買出し
1週間に1度地上へと買出しをする。
イフリートに頼んで連れて行ってもらえるのだ。
そこはレクスの昔、襲われた村の近く火山のある山脈の麓だ。
もともと、村の近くにダンション以外で、火の精霊のちからが強い火山のある場所だからレクスの父クラウが村に住み着いたともいえる。
イフリートである上位の精霊は、火の精霊の力の強い火山などの場所に転送できる。
なのでその場所から買出しである。
いろいろなことに使える魔晶だが、無制限というわけでもない。
魔素の噴出す量は一定であり、その結晶である魔晶も、もちろんそれに比例して一定である。
鍛治に使う量も、レクスが魔素になじんで魔力の量が増えるにつれて、
鍛治で製造できる武器の量も増え、燃料である魔晶も消費が増える。
また、カカとナミが住むようになって、畑での魔晶の消費も増えている。
魔晶の消費を少なくする方法はもちろんある。
鍛治で魔晶の熱の変わりに木材、ダンションであるので煙のすくない木炭をつかったり、
素材である鉄などの抽出をそれが得意な土の精霊からもらう。
火の精霊のダンションと同じように、土の精霊のダンションも人が襲ってきて困っているので、
レクスの武器は土の精霊も喜んでいる。
週に1度の地上の買出しは、土の精霊との武器と鉄の取引と一緒に
ついでに近くの町での買いだしなのである。
それは、ダンションで冒険者から手に入れたお金や荷物を売って、買い物するのである。
ただレクスは町には行かない。
レクスの住んでいた村も近い事もあるし、買出しの町もレクスを襲ってきた貴族の管理する町であり
町の入り口には貴族の兵が詰めている。
最初の2年は町のぎりぎりまでレクスがカカとナミを送ってきていたのだが、
カカが剣の腕をあげて、身体能力を上げるのにも慣れてきたので、ここ1年はレクスは麓で待ち、カカとナミだけで町にいくようになった。
カカとナミはいつも荷台を押して炭を俵で3表と、ダンションでは手に入らない塩やお肉、卵などを買い付ける。
毎週のことなので、炭を買い付ける商人に一括で準備してもらってる。
「また値上がりしているんですか」
カカがなじみになった商人に言う。
「町のはずれに流れ者が多くなってるだろ。戦争の影響でね」
そういえば町の外れに、家といえないぼろぼろな小屋のようなものが多いと思ったのを思い出した。
「俺と妹も戦争で村がなくなって追い出されたから同情はするよ」
「生産にかかわっている人も職を失ったり、戦争の為に物資を取られたりで商人としてもさっぱりだ。一応住民の不満をある程度抑える為か最低限の物資は流通させてもらってる感じかな」
「師匠のために炭だけはきらさないでくれよ」
「毎週の取引だから我が商店としてもきちんと取引したいから優先させてもらってるよ」
「ありがとうこれからもよろしく」
「治安も悪くなってるから気をつけて」
荷物は嵩張ってはいるが、一番嵩張っているのは炭なので軽い。
カカの身体能力もレクスの指導で体内の魔力をつかって強化できる。
荷台をカカが引き荷台の後ろでナミが弓をもってついてくる。
実は最近になって3度ほど盗賊にであってる。
盗賊といっても農民あがりの食い詰めて盗賊になったようなので、
レクスに剣の基本を教えてもらっているカカからすると、
へなちょこ剣で目をつぶっても当たらないくらいの剣である。
と、カカは思っている。
前回遭遇したときは、進んでた道の先からあらわれて、
左右から弓2人、目の前に剣2人斧1人だったが、
ナミが弓1人、カカが剣1人を倒したところで逃げていった。
カカとナミの行程は、町から最初は視界のいい街道をしばらく進んで、そのあと森と川の間を抜けて
森を迂回するように街道を逸れて山の麓へと向かう。
盗賊がでるのが森と川の間を抜ける街道の入り口と抜けた先の2箇所だ。
今回の買出しはカカとナミは盗賊に襲われず、盗賊に襲われてるのを助けることになる。




