波越 マキとの出合い
深く考えずに俺は帰ることにした。
師匠の家にGSX400S カタナを取りに行く
「釣れたか?」
「ええ、メバルとカサゴが」
「メバルがアベレージ15㎝のカサゴが25㎝ですね」
師匠が目を輝かせている。
「メバルは逃がして、カサゴはあげましたよ」
「あげた!?誰に!?」
「┐('~`;)┌?」
「まぁ、いいや…気を付けて帰れよ~」
「は~い」
適当な返事をして、俺は帰路に着く。
翌日、俺は学校にカタナで向かった。
学校の授業は余り、聞いておらずノートだけ取った。
学校が終わり、帰宅した、俺はバイクをGSX400Sからバーディー90に乗り換え近くの川に向かった。
川で何をするかと言うと…飛距離と沈下のテストだ。
1.5lbフロロの先にリーダーなしで、1グラムのスイミングコブラを結ぶ。
そして、キャスト。
飛距離に確実に3~4メートルは伸びているだろう。
ルアーを回収し、手前の見える範囲に落とす
沈下速度も上がっている。
「良し」
確認を終えた俺は、帰ることにした。
自宅に着いた、俺はカタナとバーディーを洗車しながら考える。
「昨日の子は誰だったんだろう…」
洗車が終わったら、じいちゃんの所に行って聞いてみるか。
車体を吹き上げて洗車が終わる。
板知屋に向かう。
じいちゃんは、師匠と同じ板知屋に住んでいる。
年齢は84、中身は64かと思うほど動きがスムーズだ。
じいちゃんは、84歳と言うだけあって、板知屋のことや師匠の事も昔からよく知っている
じいちゃんの家の前にカタナを停める。
じいちゃんの家には駐車場がないからだ。
「ヤッホーじいちゃん!」
テキトーな挨拶みたいなものを言う。
「お?今日はどうした?学校は?」
「今日は、昨日の夜にあった人との事を聞きたいのと、それと学校は終わったよ」
「その昨日の夜にあった人の特徴は?」
「特徴?暗くてわからなかったな」
「時間は?」
「23時位?」
「ふむ…それだけだとわからんのぉ」
じいちゃんはしばし、考え込む。
「力になれんようですまんな」
「いいよ、気にしないで」
その後、婆ちゃんも加わり、二時間位話した後、じいちゃんの家を後にした。
帰りながら考える…
「今日の夜も来るとか言ってたな…それに掛けるか」
そんなことを考えつつ帰宅する。
晩飯を食べ終わった後、釣具の準備をする。
師匠のロッド(6.6ft)にソアレC2000PGSSにフロロ1.5lbとワームボックスとジグヘッドワレットを用意する。
そして、バーディー90で板知屋に向かう。
途中の直線で全開にしてみる。
メーターは一気に上がる、メーター読みで80㎞ぴったり、このバーディー90の最高速だ。
80㎞に達してすぐに速度を落とす。
相変わらず、バーディー90の調子は良い。
板知屋につき、バーディー90を留める。
時間は22時を過ぎた位だろうか?
昨日の人は、まだ、いない…
「おにーさん♪」
昨日の人が来たらしい
「まさか、約束通りに来てくれるとはね…」
「来なかったらどうするつもりだったんだ?」
「ん?家で寝てた」
「家?」
「ほら、あそこ」
なるほど、彼女の家から、ここはよく見える
「波越さんとこか…」
「え?知ってるの?」
「まぁ、可愛い子がいるって位は…」
「可愛いってそんな…///」
「何か言ったか?」
「別に!!」
怒ってるのか?凄い迫力だ…
「んじゃ、話は早いや、私は波越 マキ お兄さんは?」
「海原 友紀」
「へ~良い名前じゃん」
「どうも」
俺は釣りを続ける。
コンッ!
アタリが来る、反射的に合わせる。
「お?何か掛かったの?」
「魚が浮いてきた、ラインが1.5lbと細いためタモを使う」
「良いアジじゃん!」
「それちょーだい」
「良いけど…」
「やった♪」
波越 マキは機嫌が良さそうだ。
「お魚好きー♪」
そうなのか。
好きなら何よりだ。
それから、5~6本釣った所で俺は帰ることにした。
魚は全てマキさんが持って帰るらしい…
「もう、帰るの?」
「ああ」
「じゃあ、私も帰るわ、家まで送ってよ」
「マキさんが所は、すぐそこじゃないか」
「良いから!送ってよ!!」
「はいはい」
俺は駐車場に行き、バーディー90を取ってくる。
「うぇっ、カブじゃんダサッ」
「これはSUZUKIのバーディーじゃ!!」
「え?カブじゃないの?」
「うん」
「でも、知らない人から見たらカブだよ」
そんな他愛もないことを話していると波越家に着いた。
「じゃあ、マキさん、お休みなさい」
「おう!お休み、また今度な」
「え?」
「ま・た・こ・ん・ど・!!」
「お、おう…」
俺はそう言って波越家を後にした。