神龍戦終わり(?)
『魔剣解放』とは魔剣の力を最大限引き出す為の詠唱。それは時として魔剣の形や魔力量すら変わる事がある。
「『魔剣解放』!!」
俺が最初に出した魔剣は『魔剣解放』をしたとしても少し斬れ味が良くなるくらいだったのに対し、ストが『憑依』した魔剣は形が大きめの鎌に変わっていた。なんというか......まんま死神の鎌じゃないか!?持ち手部分には包帯がくるくる巻になっており全体的な見た目は幽霊感が強いというかなんというか......まぁ今はどうでもいいか。カスタマイズに関してはストに予算決めて任せたから何があるかよく分からんのが不安だが......まぁなんとかなるよな
「へぇ......中々の魔剣を持ってたんだね〜ならこっちも真面目にやろうか!『封印解除』」
「なっ!?」
「驚いた?まぁ驚くよね〜姿まで変わるのは予想外だった?」
「まぁ......な」
こいつ......ほんとに神龍だよな?『封印解除』した瞬間俺の身長(171cm)の7倍ぐらい大きかったのに今では大体3倍くらいに変わっている。
「じゃあいくよ!『エレメント ドラゴン』」
神竜が唱えると神龍の周りに五体の龍が現れる。多分魔法の基本属性の火、水、風、土、闇だろう。氷は水からの派生、光は闇からの派生らしい。光に関しては失敗から生まれたらしい。というか今はそんな事どうでも良いんだよ!
「スト、いきなりだがやるぞ『巨大化せよ』!『回れ』!」
この魔剣(?)の主な能力は二つ、一つ目は今使った特定の詠唱による形状変化及び自動行動。二つ目は俺の魔剣にもある自己進化機能。多分この自己進化機能によってこいつは大鎌になった。えっ?なんでさっきまで知らなかったのに今知ってるのかって?それは今ストが言ったことを繰り返しただけだからだよ!!
「さて、やるか......『魔法付与』『詠唱短縮』『風龍の風域』」
ストの魔剣の分の余ったやつを少しこの魔剣に費やした。思った以上に死ななかったから少しぐらいと思ったけど相手がなんか色々と『封印』してたらしい正直分からんな
「へぇ〜そんなのまで使えるんだね!じゃあもういいかな......なっ!?」
「まじで!?」
「なんで君が驚いてるの!?」
驚くしかないだろ、これは。だって切り傷すらつかない鱗がある腕を自動行動(ストによる操作)していた大鎌が簡単に切ったからだ。これには相手も驚きを隠せなかったようだ、驚いてスキル解除してるし。
「まぁ別にすぐ治るから良いけどね」
「......回復するのズルくね?」
「これに関してはスキルの『自然治癒』のせいだからどうしようもないよ?」
「素直に教えてくれるんだな、以外だわ」
「別に教えたところでって感じだしね〜それに君には私を殺す程の力もないし良く言い寄ってきたりする人族とは違う感じだしね、私もよく分かんないけども」
よく言い寄ってくる人族ね〜......そうゆう系の人間はどこの世界にもいるんだな。まぁ今の俺には関係ないな。
「......ちなみに聞くがその言い寄ってきた奴のその後は?」
「さぁ?ただ言えることはこの世に存在しないって事ぐらいだね」
「さいですか......」
というかいつの間にか脱線してたな......ワンチャンここから帰ってくれたりするか......?
「なぁ俺のダンジョンでの用事がないなら帰ってくれると有難いんだが......どうだ?」
「う〜ん......まぁ実際特に用事があった訳でもないからね〜けどこのまま帰るのはなんか嫌だからこっちから条件を出させてもらうね」
「その条件とは?」
「ふっふっふっ......本気の私に一撃を入れられたら帰ってあげるよ!!」
「......はぁ!?真面目にやるって本気を出すってことしゃなかったのか!?」
「確かに真面目にやるとは言ったけど本気を出すとは言ってないからね〜?どうせあと数百回生き返るんでしょ?ならこの条件でいいよね?というか君に拒否権はないからね!さぁスタート!!」
「いや少しは待っ......」
言い終わる前に俺は死んだ。というか何をされたかすら分からなかった。いやこんなん理不尽だろ!?こちとら生まれて三日のダンジョンだぞ?一撃入れるって......いや待てよ?一撃を入れるだけなら簡単か、ダンジョン内だし。
「......ふぅ、よし!」
「あれ?マスター、もう行くんですか?今生き返ったばっかりなのに」
「あぁ色々あったがどうにか帰ってくれそうだよ」
「本当ですか!?」
「あぁ、まぁ多分だがな。じゃあ行ってくる」
「はい!頑張ってください、マスター」
「『転移』」
「今回は帰ってくるの早かったね〜あっストちゃんならそこに刺さってるよ〜」
神龍が指した方向を見ると言った通り刺さっていた、剣の状態で。いやなんで刺さってるの!?
「というかなんでストの名前知ってるんだ?」
「うん?さっきまで話してからだよ、君が来るまでね。まぁ最初は君が死んだ後もさぁ次はって感じだったんだけど君が死んだせいでただの魔剣に変わっててね〜君が来るまで暇だから話してたって訳よ」
「なるほど......じゃあなんで刺さってんだ?俺が生きてる時は腕切った後は俺の周りを回ってたよな?」
「それは魔剣に戻った時に近くの岩か何かに刺してって言われたからだね」
「なるほど......ちなみに本当か、スト」
「はい......本当......です」
「もしかして私の事信用してくれてない?」
「そりゃ一応侵入者だし、それにさっきいきなり始めたからな」
「うぐっ......まぁあれはノリだったし?仕方ないよね、うん。というか気にしてるの?」
「いや別に?正直あんまり気にしてない。というか条件はさっきので良いんだよな?」
「あぁ、それは問題ないよ」
「なら三秒後にスタートな、321スタート!」
「えっ!?三秒後だってないよね!?」
「『クリエイトトラップ』!はい、これで終わり」
クリエイトトラップで神龍の踏んでいる地面から小さい槍を幾つか作った。という訳でこれでチェックメイトだ。
「いやズルでしょ!?」
「俺はちゃんと三秒後と言ったぞ?攻撃したのも三秒後だし」
口で言ったのは確かに三秒では無いが攻撃したのは三秒後だから何も問題ない。
「もしかしていつ攻撃されたのかすら分かってないのか?神龍なのにか?」
「いや分かってるよ!というか分かってるから言ってるの!ズルいって!」
「というか約束なんで早く出てってくれないか?こっちは寝たいんだよ、急に起こされて戦って二回死んでるし精神的に疲れてるんだよ、寝させてくれ」
「あ〜もう〜!わかったよ!じゃ!!」
そう言って神龍は出ていった。案外押しに弱いのか?それともこれ以上の話は意味が無いと思って出ていったのか?まぁよく分からんが終わった!!
「スト、ありがとうな」
「いえ......特に私は何もしてないので......ご主人様も......お疲れ様です」
「あぁ疲れたよ、という訳で『転移』」
ストを岩から抜いて転移を使ってメイの元に戻る
「遂に追い返しましたね、マスター!お疲れ様です!!」
「おう、疲れたよ。という訳で寝る、おやすみ〜」
そう言って俺は敷きっぱなしだった布団で寝た。
後書きちゃん「これで納得するとでも(怒)」
作者「誰がこれで神龍戦が終わると言った......?」
後書きちゃん「なん......だと......」
サブちゃん「......ちなみにダンジョン編ってどれぐらい長いんですか?」
作者「正直未定なんですよね〜ダンジョン編のサブタイトルって『神獣』なんですよ、今言いますけど」
後書きちゃん「ふぁ!?」
もしかしたらダンジョン編が一番長くなるかもしれない......by作者(?)