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すたうろらいと・でぃすくーる  作者: たけりゅぬ
1章 7月は出会いの季節

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5/7

いちのよん うざメンの平田航

校門前の坂道で、〆子の横顔をチラ見する。


〆子にとっては普段でさえ学校に来ること自体しんどいはずだ。


今日はおかしなことがあったから、気分を悪くしてないか確認したかったのだ。


そういう時は、俺でも〆子の心の声が聞こえなくなって、顔色をうかがうしかなくなるのだ。


バシ! 痛って。


「よお、今日もらっぶらっぶ、ねぇーん」


ねぇーん、ねぇーん、ねぇーん・・・・。うっざ。


したたか俺の肩をはたいたやつ。誰かは顔を見ないでもわかる。


人との距離感がはなからおかしい、うざメン平田航。


「てっめ」


「あれ、怒ったの? 心優しいお前がどうしたんだ、おさるのジョージ」


平田は俺を挑発するとき必ずこう呼ぶ。


条時はたしかに英語のジョージと響きは同じだが、


母さん曰く、《《ちゃんとした意味のある苗字》》だそうだから、さる呼ばわりされる筋合いはない。


「ちょっと、こっち来いって」


今度は俺の腕をつかんで〆子から引き剥がす。当然〆子はその場に立ち尽くす。


〆子の顔がふたたび青ざめるのが見えた。


平田はそんなこと構いもせず、俺を校門の脇まで引っ張って行くと、


「ゆいに何かしたか?」


と言った。〆子を呼び捨てにすんな。


こいつと関わると、ろくなことはない。勝手に決めつけられて傷つくのはこっちだ。


「なにかってなんだ」(棒読み)


「抱き着いたり、無理やりキスを迫ったりだ」


「そんなことするわけないだろ。おれと〆子はおさななじみなんだぞ」(棒読み)


「幼馴染だってやることはやるだろ」


「それは、おまえだけのかちかんだ」(棒読み)


平田は俺を突き放すと、


「あきれた男だなお前は。あんなにかわいいゆいに何もしてないなんて」


と言った。


お前の下品な頭の中ならそうかもしれないが、俺と〆子はそんなんじゃない。


もっとこうビュアーで、爽やかで、ラブリーな……。


「いつも近くにいて変な気持ちにならないのか?」


「それは……」


すこしはなんかしたくなるときだってあるが……。いやいやいやいや。


俺は思考を平田に持ってかれるのをこらえて鋭く見返した。


その平田は考える「ふり」をしてる。そうだ、平田の思考はすべて決め打ち。


その場で考えるようなことは絶対ない。隙あらば圧倒的な断定で自説を展開する。


「つまり俺知らないよーって(てい)でいて、相手が好きになるように仕向ける。女は追いかけるより追わせるほうがいいってな。まさに逆張りの発想だな」


こいつは何でも逆張りの一点張りだ。テスト勉強も、恋愛もすべて逆張り。


「人と同じことやってちゃ、全部持ってけないだろ」


が口癖だ。


「知るか」


そう吐き捨てて〆子の方を見ると、井澤きららがその手を取って背中を撫でさすっているところだった。


〆子の顔に明るさが戻る。


井澤きらら。〆子が唯一学校で心を許している女子だ。


きららは朝が早いはずだが今日はどうして俺らと一緒?と訝っていると、


「希望の時学園」と書かれた校門に生徒指導の川村先生と生徒数名が並んでいるのに気が付いた。


今日は「おはよう推進の日」か。週に一度、部活の代表者が校門に立って、挨拶マシーンと化す日だ。


それに俺たちの部の代表の井澤きららが駆り出されていたのだ。


きららから〆子の手を返されると、〆子は俺の手を強く握りしめ、


「クソ溜めに落ちて3回死ね!」


と心の声で言った。


誰に対してなのか。俺じゃないことを祈る。


きららが〆子に向かって言う。


「平田のやつ、ホントうざいね」


それに対して〆子は小さな声で、


「う」


と言った。きららが俺の懸念をのぞいてくれて助かった。


「じゃあ、あとで部室で。ゆいちゃんの手、はなしちゃダメだよ」


きららが輝安鉱のような切れ長の目を一層細めて笑顔で言った。

(毎日2エピソード更新)

続きはこのあと21:10に公開します


よろしくお願いいたします(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾


★/いいねしてくれた方、ありがとうございます

とても励みになってます


たけりゅぬ

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