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食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第97話 宮城謙県② 牛タン、田代島、ずんだ


「仙台の名物と言えばこれ、牛タンだよ。牛の舌なんだけれど、これがまたおいしいんだよね!」


「……舌を食べるとは少し変わっておるのじゃ。ゲテモノのたぐいになるのかのう?」


「いえ、こちらの世界でタンはよく食べられますよ。それにしても焼き肉屋で見かける牛タンとはずいぶんと形が異なるのですね」


 言われてみると牛の舌を食べるというのは少し変わっているかもしれないが、こちらの世界では焼き肉屋などで一般的に食べられる食材だ。牛だけでなくて、他にも豚タンとかもあるもんな。


「喜屋武さんの言う通り、仙台の牛タンは分厚く切って焼くのが基本だね」


 実は一口に牛タンと言っても、部位によって味わいが異なる。普通の焼き肉屋で提供される牛タンは脂身が少なく硬い食感の部位なので薄く切って提供される。


 一方で仙台の牛タンは脂がのった柔らかい食感の部位が選ばれているので、しっかりと牛タンの旨みを味わえるように分厚くスライスして提供されているわけだ。


「おお、こんなに厚くても柔らかくて噛み切れるのじゃ! それに弾力があっておいしいのう!」


「柔らかい部位を使っているし、タンに切り込みを入れて焼いているから、歯ごたえがあるのに簡単に噛み切れるようになっているんだよ」


 タン先と呼ばれる舌の先の方が固いらしいが、仙台牛タンで使われるのはタン元と呼ばれる舌の根元部分だけを厳選して使用している。そしてそこに丁寧な切り込みを入れているので、歯ごたえがあるのに簡単に噛み切ることができるようだ。


「炭火で焼かれているので良い香りがしますね。それにシンプルな塩味だけでもとてもおいしいです」


 喜屋武さんの言う通り、炭火でしっかりと焼かれているのもおいしさの秘密だ。味付けはシンプルな塩だけのお店が多いが、その分塩にもこだわっている店が多いらしい。この店は大粒の粗塩を使っているようだ。


 そして牛タンといえば麦とろごはんとテールスープがセットの店が多い。


 昔牛タンは男性が酒のアテで食べるイメージが強かったらしいのだが、健康志向の高い女性にも味わってほしいと栄養価の高い麦飯とトロロと一緒に提供したところ、女性にも広がっていったそうだ。


 今では男性も普通においしく食べられるセットになって、仙台の立派な名物となっている。




「おお、本当に猫がいっぱいなのじゃ!」


「……ここは素晴らしい島ですね」


 続けてやってきたのは宮城県の田代島だ。


 この島は別名猫の島と呼ばれていて、島の住人よりも猫の数の方が多い島として猫好きの人たちの注目を集めている。周囲は約11キロで、石巻の港からフェリーを使って30~40分で到着する小さな島だ。


 仙台から港に行って、フェリーに乗って島に向かうのは少し大変なのだが、猫好きの人たちには楽園の島となっている。似たような島で、広島の大久野島はウサギの島だったりする。日本各地にはこういった面白い離島なんかがあるので、興味があったら訪れてみるのがおすすめだぞ。


 ミルネさんも喜屋武さんも可愛い動物が大好きみたいだからな。もちろん俺も可愛い動物は大歓迎である。


「どの猫もとても人懐っこいですね。自分たちの方からこちらにやってきますよ」


「この島の猫は昔から代々島の人たちと共存してきたからね。ここに観光へ来る人たちも猫好きな人たちが多いみたいだし、自然とそうなっていったらしいよ」


 野生の野良猫はエサでもあげないとめったに近寄って来ることはないが、この島の猫たちはずっと人と関わってきたこともあって、エサを上げなくても自分たちから人に近寄って来ることが多いそうだ。


 猫が向こうから寄って来るし、街中には猫を模した案内板とかもあるし、猫好きの人には本当に天国みたいな島だな。


「あっ、どんなに可愛くてもエサはあげちゃ駄目だからね」


 この田代島での絶対のルールは猫にエサを与えてはいけないことだ。島の猫には島の人たちが適切な食事を与えているので、食べ過ぎなどによる体調不良を防ぐために観光客はエサをあげないように呼び掛けている。


 島のいたるところには猫の人形が設置されていて、そこに猫のエサを入れると、島の人たちが猫の食事の時間や体調に合わせて与えてくれるようだ。


 島の中心には廃校になった中学校を改装して建てたお土産屋兼飲食店があり、そこには多くの猫が集まっていて、お昼にはエサやりを見ることができるのでおすすめだぞ。




「おお、これは甘くてみずみずしくておいしいのじゃ! それに鮮やかな緑色をしていて綺麗じゃのう」


「仙台のずんだ餅は有名だからね」


 島から転移魔法で戻ってきてやってきたのは枝豆をすりつぶして餡にした白いお餅へかけたずんだ餅が食べられるお店だ。


 宮城県では餅を食べる機会が多く、ずんだ餅だけでなく、クルミを使ったクルミ餅やゴマ餅、納豆餅などもある。


「枝豆と甘い味は意外とあうのですね。何よりこちらのシェイクはとてもおいしいです」


 そして今回はずんだ餅と一緒にずんだシェイクというものを注文した。


 ずんだシェイクは最近とある店が出したスイーツだ。ずんだの粒々感が際立ち、さっぱりとしたおいしさと甘いバニラ風のシェイクが本当によく合うのだ。昔ながらの伝統を守りつつ、シェイクという新しいスイーツが合わさるのは素晴らしいことだな。


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