魔物じゃ無かったよ
調査を続けたが結局夜になっるまで何も分からず、
取り敢えず今日の調査を切り上げて野宿の準備を始めた。
「う〜ん……今までの情報を整理すると、可能性としてはウィプス、幽霊、レイス、またはステルス系統のスキルを持っている奴かモンスターとなる訳だが正直、時間帯的にも幽霊は消える。レイスの場合近くに建物がある可能性があるが見当たらなかった。最後にステルス系統を持った奴だが……ホーリー、空間把握を使ってくれないか?」
「はい?分かりましたが……範囲はどれぐらいにするんですか?」
「この彷徨いの森全てだ。安心しろ、魔力ポーションはある」
「まじですか……はぁ〜分かりました。『空間把握』」
「『感覚共有』」
俺は感覚共有でホーリーが空間把握で手に入れた情報を共有した。
「やっぱりだ……」
俺の予想通り、隠蔽の結界で隠されている館があった。
「ここから約10m先に館がある。ここに今から行くか?」
正直、俺はそこまで戦えないから従魔達の体調や疲労次第となるのがノーパーティテイマーの弱みだと俺は思っている。
「行っていいと思います」 「ラスは行ってみたーい」
「私は構わないよ」
「なら決定だな。完全に夜になっているが行くぞ。
ラス、軽い放電で辺りを照らしてくれ」
「分かった〜『放電』〜」
フォクの狐火で照らしても良かったが昼間の裁判のせいで魔力が無いので仕方ない。それにこっちの方が照らせる範囲が広いしな、多分。
「ここであっているよな?」
「はい。多分あっていると思います。あと気になったんですがどうやって結界を壊すんですか?」
あっ……なんも考えて無かった。隠蔽の結界は隠す事に全振りしているから多分短剣で切ればいける……はず。
「短剣術『クロススラッシュ』!」
短剣術でとりあえず切ろうとしてみた。
「ご主人様、結界が壊れました。見てください」
「おぉ〜……思っていた以上に大きいな」
多分貴族の館ぐらいの大きさはあるのだろう。
「ここに人が来るなんて珍しいね。君はいったい誰なんだい?」
フードを被った顔の見えない人がいた。ここに住んでいるのか?
「そっちこそ一体誰なんだ。人に尋ねる時自分からって習わなかったのか」
ちょっと威圧的に俺は言った。隠蔽の結界内にいたとするならこの館の持ち主か、それとも……
「あぁ、それはごめん……ゴホン、それはすまない。私はチナという名だ。さぁこっちは話したぞ。君は誰だ」
なんか一瞬別の声?が聞こえたが多分聞き間違えだろう。名前が女っぽいが多分ハッタリか偽名だろう。だがここは真面目に答えるか
「俺はハクだ。見ての通りテイマーだ。お前は何をしているんだ?そして何故ここにいる」
「あぁ。私は死霊術の、ネクロマンサーをしている。配下は……秘密だ。そして何故いるのかだったか?それは勿論、配下を増やすためさ。」
「ここは墓地じゃないぞ。ネクロマンサーなら墓に行った方がいいんじゃないか?」
「それはごもっともなんだがね…迷子になってしまってね。道を教えてくれないか?」
嘘か?真実か?どっちだ?せめて嘘やハッタリを見抜けるようになればな……
「…………信用して貰えてないようだね」
「そりゃそうだ。簡単に他人を信用できるか」
「なら信用して貰えるように努力しよう。……この喋り方を辞めるよ。これで信用してもらえる?」
……わざわざ喋り方変えてたんかい!ただ、何かひっかかる……まぁいっか
「心を許したって解釈ならな。そうだな……お前の配下の一番強い奴を教えろ。それなら信じてやるよ」
これで教えたら本当に迷ってたまたまあった。教えなかったらまぁ……ラスの魔装で捕らえるか
「う〜……分かったよ!教えるよ!『我が名の元に下僕をここへ』配下召喚!」
「これがお前の配下か……」
やべぇよ……なんかスケルトンドラゴン出てきたんだけど!?えっ待ってヤバくない?このフード被った男ヤバイよ!?と、取り敢えず落ち着こう。
「ス、スケルトンドラゴンか、凄いな。なんで隠そうと思ったんだ?」
「じ、実は……」
話を簡単にまとめると、ドラゴンの死体があったけども自分じゃあどうしようもないと、そうゆう事で他の骨を混ぜる事でスケルトンとして甦らせることができた、ここまではいい。だが上手いこと操る事ができない、しかも他の骨と混ぜたせいで上手く動かないし上手く動くようになるには魔石が必要とそれでこの森きたら迷った、という事らしい。
「そうか……なんというか運がいいのか悪いのか分からないな」
「聞こえているか?主様」
うわっ!?ビックリした〜……いきなり念話でフォクが話しかけてきた
「あぁ……聞こえてるぞ。いきなり何の用だ?」
「いやなに、さっきの裁判を使った戦闘でレベルが上がったのだよ。なので新しくスキルを取る許可が欲しくてね」
「わかった、許可する。ただし次からはまとめてするからな」
「了解したよ、主様」
「いきなり黙り込んでどうしたの?」
「あぁ、別になんでも……フォク!?」
返答しようとするとフードに向かって狐火をしていた。
「なんで狐火を打ったんだよ!?」
「よくあのフードの方を見てみろよ、主様」
ため息混じりにフォクが言った。これでも……まぁいいや。
「!?結……界……って事は迷子と言うのは嘘か?」
「なんでわかったのかな〜まぁいいけど。そうだよ、ここに隠蔽の結界を張ったのは僕だよ」
「フォクなんで見破れたんだ?」
「さっきとったスキルだよ。真実の目、効果は相手の全てを見通す。種族スキルだから結構したよ」
おいおい、結構したって……まぁこの際どうでもいいか
「なんで隠蔽の結界を張った?目的はなんだ」
「おっと、きみは今の立場を分かっているのかな?さっきの話も嘘だから、スケルトンドラゴンに襲われる可能性があるのに」
「主様、さっきの嘘だよ」
「えっマジ?て事は……どんまい」
いや〜まさかこの森で迷った事も含めて良いのか分からんが色々あったんだな〜
「こっちにハッタリや嘘はもう効かんぞ。ちゃんと答えて貰おうか」
「僕の仲間がこのドラゴンだけと思っているのかな?慣れた召喚はね〜詠唱なしで召喚できるのさ!
召喚!ウィプス!」
目の前にウィプスが二体現れた。どうやら一回の召喚で少なくとも二体召喚できるらしい。
「ラス、真似を使ってみてくれ。対象は配下召喚だ」
「わかった〜『我が下僕を〜ここへ〜』配下召喚〜」
なんともゆったりとした詠唱だな……今更だが配下いないけどどうなるんだと思ったが目の前にウィプスが二体現れたって事は配下すら真似するらしい。
「なんでスライムが召喚使えるのかな〜ちょっと教えてくれない?」
「嫌だね。教えて欲しけりゃフードを脱いで顔でも見せろ」
「それは無理かな〜って事で勝って教えて貰うよ!」
作者「え〜今回遅れたのは絵を描くのにハマってたせいと長くしようとしたせいです。決して推しのVTuberのアーカイブを周回していたという訳ではありません!」
後書きちゃん「嘘が下手だね〜とりあえず……ぶっ飛んどけ☆」
作者「えっちょっまっ……ぐわぁぁ〜」
代役ちゃん「次回から私も再登場です!やった〜」