精霊が具現化して現れやすい。

通常はその精霊を倒して魔晶を集めるか、もしくは澱んだ魔素から、結晶化した魔晶を集めたりもするのだが、例外がある。

魔晶を持って持って移動する精霊がいる。

精霊の兵士・ファイアボーンやファイアナイトだ。

人間をダンションから追い出そうとやってくる

倒したときに、精霊の兵士から2つの魔晶(1つは所持、1つは体内から)を手に入るので、手ごわいがそれを狙うPTもいる。


カカとナミのPTは狩場となる25階まで移動。

小部屋4部屋の合流地点にテントをまず設置する。

これでこの先の4部屋で狩りをしている目印と狩場の確保になる。


「テントと食事の準備をしておけ」


そう言って、カカとナミと、もう一人のバックパッカーに言い残して狩りにでかけた。


「ちっ、なんで子供と一緒なんだよ。ほとんど俺がしないといけねえじゃないか」


別のバックパッカーは30代、右の眼と利きである右手の肘の先が無い。

冒険者をしていたが、精霊の兵士に不意をつかれた時に、右手でうけて右目を失い、右手は肘から先を切り落とすことになった。


「小僧きちんとテント支えろ!固定しにくいだろうが!つかえないな」


男はカカに悪態をつく。

冒険者がいたときは無口だったが、居なくなると口が悪い。


「お前らが使えないから俺が予備の武器をもたされていつも以上に荷物を持たされてんだ!もっと働け」


カカは迷惑を掛けてると一生懸命働くが、何しろ子供だ。

手惑う。


ボン!!


一瞬で吹き飛んだ。


男がカカを蹴り飛ばした。


「使えないな!もっときちんとしろ!」


「兄ちゃん」


ナミが驚いて、泣きながらカカに寄り添う。


「うるさい!妹だなぁモンスターが寄ってきたらどうすんだ!!」


男がナミを叩く。


「妹を叩くな」


カカがナミをかばうとまた蹴られる。


「叩かれたくなければ妹を静かにさせろ!俺に迷惑かけるな!働け!!」


カカはナミに泣かないように頭を撫でながら。


「兄ちゃん仕事だからナミは泣かないでくれるか。兄ちゃんナミが泣くと悲しくなるからな」


グズッ


「わかったぁ」


ナミはカカに言われて泣くのを我慢する。

カカの手をナミは握って、


「兄ちゃんはいなくならないでね。ナミを嫌いにならないでね」


ナミは父親が死んだことをまだきちんと理解できていない。

母親が居なくなり、父親が居なくなり、カカしか居ないので、

カカから離れるのをものすごく嫌がる。


「ナミも手伝ってな」

「ウン」


何とかテントを設置して、簡単な食事の準備をする。

ダンションの中には燃やすものは無いが魔晶のエネルギーによって水をお湯にすることができる。

この場所にくるまでに少し遭遇したモンスターの魔晶をつかってお湯をつくり、スープをつくるあとはパンと干し肉だ。

そして冒険者を待つ。


しばらくして、冒険者が帰ってきた。

精霊からの魔晶と、そして部位、具現化したときの精霊の肉は、そのままでは食べられないが、血を抜くと食べれる物もある。

血に魔素が通っているので抜けば人も食べられる。

大型のモンスターでなければ、取れる肉も少ないのだが、25階にいる精霊から、ウサギほどの肉が取れる。

それを14匹分取ってきた。

それらを干して血抜きする。

その血は精霊の体内で魔素を循環させる為、澱んだ魔素と同じくらいなので狩りの小部屋に捨てておく。

そうしておけば、小部屋に精霊が、その小部屋に具現化しやすい。

具現化には時間がかかるのでこのまま一旦休む。

明日また起きてから、狩りをして地上に帰る流れだ。


夜は冒険者が寝てる間、バックパッカーが精霊の兵士や、精霊が小部屋から具現化して、襲ってきたらわかるように見張りをする。

最初はカカとナミだ。

眠くなったら、もう一人のバックパッカーと代わる。

そして夜の見張りが始まった。







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