3人のお姫様と消えた冬のお姫様
冬童話2025参加作品です。
注意:小説の最後に自作絵がありますので苦手な方は、挿絵非表示してください。
[3人のお姫様と消えた冬のお姫様]
いつもお城の外で仲良く遊んでいる4人のお姫様がいました。
あれ? 1人いないみたい。
3人のおひめさまは不思議に思いました。
「ふーちゃん遅いね。今日は誕生日なのに」
「いったい、どこにいったんだ?」
「いつもはわたしがきたーって喜んでいるのに〜」
お姫様3人は、冬のお姫様、ふーちゃんを探しに行くようです。
ふーちゃんの住んでいるお城の中に入ることにしました。
「冒険してるみたいでたのしー」
「なっちゃん、お城の中に勝手に入っていいのかな?」
「大丈夫だって! バレないバレない。はーちゃんは心配性だな」
「だって! 他のお城の中に入っちゃだめって言ってたでしょ?」
「アタシたちは、ふーちゃんが心配で、探しに来たんだろ!」
「それでも、約束は守らないとでしょ!」
はーちゃんとなっちゃんはケンカをしてしまったようです。
「「ふんっ」」
「こんなところで、ケンカはだめだよ〜」
「あきちゃん……たしかにそうだね」
「ごめん……」
そして黙々と3人はお城の中を歩き回りました。
ですが、初めてお城の中に入るのでふーちゃんの部屋がどこかわかりません。
お城の中は広く探すのが大変です。
「どこだろ? ふーちゃんーいるー?」
「さ、寒くなってきたな……」
「そうだね〜どんどん奥に行くほど寒くなってるね〜」
お城の中はどんどん寒くなってきてます。
「クチュん!」
「なっちゃん大丈夫?」
「だ、大丈夫だ!」
「無理しないでいいからね」
「ふーちゃんと遊びたいんだ! だから大丈夫!」
「みんなで集まったら温かいんじゃない〜?」
「そうだね! みんなで集まろう!」
3人は集まり、お城の廊下を進んでいきます。
「あれ? 暗くなった!」
「おばけの仕業かもよ〜?」
「そ、そんな怖、おばけなんているわけないだろ!!」
なんと停電になってしまったようです。
3人は暗いのが苦手です。
大丈夫なんでしょうか?
「ど、どうしよ。暗いの怖いよー」
「だ、大丈夫だ! こ、怖くないからな!」
「ほ、ほんとかな〜?」
「こらっ! あきちゃん、なっちゃんをいじめない! あきちゃんも暗いの怖いでしょ?」
「うっ……」
「み、見えない……怖いよー」
「う、うぅ……ママー」
「わたしたち、約束守らなかったから罰が来たのかな……」
お姫様はどんどん不安になっていきました。
「な、なんか誰か立っていない?」
「ほ、本当にお、おばけ…!!」
「え、本当?」
そして突然声が聞こえたのです。
「あなたたちは……」
「「「キャぁぁぁぁ」」」
突然停電が直りました。
恐る恐る、お姫様たちは声がする方に顔を上げました。
「あなた達はもしかして、お姫様方ですか? わたくし、ここの執事をさせてもらってる、セバスです」
「な、なんだびっくりしたね……」
「やば……勝手に入ったのバレたじゃん!」
「あら〜」
声の正体はここのお城の執事、セバスでした。
こっそり入ったのがばれてしまったようです。
「あ、あの勝手に入ってごめんなさい……」
「ご、ごめんなさい……お母さんに怒られてしまう……」
「勝手に入ってごめんなさい、ふーちゃんを探していたんです〜」
「ふゆ様ですか。案内しますよ。他の王女様には言いませんので、いつも遊んでいただきありがとうございます。」
「え、いいの?ありがとうございます!」
そうして、セバスに連れてってもらいふーちゃんの部屋の前まで来ました。
「ありがとう執事さん!」
「本当に、ありがとう!」
「執事さん案内ありがとうございます〜」
「いえいえ、いっぱい遊んであげてください」
執事は自分を仕事をするため、戻っていきました。
「ふーちゃんあけるよ〜」
あきちゃんは扉をトントンとたたき、部屋の中に入りました。
「え、なんでみんないるの……?」
「ふーちやんが心配だから来たよ!」
「みんなで一緒に遊ぼうぜ!」
「今日はどうしたの〜?」
「そ、その……私が……外に出たら冬になっちう…… 」
どうやらふーちゃんは冬になるのを恐れ、外に出なかったようです。
「みんな、寒いの苦手でしょ……? 迷惑になっちゃうんじゃないかなって……」
「そんなことないよ! 確かに寒いけど冬にしかできない遊びあるじゃん!」
「アタシはみんなで、雪だるま作りたい!」
「わたし、寒いの好きだよ〜私たち渡したいものがあるんだ〜」
「みんな嫌いじゃないんだ……みんな……ありがとうみんなと遊びたい……!」
そして、ふーちゃんを連れていき、お城の外へでました。
「「「ふーちゃん、お誕生日おめでう!!!」」」
「あ、ありがとう……!覚えてくれたんだね……!」
「プレゼントあるからみてよ〜」
「渡したいものって……」
「私は、花のネックレス!」
「アタシは、貝殻の王冠!」
「わたしは、綺麗などんぐりだよ〜」
「あきのただのどんぐりじゃねぇーかー!!」
「わたし、このどんぐり探すの大変だったんだよ〜」
「ふふっ……みんな、ありがとう……!」
こうして小さな冒険が終わり、冬が来て、みんなで、でかい雪だるまを作りましたとさ。
────めでたしめでたし