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君を追う者たち1
辺りは、しんと、静まり返っています。
信じるよ、と答えたぼくの声が、こだましているような気がして、ぼくは少し恥ずかしくなりました。
君は、ぼくの目をじっと見つめています。
ぽろぽろぽろ、ぽろぽろぽろ。
いくつもの大きな雫が、君の瞳からこぼれ落ちていました。ああ、不覚にも、不覚にも、ぼくはそれを美しいと思ってしまった。ひとりの少女の涙している姿を。
同時に、こんな不埒なことを考えるから、気の利いた台詞ひとつ言えないんだと、もうひとりの自分が囁きます。
ごめんなさい。
君は言いました。
信じるよって、言ってもらえたのがね、
とても嬉しいの。
君は笑いました。
よかった。
そして、また辺りは、しんと静まり返ってしまいました。
ぼくの声のこだまが、宙を舞っています。
静か。
少なくとも、ぼくにとっては。
静かだと思っていたのは、ぼくひとりだけだったのです。