次々と舞い込んできた使者 1
レクス達がアクネロに滞在して10日が過ぎた。
カリント地方を治める貴族カリント家の執事フォードが、内乱の結果死んだ当主ピグルの息子ブルトに、今回の内乱での経過と要望、そしてピグルの死亡を伝えに王都に向かった。
レクス達は、その返事を待っていた。
順調に移動と話し合いが済めば、7日で帰って戻れるところが、それ以上の日にちが経過していた。
「エナークさん。フォードさんの帰りが遅いですがブルトさんは話し合うのに難しい人なんですか?」
レクスは正確にはカリント領に住んではおらず、貴族であるブルトや領兵の隊長に敬称はつけて話さない。
レクスは会って間もないフォードやブルトの人となりが分からないのでエナークに質問した。
「ブルト様は貴族としてお育ちになったので、この状態を良しとしないかもしれませんね」
貴族は領地の平民を治めるものであって、反乱は貴族の体面にもかかわり、4大貴族と言われるカリント家にとっては、この内乱を内々で収めたいはずであった。
事を公にならないように、フォードは直接ブルトに会いに行って、説得をしているはずである。
それが3日も帰還がのびている理由として大いに考えられた。
問題になるであろうピグルを殺害したのは自衛団で弓を撃った者と、剣で止めさすことになる領兵だが、レクスとエナークの話し合いでクラレンスに逃亡した事になっている。
レクスとエナークが話していると門を守っていた領兵がやってきた。
「隊長。王都から使者がきました」
「使者??ブルト様からか?」
「いえ。ベトナト伯爵家から、ブルト様の連名の使者と」
「それは大変な話になりそうだな」
ベトナト伯爵家は4大貴族の1つでブルトの母の実家でもあった。
4大貴族同士の結婚は禁止されていたが、海を使っての貿易の相手でもあり、戦争協力を理由に王家に許可を貰い、例外としての婚姻関係となった。
使者が名乗りを上げているということは、ブルトがこの件をベトナト伯爵であるキリングに相談したことになる。
とりあえず使者の話を聞いてみた。
「ピグル様、ブルト様に対する反乱を村々が行った事について、ブルト様とキリング様は大いに憂慮なされ、しかもピグル様が殺害されることにまで及んだ。
ブルト様はこの領内での身の安全は確保できないと思われ、キリング様に領地の安定を頼まれた。
そこでキリング様はこの地に代官を置くことにして、今回の首謀者、責任を負う者、それを断罪するとこになった。
直ちに武装を解除して内乱を起こした村々の村長、自衛団の団長、また副団長などの責任を取るべき者、ピグル様を守れなかった衛兵の隊長、副隊長は王都のキリング伯の邸に出頭して来い。
これができなければブルト様の完全なる統治ができないとして武力によって排除する」
最悪な結果となった。
使者は言いたいことを言ったのち王都に帰っていった。
期限は1週間、それまでにキリング邸に出頭することとなった。
条件は確実に飲めない。
戦いになるとどれほどの規模になるのかが問題となっていた。
戦いになったときに、カリントの村々に被害が及ぶ可能性もある為に村々に連絡を取っているときに次の使者がきた。




