友人の日記
某月1日
カモフラ用のバイトで一緒になった、人の良さそうな青年に声を掛けた。
そこそこに裕福な家庭に育った人物のようだ。
色々な意味で使えそうだ。
某月6日
“骨董屋”から受けた依頼品を入手した。
本物の皮で造られた紙束状の古文書だ。
明日、引き渡すとしよう。
某月9日
“骨董屋”が失脚した。
風向きがヤバくなってきた、“書”を持ち続けるのは拙くなってきた。
どうしたものか?
某月10日
都合の良い友人に預けた。
リスクはあるが、背に腹は変えられない。
人格的にも信用できるし、そこそこの家に住んでいるのでセキュリティも悪くない。
一時保管場所としては優秀な方だと、自分を納得させた。
某月24日
それなりにイケメンの癖に、こんど妹を連れて遊園地に行くと言った友人を笑ったら、写真を見せられた。
リア充爆発しろ。むしろ、本気で爆破してやろうか?
いや、だがこいつは、色々な意味で“良い”友人だ。
仲良くするのが得策だと思い直す。
そう考えてたら、同じ学校に通ってるらしい女の客と、楽しそうに世間話をしているそいつに気がついた。
一見地味な女だが、下地が良く、化粧や服装で化けそうだ。今時珍しい。まさに“当たり”だろう。
女の態度から、こいつに気があるのが見え見えだ。
やはり爆発しろ
某月29日
“弁当屋”から呼び出された。配達任務を押し付けられた。
“手製の弁当”を遊園地の“保育員”に渡すだけの“簡単な”お仕事だ。
あまり気は進まないが、良い臨時収入になりそうだと納得するしかない。
某月2日
やはり裏があった。
危うくこちらも巻き添えだ。
“印刷屋”と連絡を取る。“名札”を変えないと拙い。
それと、書の回収もしておかないとな。
明日会えるように、友人を呼び出すとしよう。
念の為に、そいつを遊園地から遠ざけておいて良かった。
某月3日
―以降のページは全て、白紙である―