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プロローグ
初投稿。よろしくお願いします。
その世界にはエネルギーの源となる魔素の噴出すダンションが6つあった。
それぞれ世界を構築する6つの精霊がそれぞれのダンションを司り、
その一属性、火のエレメントのダンション。
下層と呼ばれる地下80階、強力なモンスターたちが支配するその階層に鍛冶師は居た。
「こんなもんでいいかな」
石のブロードソードを魔晶の光にかざしながら、
火のダンションには不釣合いな人の鍛冶師は言った。
「はい。どうぞ」
剣を渡されたのはファイアーボーン。
火のエレメントの骨の兵士だ。
言葉は交わせないが雰囲気的にはうれしそうに手に取っている。
そしてお礼の代わりか荷物の入ったカバン1つと折れた鉄剣、皮の軽鎧を差し出してきた。
乾いた血の付いたそれらに、笑顔が引きつる。
「あ、ありがとう・・・」
人の敵であるモンスターからお礼をもらうのは中々慣れない。
そのうえモンスターの強化ともいえる武器の製作や強化は
どうなんだろうと自分の運命を振り返る。