初テイム
「噛み付かれたりしたら終わりだ、できるだけ距離をとって戦え!」
「ええ、わかったわ……っ!待って、そっちに行った!」
「っ!」
シャープスネイクは俺目掛けて一直線に向かってきている。俺が持っているのは護身用の短剣のみだ。
噛み付かれる直前で恐怖で強ばる身体を無理やり動かし何とか回避し、通り過ぎていくシャープスネイクの身体に短剣を刺した。
その結果、勢いそのままに直線を進んだシャープスネイクは中腹の少し下から尻尾の一部まで傷が付いた。少しだけだが白い身体から血が流れている。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
まだ身体は震えている。戦闘訓練は村でそれなりにしてきたがまともな実践はこれが初めてだ。
「シャー!!」
シャープスネイクは俺を強く睨み、口を大きく開けている。
「っ!!」
何故か身体を動かすことができない、スキルの効果だろうか?
幸いにもシャープスネイクは動きが少し鈍い、多分だが動きを代償に相手の動きを止めるスキルなのだろう。ならばとニロに言おうとするが口がまともに動かなかった。
「ハク……いや、分かったわ。『魔装』」
そう言うとニロは小枝に魔力を纏わせ、その状態で小枝を振るった。斬撃の形をした魔力の塊をシャープスネイクは交わしきれずに多少の血が首辺りから流れているのが見える。
視線がそれたからなのか身体が動かせるようになった。
「『テイム』」
賭けで俺はテイムを使った。失敗する確率は相手と自分との力量差で決まるらしい。現段階だと多分成功する確率は多分2%くらいだろう。
シャープスネイクはこちらを見ているが睨んでおらず、こちらを見て首を傾げていた。
どおやら成功したらしい。
「ふぅ……ニロ、どうやらテイムに成功したみたいだ」
「やったじゃない、ハクの初めての従魔よ!わ、私仲良くできるかな……?」
「ニロなら大丈夫だろ、それより俺だよ」
「ハクは大丈夫だと思うわよ?それで命令とかしたらこっちに来てくれるの?」
ニロは未だに首を傾げているシャープスネイクを指さして言った。
「……えっと『従魔召喚』」
そう言うと目の前に魔法陣が現れシャープスネークが現れた。
「え、え?どういう事?《テイマー》ってこんな事できるの?」
「あぁ、どうやら従魔を魔力体、えっと魔力で構成された体にして体内に保管、それを『従魔召喚』というスキルで体内から体外に出すことができる……らしい。神様からジョブと一緒に与えられた知識だからちょっと分かりという事で実際にやってみた」
「な、なるほどね……便利ね、そのスキル」
「あぁこのスキルがあればどんなに大きい従魔でも移動が楽だ」
将来は大きい魔物を沢山テイムして巨大従魔のみで構成されたチームとか作ってみたいよな〜うん、これからの旅が楽しみだ!
「ねぇハク、この子の名前を決めてあげない?ずっとシャープスネイク呼びだと流しさ」
「確かにな、ちなみに案はあるのか?」
「そうねぇ……シャープスネイクだしシャプとかどうかしら?」
「いや安直すぎるだろ……うーん、よし!いいかお前の名前は[ホーリー]だ」
「ホーリー……なんでその名前なの?」
「ほら、白いしホーリーって名前ならなんか神聖そうだろ?」
「ハクも人の事言えないわよ……?」
「シャア~」
「はぁ……まぁ本人が良いならそれで良いわ」
ホーリーの満足そうな鳴き声によって名前が正式に決定した。
「さて、名前も決まった事だし移動を再開する訳だが……すまないがホーリー、魔力体になって俺の身体の中にいてくれ」
「シャー」
少し寂しいそうに鳴いたあと、ホーリーの身体が少し光り、ホーリーの姿が消えた。そして俺の身体に何かが宿ったような感じがした。
「移動をスムーズにするには仕方ないわね、それじゃあ気を取り直して進みましょ!」
その後、何時間が歩いたところで辺りが見通しが悪いくらい暗くなったので近くの川の近くを野営地として、眠りに付いた。
とうとう初テイム!結構ご都合に見えるかもですが、これからこんな事ない……予定!なのできっと大丈夫なはず……です。
後書きちゃん(仮名)「さてさて次回は一体何が起きるのか!次回をお楽しみに!」




