報道記録
雨の夜、森の奥に“二つの影”が現れる——
それは記録されず、やがて存在ごと消えていく。
それでもなお、続いているものがある。
そんな“観測されない契”の物語です。
― 山間部における不明現象、継続観測へ ―
【○月○日/地方局配信】
県内山間部に位置する森林地帯にて、不可解な現象が継続的に確認されている。
住民の証言によると、「雨の夜に限り、森の奥に人影のようなものが現れる」との報告が複数寄せられている。
現場付近には古くから「影添の社」と呼ばれる小規模な祠が存在し、地域では夜間の立ち入りを避ける慣習があるという。
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【現地住民の声】
「昔から言われてることだからねぇ」
「雨の日に近づくもんじゃないって」
(※その他の証言は確認中)
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【記者現地報告】
降雨時、当該地点へ接近。
視界不良の中、奥部にて“二つの影状の存在”を確認したとの報告あり。
ただし、映像には明確な形として残らず、解析の結果も
「ノイズの可能性が高い」とされている。
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県は当面の間、該当地域への夜間立ち入りを控えるよう呼びかけている。
なお、危険性は確認されていない。
ただし——
不用意な接近は避けるべきとしている。
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雨は、今夜も降っている。
報道が終わったあとも。
画面に映らない場所で。




