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アイテム士ジッパの不思議なダンジョン  作者: 織星伊吹
◆第一章 持たざる者の末路は
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プロローグ

昔書いて自分でボツしたモノです。拙いですが、気に入って頂けましたら幸いです。

 ――終わり無い冒険をしようじゃないか。


 人類最初の冒険家はそう公言したという。広大なローグライグリムの世界に這う命知らずな探求者たち。彼らはこの世界に突如出現したと云われる原因不明の【不思議のダンジョン】に身も心も奪われ、そこに潜む“不思議アイテム”を求めた。


 振れば死者を蘇らせる《不死鳥の羽》や、空を自在に行歩できる《空踏みの靴》、瞳に注すだけで心の声を眼界で捉えることのできる《心眼薬》。


 それらの“不思議アイテム”は力の源とされる“魔粒子マステリ”が、非常に高い濃度を纏っていると云われている。


 そんな怪異の源である“魔粒子”は“不思議アイテム”だけにあらず、ローグライグリム全土に満ち足りていて、怪しげなダンジョンや、秘境に魔境。この世の歪んだ空間と共に存在し、それは冒険家たちの探究心を掻き立てる大きな要因となっている。


 先人の偉人たちの甲斐あってか、人類は摩訶不思議なこの世界のほんの一部をようやく手にした。三割ほどの大地を【イントラへヴン】と呼び、それ以外の大地を【アウターヘル】と名付けると、人々は【イントラへヴン】での永住を望んだ。


 未知の大地【アウターヘル】には想像を絶する危険が潜んでいると忌み恐れ、決してその境界線を跨ごうとは考えなかった。


 代わりに人間たちは【イントラへヴン】を完全に独占し、ローグライグリムで共に生きる他の種族たちを“歪み者”と決めつけ、数の暴力で種族間争いを繰り広げてきた。


 ――しかし冒険家たちは違った。

 そんな無意味な争いよりも有意義である“何か”を彼らは知っているのだ。

 政治にも世界情勢にも興味を記さず、ならず者と呼ばれても気にかけない、そんな冒険家たちの関心はまだ見ぬ未知の大地や、幾千の【不思議のダンジョン】に興味を向けた。


 ――彼らはただ知りたかった。


 ――彼らはただ欲しかった。


 その足で、未知の大地を踏みしめるのが最高の生き方だと彼らは知っている。

 ただ純枠無垢に、己の欲望を叶えるために。名誉を手に入れるために。伝説となる為に。


 世界の為に戦うわけでもなく、気の向くままその冒険譚を綴るだけだ。

 人は彼らを――冒険家と呼んだ。

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