魔物の大量発生
「ふわぁ〜……あっ夕方だ。セリナ〜起きろ〜」
「う〜ん……」
揺らしているが全然起きない。こうなったら最終手段だ。
「ホーリー、軽く噛め……」
「いった!?なになに、敵襲!?」
「いや、中々起きないからホーリーに噛ませて起こしただけだ」
「もう少し優しく起こしてよ〜」
「起きないのが悪い。まぁこの話は置いといて……こっから見張りだ。俺とホーリーで東側を、フォクとセリナで西側を、北と南はセリナの従魔でって感じでいいか?あくまで見張りだから少数でって感じなんだが……」
今日は見張りで明日本格的に討伐って感じにしたいが……
「今日中に討伐した方が早くない?私の従魔だってこの前の事もあって合計で1000近くはいるよ?それぞれ結構強いんだし多分包囲戦で追い込めば死ぬことはないと思うけど」
「私はそれよりも主様と離れることに不安なんだがな、それはともかくセリナの案でいいと思うぞ、主様よ」
「ご主人様、私もセリナの案で賛成です」
従魔2人とも賛成か、これは決まりだな
「よし、ならセリナの案を採用するか、討伐対象が分かるまでは見張り及び観察って感じだ。分かり次第報告って感じで頼む」
「「「了解」」」
「じゃあとりあえず見張り用はゾンビ、連絡用はスケルトンって感じでいい?」
「あぁ、それでお願い。というかゾンビは足遅いから連絡用は最初から無理だな」
「そうだね、じゃあ召喚するよ『配下召喚』!」
セリナが配下召喚を使うと魔法陣が現れて魔法陣が光ると魔法陣の上にゾンビとスケルトンが四体ずつ立っていた。
「とりあえず二体ずつでいいね?」
「いいよ、じゃあここからは各自見張りって事で、じゃあ分かったら早めの連絡頼むぞ」
そう言って俺たちは四方に別れた。ある意味別れたのが間違えだったのかもしれない。
「さて、この辺りでいいか。ホーリー、問題なく見えるか?」
「はい、問題ないですね」
「にしても……既に割と遠いが結構な数が魔力探知に引っかかってるんだよな……戦う準備はいいか?」
「ご主人様、私をなんだと思ってるんですか?流石にすぐにでも戦闘できるようにしてますよ」
「ならいいが……」
あれからどれぐらい経っただろうか、少なくとも数時間は経っていないと思う。思っていたよりも早く討伐対象は分かった。しかし、連絡に行ける状況では無い。なぜなら……
「全部が敵っておかしいだろ……何処かのダンジョンでスタンピードでも起きてんのかよ……」
全てが討伐対象だった。なんならゴブリン以外種族が分からない奴しかいない。せめてスライムが良かったな〜……
「済まないホーリー、戦闘を始める前に鑑定してくれ」
「了解です……種族はゴブリンにゴンリンリーダー、小さい奴はコボルトで大き奴らはオーク、飛んでるのは見た目はそれぞれがちょっと違いますがスモールバットにリーダーバットですね」
「空は対処しようがない気がするんだが……」
ラスが生きていればと思ったが、気持ちが重くなるので考えるのをやめた。割り切れたと思ったが案外割り切れてないものだな。だが、ラスが腕になってくれたお陰で手に入れた力もある。それが……
「『変形』」
『変形』は俺の右腕のみにしか使えないが逆に俺の右腕ならある程度自由に形を変えられる。
空まで届けばと思ったが……
「これ……届かない時がヤバくないですか?」
「そうだな、戦闘始める前はやめとくか」
届かなかった場合、位置もバレるし敵は減らないしで大変な事になりそうだからやめることにした。
「仕方ない……ホーリー、俺が隙をつくるからセリナ達に報告しに行ってくれ」
「え?けどそれだとご主人様がヤバいんじゃ……」
「大丈夫だ、相手は速いやつはコボルトぐらいだしラスのおかげで一定以上の魔力消費さえ無ければ魔力は無限に等しくなったしな。それに生きる事が最優先だ、だから安心しろ」
「………分かりました。けど、死なないで下さいね?」
「おう、任せとけ。じゃあよろしくな、ホーリー。か『蓄電』『魔装』」
俺は短刀に蓄電で溜めた電気を魔装で纏わせた。俺は皮肉にもラスのスキルは全て使う事が出来るようになっていた、だからこそできる賭けだ
「行け!ホーリー!頼んだぞ!『放電』!」
「はい!ご主人様もどうか無事で!」
一回短剣に纏わせる事で放電が狙った方向に放つ事ができる。それを利用してまずコウモリを焦がす。これで魔物達は俺に引き付けられるはずだ
「よし、予想通りだ。さて、ひたすら逃げてはこれの繰り返しだな。『蓄電』『放電』!」
嘘だろおい!?まさかのオークには電気は効かなかった。そうそうピンチだよ。
「ははは……ヤバいじゃん」
乾いた笑いしか出ない。というか笑わないとやっていけないわ、こんなん
「グルァァァァァ!!」
「うっさ!」
オークの咆哮で耳が痛い。しかもいきなり足が震えて動かない。
「くっそ……!『ポイズンフィールド』!」
詠唱なしの魔法なんてない。だから本来の五分の一の効果もないがないよりマシだ
「はぁ、はぁ……『放電』!」
適当に電気を放って空中からの攻撃もできるだけ少なくさせる。
「ギャギャギャ!」
ゴブリンが集まり始めた。知能が低いが数が多いのが問題だ。コボルトはある程度電気で焼けたから良いけど……
「クッソ!『変形 暴走』」
変形は自分の自在に変える事が出来る。しかしそれはリミッター内までだ。変形 暴走はリミッターを完全に無くし、右腕を暴れさせるある意味最終手段だ
「がァァァァァ!!」
正直言ってものすごく痛い。正直死んだ方がマシなぐらい痛い
「うっ……あ……」
あっダメだ……前回は限界突破でマイナス魔力で済んだが今回はしていない。だから0になったら意識が……
「あ…………」
俺が最後に見た光景は空から炎の塊が降ってくる光景と周りに広がる大量の魔物の死体だった
作者「え〜忙しい時期?が過ぎたので投稿再開しますと、それで新作も明日?明後日?ぐらいから投稿し始めますと……嘘です、はい。この後大体11時くらいに新作の一話目を投稿します」
後書きちゃん「ストーリーPVだけは投稿してる奴だよね?」
作者「そうです!結構自信作なんで楽しみにして下さい!」
代役ちゃん「最近作者本人が出てくるから……喋ることがない……」