side??? 後編の前編
※今話は???視点のみです。
はぁ、どうしてこうなったんだろうか?俺、何かやったのだろうか?
「じゃあこれからよろしくお願いしますね師匠♪」
「あ、あぁ。といっても俺が教えられる事なんてほぼないんだがな」
.........本当に俺は何かしたのだろうか?もしも、神という存在が実在するなら土下座してでも謝るだろう。何かした覚えがないけど......
「それで、お前のジョブは魔弓士だったよな?弓が見えないんだが......?」
「資金が足りなくてですね......あと、お前じゃないです!!ちゃんとイラフって名前があるんです!」
「お、おう。分かった、イラフ。それで残念だが知っての通り俺も持ち合わせがないんだ。という訳だが弓は買えないからな?」
「えっと、もしかして師匠は私が金目当てで弟子になったと思ってるんですか?」
え?違うのか......?じゃあ本当になんで俺の弟子になったの?
「なんで驚いたって顔をしてるんですかね......流石に酷くないですか?本心で貴方に教わりたいと思ったんですよ、冒険者のイロハを。助けてもらいましたし」
「そ、そっか。それは悪かった。まぁなんだ、次かその次の依頼が終わったら弓買ってやるよ。ヒノトに値引きできなかった恨みとして仕事送り付けてやる」
「マジですか!?言いましたからね!言質取りましたから!!」
「おう、約束だ」
「やったー!!こんな早く弓が手に入るとは思ってなかったです!師匠ありがとうございます!」
「ほら、喜んでないでさっさと弓作る為の素材と資金の為にも依頼受けるぞ」
なんというか、弟子を取って早々だがこんな関係も悪くないと思ってしまった。
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ギルドに戻って受付嬢に初心者でも倒せる討伐依頼を探して貰っている間に別の受付嬢がイラフを呼んだので現在は俺一人である。うーん、割と長い間この街にいるがイラフを見るのはこの前が初めてだった。もう女友達作ってるとかもしかしてフットワークが軽い子なのだろうか?弟子をよく知る為には観察しかないよなぁ......誰でもいいから何をどう教えたら良いか教えてくれ!!
「師匠、戻りました〜それで何か初心者向けの依頼は見つかりました?」
「おう、見つかったが......なんで耳赤くしてんだ?」
「気のせいですよ、気のせい!それより依頼の内容です!何を討伐するんですか?」
「あぁ、今回は森の左側に流れてる川付近にいるフォレストスライムの討伐だ。ちなみにフォレストスライムがどんなスライムか知ってるか?」
「えぇ、というか流石に知ってますよ、そんぐらい。確か木魔法を使ってくる割と面倒なスライムですよね?」
「そうだな、まぁ面倒といっても使う前に殺れば面倒でもなんでもないが……それじゃあお前の修行にはならない、という訳でスライムが木魔法を使ってから殺る、これが最低条件だ」
「師匠は私を殺す気ですか……?」
「違う違う、どうせあいつらの木魔法はせいぜいLv1だ。なんかあったら助けに入るから安心しろ」
「わ、分かりました……けども武器が無いんですが?」
「あっ……」
やっべ、どうしよう。金は……ない。仕方ない、ここは恥を捨てよう。
「受付嬢様、お金をお貸しください!!」
「あはは……今回だけですからね?」
頼んだのはイラフと話していた受付嬢さんだ。受付嬢さんは笑っていたがイラフは俺を蔑んだ目で見ていた。いや、お前のせいだからな?え?魔法が少しは使えるって?はよ言え!!
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「お、居たぞ。あっちの方だ」
「師匠のそれ、便利ですよね」
「おい、人の五感をそれとか言うな。詳しい位置とかは聴覚を頼るしかないだろ?」
「普通はそんな事出来ませんから……というか、見つけたなら早く向かいますよ。移動しないとは限らない訳ですし」
「移動しても分かるから問題ない。それよりお前はイメトレでもしとけ。本とかで読むのと実際に見るのは大きく違うからな」
「分かりました……」
フォレストスライムのいる場所に着くまで、互いに無言だった。いや、なんか落ち着かないな……もう少しコミニケーションを取るべきなのか……?っとそんな事より依頼に集中しないとな
「彼奴らはこっちを見つけたら即座に木魔法で拘束してくる、だが今回は使ってから倒すことだ。どうすれば良いか、分かるか?」
「うーん……あっ!『属性指定』で魔力を火属性にして魔力だけで木魔法を相殺するんですかね?けど『属性指定』なんて高度な技術、使えませんけど……」
「まぁ不正解だな、というか属性指定なんて技術初めて知った。そんな事もできるんだな。正解は……」
「正解は?」
「身体強化を使って拘束を壊す、だ!」
「……え?じょ、冗談ですよね、師匠?」
「うん?一応スライムとは言え、依頼中に冗談は言わないぞ?」
「マジですか……師匠、こんな事を言うのはなんですが常識って知ってます?というかそんなことできるのは師匠ぐらいだと思いますのよ?」
「え?少なくとも同じジョブの奴ならできるんじゃないか?」
「いえ、正直師匠と同じ事ができるジョブなんて聞いた事ありません。というか師匠のジョブってなんなんですか?」
「俺のジョブは『超人』だ。俺は今まで同じジョブの奴に会った事は無いが探せば何人かいるだろ?」
「うーん……少なくとも私は聞いた事ないですね、という訳で普通じゃありません常識を学び直して下さい。というか元々私のジョブではそんな事できません!!」
「そ、そうか……」
そんな早口で言わなくても良いだろと言いたいがジョブの事を全然知らないから何も言えない……改めて学び直すのも良いかもな、弟子に言われっぱなしは悔しいからな。仕方ない、今回は普通に倒すとしよう。
「仕方ないから今回は普通に倒すぞ」
「分かりました!!」
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結果から言うとイラフは縛られまくった。弓の命中率は高いのだが火力が足りない、というかあれなら俺が普通に殴った方が早いレベルだ。原因は俺には良く分からないが本人曰く魔力を練るのが上手くいかないそうだ、そもそも矢を魔力で構築する時に込める魔力によって矢の火力が変わるそうだが構築はできても多く魔力を込めようとすると魔力の流れが乱れ、矢になる前に消えてしまうらしい。
「うーん、魔力に関しては俺は何もアドバイスできないからな……まっ反省はこれくらいにして、まずは討伐できたことを喜ぼうか」
「はい、分かりました!」
その後俺たちはギルドに討伐証明部位であるスライムの核を提出して、そのまま宿で軽い宴会みたいなものをした。カノンと二人で初めてライトニングスライムを狩った時にも同じような事をしたのを思い出した。その事をイラフに話すと
「私の前で以前のパーティーの話をしないでください!」
と言われ、睨まれてしまった。なんでだろうか?よく分からないがカノンの話は控えよう、俺もパーティー解散の事を思い出してしまうしな。
「それじゃまた明日、ギルドの前でな」
「了解で〜す……ヒック」
「はぁ……なんか不安だから部屋の前までは連れてってやるよ」
「良いんですか〜?それじゃあお願いしまーす……」
イラフは酒に弱いようだ。弓の借金などもある為一杯ずつしか飲まなかったのにこれだからな……
イラフを部屋に届けた後、俺は自分の借りている部屋に戻った。幸いな事に泊まっている宿は同じだった、この宿は他に比べて安いからそういう事もあるだろう。
「ふぅー……」
俺はベットに横になり改めて弟子を持ったんだなと思う。経緯はなんであれ、弟子を持ったんだから色々アドバイスできるようにならないとな……折角の弟子なんだ、死なずに冒険者を辞めれる用にしなければ!そう決意して俺は意識を落とした。
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イラフとの日々は思ってた以上に早く過ぎていった。この数ヶ月の間に受けた依頼はスライムへのリベンジだったり採取系だったりオークへのトラウマ払拭だったり色々だ。受付嬢さんへの借金も無事に返せたし、相棒も戻ってきた。イラフも今ではオーク位なら一人で討伐できるようになった。火力不足はどうやら自己解決できたようで安心と同時に師匠として何もやれなかった事を悔やんだけどな。最初は弟子を持つのを嫌がったが持ってみると以外に充実した日々を送れていた。
しかし、そんな日々は一瞬にして崩れ去っていく事を俺は知らなかった。俺は覚悟が足りなかった、弟子を失う覚悟が。
※今回の後書きは軽くネタバレみたいな感じになります。こういうのが嫌いな方は飛ばすことを推奨します
アフタ「えっ!?これで終わり!?あっこんにちは、作者と融合して名前しか変わらなかった元後書きちゃんです、以後お見知りおきを」
サブちゃん「後書きちゃん、融合して性格も変わった設定でいこうとするのは諦めた方がいいと思いますよ、お淑やかとかそんなもの最初のセリフでないのバレバレですから」
アフタ「私はもう!後書きちゃんじゃない!アフタなのだ!!わーはっはっは!おっといけないいけない……おーほっほっほ!」
サブちゃん「……なんかキャラが色々混ざりあって壊れてません?え?「融合させたけど性格を作者と似たようにするか後書きちゃんのままでいるか悩んでるからとりあえず色々詰め込んでみた」あの、私が困るのでやめてください!?とりあえず次回までには決めてくださいね!!というか後書きなのに今回の最後の不穏な空気について特に触れられてないんですけど!?」
アフタ「途中までは平和そうな感じだったのに最後一気に不穏になるのはどうかと思うけどそんなもんじゃない?アニメとかえ?この後どうなんの!?ってところで終わるし」
サブちゃん「急に真面目にならないで下さい!」
アフタ「一体???とイラフに何があったのか!次回もお楽しみに〜!あっ!ネタバレだけどイラフは別に死なないよ?まぁキャラとして、だけどね!」
自分の中でキャラが死ぬ、というのは作中にはもう出てこないという解釈です。あまりこういう事を言うのは良くないと思いますが先に言っておきます、途中で勇者は全員、死にます。まぁ元の世界に送還した、魔王に殺された、など理由は作中で判明するまでお楽しみにしてて下さい。では、今後とも当作品をよろしくお願いします。
あと、後編の前編ってなんなんでしょうね?次回は後編の後編です。もう日本語としておかしい事は気にしないでください。by作者(?)