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鍛治師の技

煙が燻り鍛治屋の建物が崩れる音がする。

レクスの息苦しさで朦朧とした視界の先で、地下室の入り口に火が見え始めた。

火は、人の形に変っていくようだ。


「火のエレメントを使う鍛治師よ。私の力の技を受け継ぎ人よ。

 そのまま火によって死んでいくのか」


レクスは朦朧とした頭で考える。

父と母に会いたい、外にいる両親は無事だろうかと。


「お前の両親は村で死んだよ。お前が私の元に来るなら助けてやろう」


両親の死を言われたレクスは涙を流す。

両親がいないなら、生きていても仕方ないのではないか。

人に狙われるクラウの鍛治師の技、

これから生きていくなら、どうすれば…。

レクスは15才。

記憶のある10才までは、いろいろなところにつれてまわられた。

そこから15才までは、この村に落ち着き、父クラウから鍛治師の技を教えてもらった。


魔素の結晶である魔晶。

そのエネルギーで武具や道具を作る。

そしてクラウから教えてもらった、一族に伝わる鍛治の技。

火のエレメントとの血の契約による武具への火の効果。

ただの剣が技によって火の剣、魔剣に変る。

魔剣に魔晶を組み込めば、剣から火柱を飛ばすこともできる。

魔法使いの適正は、100人に1人。

戦争に駆り出せるほどの魔法使いは、さらに少ない。

それが火の剣によって、簡単に魔法が使えるのだ。


王は喜んだ。

魔剣によって、最強の軍隊が作れると。

しかし、それには魔晶が不可欠だ。

魔晶は、力あるモンスターやダンションから手に入る。

本来、ダンションは精霊の物とされて人は侵入しない事。

人と精霊の取り決めが昔よりあった。

王の領地、エフィールドの国には火のダンションがあった。

世界で6箇所、それぞれ違うエレメントのダンションの1つだ。

王は考えた。

魔晶はエネルギーの塊。

その使い道はいろいろ。

もちろん戦争にもだ。

魔法使いは、魔晶の力を引き出して、実力以上の破壊魔法へと換える。

そして魔剣も、魔晶を組み込めば、魔法使い並みの力をなる。

ダンションの火のモンスターから取れる魔晶は、攻撃に使う以外にも、鎧につければ、火の効果をもたせられて、それは、火のダメージを軽減もできる。

王はクラウに命令した。

ダンションからクラウの武器によって、火の精霊を追い出して、人の…、いや、王である自分の為にダンションを確保するために、鍛治をしろ。

しかしクラウは断った。

血の契約は、昔、世界で一番弱い種族である人が、生きていく為に、火の力を使わせてくれた、火の精霊との契約であり、その力を精霊にむけてはいけないと。

王は怒る。

王はクラウの両親を人質に、クラウに火の防具を作らせようとした。

しかし、クラウの両親は、クラウが精霊に危害を加える為、武器をつくらさせられることを理解した時、両親とも自害。

そのことを隠して、クラウに鍛治を迫ったが、後にクラウの妻になるミラによって逃亡。

そして今、クラウとミラも命を落とす。


「お前の父が、私との契約を守り、精霊を守る為に命を失った事。

 この国の王が、人と精霊の契約をないがしろにして、お前の行き場が無い事。

 火のダンションは火の精霊の為にあるが、お前さえよければダンションに来ないか」


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