カリント地方戦 1
カリント領主ピグルは反乱した村を領兵で焼き払う。
レクスはその領兵の部隊をまずは倒すことにした。
レクス達の戦力は、もとミクリ自衛団を中心としている。レクスが身体能力アップの仕方を教えているので、その方法が慣れた順番に強くなっているからである。
レクス、カカ、カシム、ロン、ナタリーはその中でもずば抜けている。
魔晶での訓練をしているからである。
魔晶を使った訓練は自分の魔力の限界を増やすので自衛団全員に導入したいのだが、魔晶の数が限られているのと、
放浪者や商人の中には情報でお金を稼ぐ者がいるので、地元の顔の知れた仲間にしか魔晶の存在は知られないようにしていたからである。
自己鍛錬をすればするほど魔力の強化が良くなる。いつかその限界が来るだろうと、イフリートは言うが、まだ限界はきてない様だった。
ピグルの本拠地アクネロからの主街道は3つに別れている。
北部地方、西部、南部に向かう道だ。
そのうち北部はと西部は、道が南部に向かう道より狭い。
経済流通的に海路と他の領地や王都、ダンションへの道が南だからだ。
経済的主街道ではないのでピグルは治安の放置して、カシム達のカリント北部自衛団が治安を守っていた事につながる。
ピグルの領兵はその狭い道を通る。
狭いとはいえ馬車や荷台を通すことはできる幅はある。
領兵は一気に騎馬で移動してくると思われる。
自衛団の団長と副団長である、カシムとロンに指示をした。
「ミクリ村のみんなが他の自衛団員より強い。だからカシムとロンで戦力を2つに分けて待ち伏せをする」
レクスやカカ、ナミはミクリ村周辺の自衛団員しか存在を知らない。
団長はカシムであり、レクスは団に協力する武器商人、カカやナミは教官みたいに思われている。
新しく入った団員は、レクスをどこかの国や他の大貴族の領主からの諜報員で、自衛団に近寄っているとも勘ぐる団員までいる。
それほどレクスの鍛治師については情報統制ができているとも言う。
それはともあれ団長と副団長が基本の部隊を率いらないといけない。
「自衛団のみんながなるべく負傷者を出さないように、街道の森や林になっているところで待ち伏せする。森や林になっているところは日の光が変わり目が最初は慣れない。だから馬を縄で引っ掛ける。そこから弓を基本にして戦うんだ。あと大事なのが地面をぬかるませろ」
騎兵には剣で立ち向かうと槍で攻撃してくる。それが剣には不利で、まず相手が馬に乗っているので槍が上から振り落とされる。
剣は下から受けることになりそこで力に差がでる。
しかも相手を倒すには、剣を相手に届かせるないといけないので、相手を引きずり落とさないと駄目なのだ。
馬や足を攻撃すればいいと思われるが、足は鎧で足まで守られているし、馬は馬鎧といって馬にカバーをかけるように守っている。剣で馬を倒すには馬の正面か後ろからしか剣が通らない。
もちろん正面は1tもの重量が迫ってくるので吹き飛ばされるし、後ろは馬の後ろ足の跳ね上げで鎧を着ていても簡単に骨折する威力がある。
倒すのに最適なのは槍だ。しかしそのため槍を領兵以外が持つことは許されていない。
そこはレクスの出番だ。槍はダンション戦でも使っており作ってある。
「槍をミクリ村のみんなに渡す。縄で足止めして弓で前方に注意させて、後方から槍を持って囲み倒す。かならず全員倒すんだ。相手の主力だからな」
騎兵は強いがその馬鎧と兵の鎧のために重量がある。地面がぬかるんでいると馬は速く走れない。速さは重量を伴えばそれも威力になるので速度を落とさせるのは大事だ。速度があるときに槍で正面から突けたとしても衝撃で槍を持っている手の腕の関節が抜けたり、ひどければ肋骨を骨折したりする。
この知識はクラウが城で武器を作っていると時にクラウの監視をしている騎士がレクスにいろいろ教えてくれた話だった。
騎兵は強くて魔法使いと共に戦いの主力であり、それを倒すクラウの魔剣の強さの価値を教えるのに丁寧に説明してくれた話だ。
こうして部隊を2部隊に分けた。
レクスはカカとナミと共に遊撃部隊としてその中間地点で待機した。
レクスは予備の槍も含めて5本の槍をもっている
それをみてカカはレクスに尋ねた。
「師匠のつくった槍だけど、5本も持つより誰かに渡した方が良かったんじゃないですか?」
「試したいことがあってね」
そこでナミが言う
「偵察の人から北に10人、西に20人だって」
ナミは目がいいので偵察のハンドサインが遠くから見える。
「よし、西の街道を手伝いに行こう」
レクス達は、西の街道の待ち伏せしている場所に向かうのであった。




