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カリント地方戦 4

レクス達自衛団は、早朝、門が開く前に門の前で早々と並んでいた商人を一旦縛って、商人の振りをした。

治安も悪いので、深夜は門が閉まっているが早朝と共に門は開けられる。門の開いている時間に商人は出入りするが、移動のタイミングで門の開閉に間に合わない商人がいる。

入れなかった商人は安全の為に門の前で夜を過ごす。

そういった商人が、門の前で門が開くのを待っているのである。

門を開けるに当たって門の上の塀に見張りが2人門の開閉と街の出入の者の確認に領兵が4人出てきた。

門が領兵によって開いたと同時に、門の上の見張りをナミが、門を開けて出てきた兵はレクスとカカ、カシム、ロンが一気に倒した。


「ナミ。合図の弓矢を」


一気に門にいた領兵を倒したレクス達は、合図にナミが弓で火矢を上空に飛ばす。

海に面して築かれている2つの砦を夜の間に包囲している別働隊に、門前から飛ばされる火矢を合図に攻撃を開始する。

なるべく相手の反応が遅ければ遅いほどレクス達には有利の為、ひたすら無言で戦う。

倒される領兵の悲鳴が散発的に街に響く。

戦いが日常にあるので戦えない街の住民は、悲鳴などが聞こえると家に閉じ篭って外を伺う。

ピグルの領兵は事態の確認の為、偵察の少数が街の中を移動していたが、

砦を見に行った者は包囲されている砦を見て、報告に戻る者。

アクネロの陥落を危惧して、自分の家族の元に逃げ帰る者。

北の国、クラレンスが攻めてきたと騒ぐ者と混乱していた。

レクス達の門の方に偵察しにきた領兵はナミがいち早く弓で攻撃して倒していた。

ピグルの領館に届く報告は砦が包囲されているとの報告のみ届いていた。


「街にいる砦の兵は包囲されて動けないのか!相手の兵の人数は!!!」


ピグルの声に正確に答えられる領兵はいなかった。


「王にクラレンスから攻められていると報告するのだ!!私は包囲の少ない方に撤退するぞ!!王都とベトナトの方には敵が居ないか確認に行け!!」


海に対しての砦が包囲されていたので、ピグルが逃げるには西の門をでて西の王都、南の同じく4大貴族の1人の領地、ベトナトに逃げるしかなかった。

ピグルは西の門から攻めているレクス達の存在は確認できていなかった。


「私の財産を狙い襲ってくるとはうかつだった。誰も敵の存在を確認できなかったのか!!役立たずどもめ!!!」


ピグルは周りの部下に当り散らした。


「逃げれるように金をまとめろ!!1銅貨たりとも置いていかないぞ!!」


「ピグル様。海の砦に応援を出されませんか」


領兵の1人がピグルに提案するが、


「私の安全が先だ!!館の兵は私について来い!!」


ピグルは北の国との戦いで、貯めた私財を館に溜め込んでいた。

ピグルは状況によって逃げようと、家財をまとめさせた。


「西の街道の報告はまだ入らないのか!!」


しかし、逃げる予定の西側の報告がピグルに入らない。

西の門側に偵察に来た領兵は、いち早くナミに発見されて弓で倒されていった。


「もういい!!!逃げるぞ!!私について来い」


ピグルは焦り、報告をこれ以上待てないと館より出ようとした。


「館に敵が来ました」


そこで兵から報告が来る。


「砦の者どもも役立たずか!もう倒されたのか!時間稼ぎもできんのか!」


ピグルは部下に悪態をつく


「いえ。別働隊かと」


「その別の部隊に気がつかず。館まで来させたのか!!追い返せ!!できなければお前らは首だ!!」


ピグルに対しては尊敬はできていない領兵だったが生活の為に、雇われている者。

戦争で強奪をさせるピグルについてきた者。

前者は少数で後者は多数だったが、アクネロが攻め落ちそうとなれば士気はおおいに下がっていた。

自分の欲のために雇われていた後者の多数はレクス達に向かわず逃げ始めていた。



「師匠。盗賊よりも領兵が手応え無いぞ」

「あまりにも手応えがない。罠か?」


レクスにカカやカシムが言ってくる


「命が係ってるんだ。気をぬかず館を攻めてピグルを捕らえるぞ」


レクスの言葉に自衛団は気合を入れなおす。

しかし相手の領兵は、手合わせをしてすぐに降伏していくのであった。

あっけなく館の中はレクス達に占拠された。

そして、ピグルがレクス達の前に現れた。


「私の私財を狙ってアクネロを攻めたか!!我が領地をおそって無事に済むと思うなよ!!」


「違う!!我々は自衛団だ!!あなたの領地の村々への仕打ちに立ち上がったのだ!!」

「お前のせいで村から追い出されて困ってる人がいるんだぞ」

「ひどい税で困ってるんだぞ」


レクスの言葉で自衛団の中から非難の言葉がでる。


「この領地の私のものだ!領民が貴族を襲うとは全員死刑だ!!」


ピグルの言葉で自衛団の団員は一気に反発する


「貴族がふざけるな!!」

「俺たちのおかげで貴族が暮らせてるんだ!!」

「勝手に戦争なんてしやがって」

「死者をかえせ!!」

「村を返せ!!」

「生活を返せ!!」


ピグルは団員の声に対して言い放つ。


「私の領地だ!!私が決めたことは絶対だ!!この私の言うことが聞けないなら全員死ね!!皆殺しにしても新たに領民になるやつは居る」


そして1本の矢がピグルにささる。

自衛団員の中から誰かが射たのだ。

同時にピグルを守っている領兵もピグルを剣で刺した。

逃げずに残っている領兵はこの領地に住む家族の為にピグルについているのだ。

ピグルの言葉につい身体が動いた。


ピグルは、自分のされたことに驚いた顔を残して死んでいった。








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