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第一章 2018年の君へ 第七節

人と災が屹立する時、生まれし獣は人か否か

「ティーパーティー…ですか?」

「ああ、『魔女会議』(サバト)って言ったほうがわかるか?」

「あ、はい それなら知ってます」

魔女会議サバト、年に数回ホロスコープスが集まって行なう会議のことだ

その具体的な内容は公にされていないが魔術に関わる情報交換が行なわれているらしい

「サバトも本来はこうしてお茶をしながら世間話をするもだったんですよ」

レモネードさんはどこから出したの分からないけど紅茶を淹れながら言った

「そうなんですね」

「はい ですから今回もそれに倣って作戦会議をしようと思ったんです」

「なる、ほど…」


レモネードさんが話し終えると朝から何も食べてなくてお腹の空いてた私は差し出されたお菓子を食べた

「迷わず食べるんだな」

「え、あ すみません…」

怪訝そうな顔で呟くモカさんに思わず謝った

「この状況で出された食べ物に毒が盛られていると思わないのか?」

「毒!?」

「毒なんて入れてませんよ…」

レモネードさんは不服そうに呟く

「危機感の話だ 普通は疑うだろ」

「誰もがあなたのようにひねくれているわけではないんですよ」

呆れというよりはやれやれといった様子でレモネードさんはため息をついていた


「それでは本題に入りましょうか」

「その前にいいか?」

早速、会議を始めようとしたレモネードさんはモカさんを制止した

「なんでしょうか?」

「そもそも今の状況をソイツがいまいち理解してない まずは状況の整理からだろ」

「たしかに… それはそうですね」

モカさんの指摘にレモネードさんは頷いた

「まず初めにお前は今、自分がどんな状況かどれぐらい理解してる?」

「えっと… 私が天災…吸血鬼と契約しててそのせいで命を狙われることになったってことは分かりました」

「そうか、なら吸血鬼と協会、火葬屋との関係は?」

「それは分からいです…」

モカさんからの質問に正直に答える

さっきから話題に出ている吸血鬼についてだけどなんとなく聞いたことがあるぐらいで天災や他の魔獣との違いは分からなった

私の中のイメージだとファンタジーの中の存在止まりだ


「まずはそこからか…」

ため息を吐いたモカさんをまあまあとレモネードさんがなだめるそれから

「吸血鬼については私からお話しますね」

「お願いします…」

レモネードさんはホワイトボードを持ってきて説明してくれた

「吸血鬼についてですが吸血鬼とは先ほどもお話した通り天災、その中の分類…あるいは種族の一つであり協会や私達魔術師の討伐対象になります そこまでは祈さんもご存じですよね?」

「はい…」

一応、魔術師家系の生まれだからそこまでの情報は幼いころにお父さんから聞かされていた

そのことを確認したレモネードさんは続ける


「更に言えば吸血鬼の中にももっと細かい区別があります 具体的には吸血姫と吸血鬼、それから眷属の三分類です」

「吸血姫…ですか?」

ホワイトボードに書かれた文字を見て首を傾ける

同じ読み方なのに文字が違う…なんとも不思議な感覚だ

「吸血姫というのはこの世界に七体しか存在しない天災の中で見ても最上位の存在です

対して吸血鬼とは彼女たちから血を与えられその直接の眷属、あるいは側近として支配下に置かれた生き物のことを指します」

「なるほど… つまり吸血姫が生まれながらにしての吸血鬼で人から吸血鬼になったのが吸血鬼だと… ややこしいな…」

分かりやすくホワイトボードには図が書かれているけどそれでも頭が混乱しそうになる

それを聞いたモカさんが補足した

「正確には他の生物が吸血姫から血を与えらえれた場合だ 人間でなくても奴らが血を与えたら吸血鬼になる」

「そうなんですか!?」

人間じゃなくても吸血鬼になるなんて…

というかモカさんの補足で更にややこしさがました気がする…


「てことは私は吸血鬼ってことですか?」

「そんなわけないだろ お前はその下の眷属だ」

苛立った様子でモカさんがホワイトボードに書かれた眷属の文字を指さした

「眷属というのは吸血鬼から血を与えられてその支配下についた人間のことを指します 最も彼らにはそこまで強い繁殖力がないので眷属にできるのは人間に限定されますが…」

彼女の言葉を引き継ぐように今度はレモネードさんが説明してくれる

ホワイトボードの吸血鬼から眷属に矢印が足された

「ちなみに眷属が眷属を作ることはできませんし血が適合しないと吸血鬼が眷属を作ることはできません」

「もしちが適合しなかったらどうなるんですか?」

ふと抱いた疑問を口にする


レモネードさんは表情を変えることなく一言

「死にます」

「死!?」

「吸血姫なら連中の血が特別だから大抵の生物に適合するが吸血鬼はその劣化版にすぎないから妥当だろうよ」

踊りた私をよそにモカさんが呟いた

「ですが吸血姫は世界に七体しか存在しませんしここ最近だと日本での目撃情報は皆無ですからね…」

「じゃあやっぱり私は眷属…なんですね」

もしかしたら死んでいたかもしれないという事実はいったん忘れることにした


「でも吸血姫が天災の中で最強だとしたら今頃、世界中は吸血鬼や眷属だらけなんじゃないんですか?」

「いい質問ですね」

私の疑問にレモネードさんはまるでニュース番組のコメンテーターのように頷いた

「そもそも吸血姫の目的ですが彼女たちに具体程な目的はありません しかし彼女たちは不老不死であると同時に食事…魔力の補給が必要なんです」

「魔力の補給…そのあたりは他の魔獣や天災と変らないんですね」

「はい 彼女たちが吸血鬼…つまり配下における生物を作るのはより効率的に魔力の元となる生き物を捕獲するためなんです」

狩猟で同行する狩猟犬あるいはモン〇ンのア〇ルーみたいなものだろうか

吸血鬼がペットでそれ以外が家畜みたいな感覚なのかもしれない


「彼女たちは賢いので自分たちが食べ物に困らないように人間を食べ過ぎない…生態系の管理みたいなことまでしているんです」

「なにが生態系だ 吸血姫同士で『無血の契り』を交わしている代償だろうが」

レモネードさんの開設にモカさんが怒りを露わにした

それを聞いたレモネードさんは

「…吸血姫の話はこれぐらいにしましょうか」

「そう…ですね」

自分の身体のことだからまだまだ気になることは多かったけど今はここでやめておいたほうがよさそうに気がした


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